BMW Z4 G29がついに生産終了を迎えることになりました。
直列6気筒エンジンとFRレイアウトを備えたオープン2シーターは、現在の自動車市場では希少な存在です。
今回米国で発表された「BMW Z4 Final Edition（ファイナルエディション）」は、G29世代の締めくくりとなる特別モデルとして登場しました。
本記事では、Z4 G29が生産終了を迎える背景を整理しながら、Final Editionの仕様を現行モデルと比較しつつ、違いをわかりやすくお伝えします。
❗️記事3行まとめ
✓BMW Z4 G29が2026年でついに生産終了
✓米国限定Final Editionの専用デザインと装備
✓6速MT専用チューニングで走りの完成度を向上
BMW Z4 G29がついに生産終了へ
BMWはZ4 G29の生産を2026年3月頃で終了する予定であることを明らかにしました。
世界的にSUVやEVが販売の中心となる中で、2シーターのロードスターはどうしても市場規模が小さく、メーカーにとって優先度が高いセグメントとは言えなくなっています。
とくに欧州メーカーは電動化への投資が求められており、内燃機関スポーツの存続はますます難しくなってきました。
しかし、Z4 G29は単なる販売数の問題では語れないモデルです。
3.0リッター直列6気筒ターボのB58エンジン、FRレイアウト、軽快なボディによる純粋なドライビングフィールは、現代のBMWでは珍しい“クラシックなロードスター像”を体現していました。
私自身も、Z4という車種が持つ独特の存在感が失われてしまうことに寂しさを感じています。
米国限定「Z4 Final Edition」の概要
生産終了を知らせるタイミングで登場したのが、米国限定の「BMW Z4 M40i Final Edition」です。
このモデルは最上位であるM40iをベースにしており、最高出力382hpのB58型3.0リッター直列6気筒ターボエンジンを搭載します。
駆動方式や基本的なパワートレインは従来のZ4 M40iと変わりませんが、Final Edition専用の外装色やデザインを採用することで、特別感のある仕様に仕上がっています。
エクステリアでは、フローズンマットブラックの専用カラーやShadowlineのブラック加飾、19／20インチの専用ホイール、レッドのブレーキキャリパーなど、標準モデルとは明確な差別化が図られています。
インテリアもブラックを基調にレッドステッチを効果的に配置し、アルカンターラ素材を組み合わせることで上質さとスポーティさを両立しています。
日本国内での販売はありませんが、G29を締めくくる象徴的な存在として、Z4ファンなら注目すべき一台だと感じます。
Z4 Final Editionの外装デザインと現行モデル比較
専用色「フローズン・マットブラック」の存在感
Z4 Final Editionの最大の特徴は、専用色となるフローズン・マットブラックが採用されている点です。
現行のZ4 M40iでもBMW Individualを選べばフローズン系のマットカラーをオーダーすることは可能ですが、マットブラックを採用したモデルはこれまで存在しませんでした。
Final Editionはマット特有の深い質感を前提にデザインがまとめられているため、G29の造形をより立体的に見せる仕上がりになっています。
同一のボディカラーなのかは不明ですが、つやを抑えた黒系の特別色という意味では、GRスープラ ファイナルエディションに設定された「マットステルスブラック」と似た雰囲気を持っています。
両車は同じ工場で生産される兄弟車であり、どちらも最終モデルで“マットブラック”をまとったことに、私は特別な縁のようなものを感じました。
シャドーライン仕上げと専用ホイールによる差別化
外装ではシャドーライン仕上げが標準化され、グリルやエアインテーク、ミラーカバーまで光沢ブラックで統一されています。
現行のZ4 M40iでもシャドーラインは設定できますが、Final Editionはボディカラーとの対比をより鮮明にするため、パーツ単位で細かく最適化されています。
さらに、19インチと20インチを組み合わせた専用ホイールが採用されています。
現行モデルの19インチ標準ホイールよりも重厚感があり、レッドキャリパーとの組み合わせでスポーツモデルらしい視覚的メリハリが強調されています。
最終モデルとしての統一感を重視し、ブラックアウトされた外装と専用ホイールを一体でデザインしている点が、現行型との大きな違いだと感じました。
インテリア・装備の違い
レッドアクセントが際立つ専用インテリア
Z4 Final Editionのインテリアは、ブラックを基調にレッドのアクセントを加えた専用仕様になっています。
現行のZ4 M40iでもレッドステッチやアルカンターラの組み合わせは選択できますが、Final Editionではシート、ドアトリム、センターコンソールまで統一されたコーディネートが施され、限定車らしい一体感が強調されています。
特にシートのレッドラインは視覚的なアクセントとして機能し、ブラックアウトされた外装との対比でスポーツカーらしい緊張感を演出します。
個人的にはオープンカーの内装は「見せる」要素が必要だと思っているので、ボディカラーと同じ黒ではなく他の華やかな色も設定があっても良いのかな？とも思います。
もちろん、今回の黒の内装もZ4にはこれまで存在しなかった「シック」なイメージだと思います。
“全部入り”の充実装備とMT専用チューニング
Z4 Final Editionでは、Harman Kardonサウンドシステムやヘッドアップディスプレイ、アクティブクルーズコントロールなど、現行モデルでオプション扱いとなる装備が多く標準化されています。
Z4はオプション構成によって価格が大きく変わる（米国仕様）車種ですが、Final EditionはG29世代の集大成として、快適装備と走りの装備をバランス良く“全部入り”にまとめている点が特徴です。
さらに注目すべきは6速マニュアル仕様です。
このモデルには「Edition Handschalter Package」と呼ばれる専用シャシーチューニングが正式に施されています。
前後アクスルには専用補助スプリングが追加され、フロントのスタビライザーブラケットが強化されるほか、リアダンパーの電子制御マッピング、可変スポーツステアリングのソフトウェア、トラクションコントロールおよびMスポーツディファレンシャルの制御ロジックまで専用設定が盛り込まれています。
こうした装備内容を総合すると、Final Editionは単なる特別色モデルではなく、Z4 G29の魅力を最終仕様に凝縮した“完成形”であり、生産終了という背景も相まって特別感の強い1台に仕上がっていると感じました。
まとめ：Z4 G29生産終了とファイナルエディションの価値
Z4 G29の生産終了は、直列6気筒エンジンとFRレイアウトを守り続けてきたロードスターのひとつの時代が終わることを意味します。
Final Editionは、専用のマットブラック外装やレッドアクセントの内装、充実した標準装備に加え、6速マニュアル仕様では特別なシャシーチューニングが施されるなど、G29が本来持っていた魅力を最終仕様として凝縮した仕上がりです。
私は、このモデルが単なる限定車ではなく「Z4という車種の集大成」として生まれた特別な1台だと感じています。
電動化が加速する今、直6×FR×マニュアルという組み合わせを新車で味わえる機会は今後ますます貴重になります。
Z4 Final Editionは、生産終了という背景を含めて、ロードスターというジャンルの価値を改めて考えさせてくれるモデルだと言えるでしょう。
Reference：bmwusanews.com
よくある質問（FAQ）
Q1. Z4 Final Editionは日本で購入できますか？
Z4 Final Editionは米国限定モデルとして販売されており、日本国内での正規販売はありません。日本で入手する場合は並行輸入という選択肢になりますが、コストや保証面のハードルは高くなります。
Q2. Final Editionのフローズン・マットブラックは通常モデルでも選べますか？
現行のZ4 M40iでもBMW Individualを通じてマット系カラーのオーダーは可能ですが、Final Editionのフローズン・マットブラックとは仕様が異なり、標準で設定されるのはFinal Editionのみです。
Q3. Final Editionのマニュアル仕様と通常モデルの走りは何が違いますか？
Final Editionの6速マニュアルには専用シャシーチューニング（Edition Handschalter Package）が施され、補助スプリング追加やステアリング制御、ダンパーマッピングなどが専用品になっています。走行フィールがより一体感のある味付けに変わります。
Q4. Z4 G29が生産終了する理由は何ですか？
SUV・EVへのシフトが進み、2シーターのロードスター市場が縮小していることが大きな要因です。開発リソースを次世代モデルへ集中させるため、G29を最後にZ4はラインアップ終了となります。
Q5. Final Editionはどの程度の希少性がありますか？
米国限定の特別モデルであり、専用色・専用ホイール・内装・装備を含む“G29の最終仕様”であることから、中古市場において長期的な希少価値が高まる可能性があります。
コメント