BMW M2 G87をベースにした「トラックパッケージ」は、2026年の登場に向けて開発が進められている注目の特別仕様です。
第一報では主に装備やコンセプトの概要が語られましたが、今回は実車テストのスパイショットから、より具体的な変更点が見えてきました。
この記事では、M2 G87トラックパッケージの“続報”として、ニュルブルクリンクで捉えられた新装備や仕様の変化、そしてM2 CSや標準モデルとの違いについて詳しく解説します。
- ストリートリーガル仕様:公道走行を前提に設計され、快適性とスポーツ性能を両立した仕様です。
- サーキット対応装備搭載:リアウイングや足回りなど、走行性能を高める専用装備が多数追加。
- 2026年登場予定モデル:新型M2トラックパッケージは2026年に正式発表される見込みです。
BMW M2 G87トラックパッケージとは?(前回のおさらい)

2026年に登場予定とされているBMW M2 G87「トラックパッケージ」は、BMWが展開するMパフォーマンスパーツを軸に開発されている、ストリートリーガルなサーキット志向モデルです。
ベースとなるM2 G87は、3.0リッター直列6気筒ツインターボエンジン(S58型)を搭載し、標準仕様で最高出力460PS、最大トルク550Nmを発揮します。
従来からBMWはM Performance Partsとして、スポイラーやディフューザーなどをオプション設定してきましたが、「トラックパッケージ」はそれらをひとまとめにしたセット構成になる可能性があります。
また、販売形態としては単品でも入手可能になると予想され、ユーザーの好みに応じたカスタマイズが可能になる見込みです。
このパッケージは、見た目の迫力や空力性能の向上だけでなく、ホイール・サスペンション・ブレーキといった走行性能に直結するパーツも含まれており、単なるドレスアップにとどまらない本格派の内容とされています。
M2 CSやM2 Racingといった競技寄りモデルと比べて、公道での使用も前提にした“バランス型”の選択肢といえるでしょう。
新スパイショットで判明した装備内容
2025年7月時点でニュルブルクリンクに現れたBMW M2 G87「トラックパッケージ」仕様のテスト車両には、これまでのMパフォーマンスパーツにはなかった複数の新装備が確認されました。
もっとも目を引くのは、大型のスワンネック型リアウイングです。
これは従来の低く控えめなスポイラーとは異なり、レース車両のような空力性能を重視したデザインで、車体後方のダウンフォースを高める効果があります。
フロント部分では、新形状のバンパーに加えて、カーボン調のフロントスプリッターが装着されており、地面との距離が極めて近い仕上がりとなっています。
このことから、テスト車にはMパフォーマンス製のアジャスタブルサスペンションが装着されており、ローダウンと共にサーキットでの旋回性能向上を狙っていることが読み取れます。
さらに、前後フェンダーにはカモフラージュが施されており、ホイールアーチの拡大または造形の変更がなされている可能性が高いと見られています。
ホイールはM2 CSと共通と思われる「827M」デザインの鍛造ホイールで、フロント19インチ、リア20インチのサイズ構成と予測されます。
軽量かつ高剛性なホイールは、ブレーキ性能や路面追従性にも貢献する重要な要素です。
なお、車内については後部座席のヘッドレストが確認できることから、完全なスパルタン仕様ではなく、公道でも実用性を保った「ストリートリーガル」を意識した設計が継続されている点も注目に値します。
M2 CSや標準モデルとの違いとは?

BMW M2 G87「トラックパッケージ」が注目される理由のひとつは、標準仕様のM2や上位モデルであるM2 CSとどう差別化されるのかという点です。
まず、M2 CSは最高出力530PSを発揮し、0-100km/h加速はわずか3.8秒という卓越したパフォーマンスを誇る一方で、価格も高額かつ限定生産のプレミアムモデルとなっています。
それに対してトラックパッケージは、標準仕様のM2(460PS)をベースにしており、エンジン出力には変更が加えられていないと見られています。
このため、パフォーマンスの面ではCSには及ばないものの、空力パーツやシャシーの改良によって、よりサーキット走行に特化したセッティングが期待されています。
デザイン面でも違いは明確です。
M2 CSでは控えめなスポイラーが装着されている一方、トラックパッケージには大型のスワンネックウイングが採用され、見た目のインパクトも大きく異なります。
また、M2 CSが専用設計のディフューザーを備えているのに対し、トラックパッケージでは汎用的なMパフォーマンスパーツの構成にとどまる可能性があります。
快適性の点でも違いがあります。
M2 CSは内装の一部にアルカンターラや軽量素材を使用し、重量削減とともに走行性能を追求した設計です。
一方、トラックパッケージでは後部座席が維持されており、エアコンやインフォテインメント機能もそのまま搭載されると見られているため、日常使いにも支障のないバランスが取られています。
発売時期と導入の可能性は?
BMW M2 G87「トラックパッケージ」の正式発表は、2026年内が予定されていると見られています。
現時点ではカモフラージュが施されたテスト車両のみが確認されており、公式なスペックや販売形態については明かされていません。
ただし、BMWの公式SNSやティザー画像などから、開発がかなり進んでいることは確実です。
販売方法については、Mパフォーマンスパーツの一部としてディーラーオプション扱いになる可能性が高く、セット販売と単品販売の両方が検討されていると予想されます。
これは、ユーザーが自分の好みに合わせてパーツを選び、段階的にカスタムしていけるというBMWらしい柔軟なアプローチです。
日本市場への導入についても注目が集まります。
過去のMパフォーマンスパーツが日本国内で販売されてきた実績を踏まえると、今回のトラックパッケージも同様に展開される可能性は高いといえるでしょう。
ただし、保安基準や車検対応の観点から、一部装備については制限がかかる場合もあるため、詳細は正式発表を待つ必要があります。
公道ユーザーにとっての価値はあるのか?
トラックパッケージという名称から、完全なサーキット専用モデルを想像する方もいるかもしれません。
しかし、BMWがこのパッケージをMパフォーマンスパーツとして展開し、公道走行可能な仕様にしていることからもわかる通り、「日常使い」と「スポーツ走行」の両立が意識された構成になっています。
たとえば、リアシートがそのまま残されている点や、快適装備が維持されている点などは、週末のドライブやワインディングロードでのスポーツ走行を楽しみながら、普段は日常の足として使いたいというユーザーにとって、大きな魅力です。
また、装着されるエアロパーツや足回りのアップグレードは、単なる見た目の変更にとどまらず、実際のハンドリングや安定性に直接貢献します。
とくにローダウン化されたサスペンションと高剛性ホイールは、操縦安定性や応答性の向上に寄与するでしょう。
結果として、M2トラックパッケージは「過激すぎないM2 CS」として、サーキット志向のビギナーからミドルユーザーにとって、非常にバランスの取れた選択肢となる可能性があります。
まとめ:M2トラックパッケージは“ちょうどいい”選択肢
BMW M2 G87「トラックパッケージ」は、2026年に向けて登場が予定されるMパフォーマンスの新提案です。CSほど高額でもなく、Racingほど過激でもない。まさに“ちょうどいい”走りの楽しさと実用性を兼ね備えた仕様と言えるでしょう。
ニュルブルクリンクでのテストから明らかになった新装備の数々は、単なる飾りではなく、確かな走行性能の向上を狙ったものです。特に空力パーツや足回りの進化は、BMWがどこまで本気でこのモデルに取り組んでいるかを物語っています。
発売時期や日本導入の詳細は今後の正式発表を待つ必要がありますが、すでに多くのファンが期待を寄せているのは確かです。M2オーナーはもちろん、これからMモデルを検討する人にとっても、魅力ある一台になることは間違いないでしょう。
Reference:autoexpress.co.uk
よくある質問(FAQ)
Q1. トラックパッケージは通常のM2と何が違いますか?
大型リアウイングやスプリッターなどの専用装備が加わり、空力性能と走行安定性が向上しています。足回りもサーキット志向に強化されています。
Q2. エンジン出力はM2 CSと同じですか?
いいえ、トラックパッケージは標準のM2と同じ460PSのエンジンを採用しており、M2 CSの530PSには及びません。
Q3. トラックパッケージのパーツは個別に購入できますか?
BMW Mパフォーマンスパーツとして、個別販売が検討されており、単品でのカスタマイズも可能になると予想されています。
Q4. 日本国内でも導入されますか?
正式発表はまだですが、過去の実績から日本市場にも導入される可能性が高いと考えられます。
Q5. 公道での使用に問題はありませんか?
トラックパッケージは公道走行可能な「ストリートリーガル」仕様となる見込みで、日常使いにも適しています。
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