BMW M3スポーツエボリューションとは？
BMWの歴史的な傑作、初代E30型M3は1985年に初登場し、その後のシリーズでもその名を高めてきました。
特に注目すべきなのが、E30系M3の特別なモデルである「M3スポーツ・エボリューション」です。
M3スポーツ・エボリューションの誕生
M3スポーツ・エボリューションは、グループA規約に基づいて開発された特別なM3モデルです。
元祖M3が1985年に初登場し、翌年にはモータースポーツでの競技参戦を可能にするために、5000台以上の生産が開始されました。
この車はE30系3シリーズをベースにしていますが、ボディパネル、ブレーキシステム、そして特に2302ccの4気筒DOHC16バルブ「S14」型エンジンなど、多くのコンポーネントがBMW「M」社によって専用に開発されました。
グループAホモロゲーションの取得
M3は1987年にFIAグループAホモロゲーションを獲得し、DTM（ドイツツーリングカー選手権）などで成功を収めました。
しかし、レースの厳しい環境ではアップデートが必要であり、グループAの「スポーツ・エヴォリューション（ES）」規約が導入されました。
この規約には、追加の生産が必要であり、BMWはエヴォリューションモデルを製造しました。
M3スポーツ・エボリューションの進化
M3スポーツ・エボリューションは、エンジン排気量を拡大し、特殊な軽量コンポーネントを採用するなどの改良を施し、究極のE30系M3となりました。
その結果、0-100km/h加速6.5秒、最高速度248km/hという卓越した性能を誇りました。
BMW M3スポーツエボリューションの中古車価格の事例
近年、1980年代から1990年代のクラシックカー市場では、BMW M3スポーツエボリューションが注目を集めています。
希少性の高いE30型BMW M3スポーツエボリューションの中には非常に効果な価格で中古車が売買される事例があります。
車両の背景と特徴
あるBMW M3スポーツエボリューションは、1990年にBMW M部門ガルヒンク・ファクトリーで製造され、その後有名な「シュミット・モータースポーツ・テクニック」のもとで大半の時間を過ごしました。
現在の所有者が取得するまで、32年間にわたり14回も整備が施されたことが記録されています。
この個体は「Brillantrot（ブリリアント・レッド）」のボディカラーに「アンスラサイト」のインテリアを組み合わせ、エレクトロニック・ダンパーコントロールを備えており、ドイツ本国ではわずか8台しか登録されていない希少な仕様となっています。
また、エアコンディショナーや電動サンルーフなど、当時人気の高かったオプションも装備されています。
1980〜90年代のクラシックカー市場での注目
1980〜90年代の「ヤングタイマー」人気に沸くクラシックカー市場では、E30系M3がスター的な人気モデルとなっています。
スタンダード版でも1000万円超えは当たり前となり、特にエヴォリューション3モデルには2倍以上の高値がつくことが一般的です。
さらに、スポーツ・エヴォリューションは国内外のマーケットでも格別とされています。
オークションの白熱した競り合い
2023年5月20日オークションでは、BMW M3スポーツエボリューションが21万2750ユーロ（約3260万円）という驚異的な高値で落札されました。
この価格は一般的な中古車市場では考えられないものであり、その背後にはいくつかの要因が影響しています。
高額落札の要因
希少性と状態の良さ
この車両が希少な仕様であり、32年間にわたり良好な状態を保っていたことが、高額な価格につながった要因です。
歴史とプロヴェナンス
「シュミット・モータースポーツ・テクニック」のもとで過ごしたことが判明し、その歴史とプロヴェナンスが価値を高めました。
車両本体の価値＋その所有者、整備条件などE30型BMW M3スポーツエボリューションの中古車価格を決定する要素は多岐にわたります。
オプションの装備
当時の人気の高かったオプションが多数装備されており、これも高額な価格に寄与しました。
当時のE30型BMW M3スポーツエボリューションは公道を走れるレーシングカーとして人気が高まっていました。
よって、走りに関係しない快適装備が装備された車両は非常に稀な存在です。
しかし、現代の価値基準ではレーシングカーというよりも快適装備が装着されていることが、逆に希少性を高める結果になり、この車両の中古車価格が高騰する原因になっています。
クラシックカー市場のトレンド
1980〜90年代のクラシックカーが人気を博しており、特にBMW M3スポーツエボリューションは注目の的となっています。
なぜこのE30型BMW M3スポーツエボリューションの中古車価格は安かったのか？
ドイツ・ミュンヘンで行われたRMサザビーズのオークションで、1992年式のBMW M3スポーツエボリューションが予想よりも低い価格で落札されるという結果が出ました。
希望価格18万～20万ユーロに対して、実際の落札価格は14万3750ユーロ（約2340万円）でした。
この価格が予想よりも低い要因について考察してみましょう。
1. 市場需要の変動
オークションでの落札価格は市場の需要と供給に大きく影響されます。
BMW M3スポーツエボリューションはクラシックカーとして高い評価を受けていますが、競り合う需要が予想よりも低かった可能性があります。
2. コンディションの一因
この車両は最近フルレストアが施され、オリジナルのボディは再塗装されたとのことですが、これが一部の購買層にとって影響を与えた可能性が考えられます。
車のコンディションが予想以上に改善されたことで、オリジナリティを求める愛好者からは評価が低かったかもしれません。
塗装に関して一番評価が高まるのは、保全状態の良いオリジナル塗装の車両です。
この車両がフルレストアされた際にオリジナルと同じ塗装がなされたとしても、それは本来のオリジナルではないという評価が価値を半減させた可能性があります。
3. 出品者の期待値とのギャップ
オークションでは出品者の期待値も重要です。
希望価格が高すぎた場合、購買意欲が低下する可能性があります。
出品者が予想以上の価格を期待していた場合、結果が不本意に感じられたかもしれません。
4. 市場の価格変動
車の中古車市場は常に変動しています。
競り合うユーザー層やコレクターズマーケットの状況により、同じモデルでも価格に差が生じることがあります。
5. ブランドやモデルの評判の変化
特定のモデルやブランドに対する評判の変動も価格に影響を与える要因です。
BMW M3スポーツエボリューションが過去に比べて需要が減少した場合、価格が低下する可能性があります。
総じて、このオークションでの結果が不本意だった要因は複合的であると考えられます。
しかし、これが購入者にとっては素晴らしい機会となり、クラシックカー愛好者にとっては手の届きやすい価格で希少なモデルを手に入れるチャンスとも言えるでしょう。
E30型BMW M3スポーツエボリューションでさえも相場で中古車価格が変動する
BMWの中古車の中でも非常に人気の高いE30型BMW M3スポーツエボリューションでさえも、相場に価格が左右されます。
特に希少性の高いモデルに関しては、車両のコンディション以外の要素も価格に反映されます。
中古車というのは新車とは違い同じコンディションの車両が複数台存在することはありません。
よって、中古車の購入時には相場もされることながら、あなたが欲しい条件が揃った車両なのか？
そして、その価格はあなたが納得できる価格なのか？
この2点が購入の可否を決める大きな要素になります。
BMWの中古車には、年式や生産月によっても仕様が異なる車両が現在も存在します。
全国にある中古車の中からあなたの理想のBMWの中古車を探す方法は非常に難しいと思います。
Reference：carview.yahoo.co.jp
