BMW M135 F70 試乗記~FF最強のホットハッチなのか?BMW 1シリーズは、プレミアムコンパクトカーの市場で常に注目を集めてきました。

その中でも、特に高性能モデルであるM135シリーズは、BMWらしい運転の楽しさを提供するモデルとして評価されています。

そして2025年、新型M135が「F70」として登場しました。

F70型M135は、306馬力を発揮する2.0リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載し、新たに採用された7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)を備えています。

果たしてこの車は、FF最強のホットハッチとしての地位を確立できるのでしょうか?

試乗を通じて、その真価を探ります。

この記事のポイント
  1. 306馬力のエンジンと新型DCTの採用:新型M135 F70は、306馬力の2.0リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載。新採用の7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)により、スムーズかつスポーティな走行を実現
  2. プレミアムな内装と最新技術:「Live Cockpit Professional」をはじめとする高性能インフォテインメントシステムや上質な内装により、プレミアムコンパクトカーとして魅力的
  3. ライバルに匹敵するバランス性能:xDriveの4輪駆動システムとチューニングされたシャシーにより、優れたトラクションと安定性を発揮

デザイン:外観と内装の進化

BMW M135 F70 試乗記~FF最強のホットハッチなのか?新型BMW M135 F70の外観デザインは、大胆な変更を伴いつつもBMWらしさをしっかりと保っています。

フロントは再設計されたキドニーグリルが目を引きますが、以前よりも細長く控えめな印象を与えています。

その一方で、リアデザインは4本出しマフラーにより、より攻撃的でスポーティな印象を強調しています。

このリアデザインは賛否が分かれるところですが、視覚的なインパクトは抜群です。

内装に目を向けると、BMWの上級モデルとほぼ同等の質感を持つキャビンが広がります。

特に注目すべきは、最新のインフォテインメントシステム「Live Cockpit Professional」と大画面ディスプレイの採用です。

これにより、操作性と視認性が大幅に向上しています。

また、細部に至るまで高級感が追求されており、ノブやボタンの質感も上質です。

一方で、一部のプラスチック素材はややチープに感じられる部分もありますが、全体的には満足度の高いインテリアといえるでしょう。

パフォーマンス:エンジンとトランスミッション

BMW M135 F70 試乗記~FF最強のホットハッチなのか?M135 F70に搭載されているエンジンは、2.0リッター直列4気筒ターボ(B48型)です。

このエンジンは、最高出力306馬力を5,750~6,500rpmで発生し、最大トルク400Nmを2,000~4,000rpmの幅広い回転域で発揮します。

このエンジンは力強い加速を提供しますが、競合モデルと比べるとやや平凡に感じる場面もあります。

とはいえ、0-100km/h加速4.9秒というスペックは、ホットハッチとしては十分な性能です。

新採用の7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)は、従来の8速オートマチックから大幅に進化しています。

シフトチェンジは非常にスムーズで、高回転域でも即座に応答します。

このトランスミッションにより、よりスポーティな走行感覚が楽しめるようになっています。

特にローンチコントロール機能を使用した発進時のレスポンスは非常に優れており、運転の楽しさを一層引き立てます。

シャシーと走行性能

BMW M135 F70 試乗記~FF最強のホットハッチなのか?シャシーについても、新型M135 F70では多くの改良が施されています。

BMWはこのモデルでサスペンションと剛性のチューニングを再調整し、より俊敏で安定感のある走行性能を実現しました。

特にワインディングロードでは、フロントの反応が良く、後輪駆動のモデルと比べても大きな遜色は感じられません。

また、このモデルはBMWのxDriveシステムを採用しています。

この4輪駆動システムにより、特に雨天時や路面が滑りやすい状況でも優れたトラクションを発揮します。

ただし、全体的なドライビング体験は非常に安定している一方で、ハイエンドモデルに見られるような「楽しい」挙動がやや控えめである点は否めません。

ライバル車との比較

BMW M135 F70が直面する主なライバルは、

  • フォルクスワーゲン
  • ゴルフR
  • メルセデス-AMG A35
  • アウディ S3

です。

ゴルフRは全体的なパフォーマンスバランスで非常に優れており、特にシャシーの完成度ではM135を上回る印象です。

一方で、A35はややパフォーマンスに劣るものの、エモーショナルなデザインとAMGブランドの魅力があります。

アウディ S3はインテリアの質感でBMWに匹敵する競争力を持っていますが、ドライビングエクスペリエンスでは僅かに劣る場面もあります。

M135 F70は、これらの競合モデルと比べても引けを取らない完成度を誇りますが、目立った革新性がない点でライバルに対してやや地味な印象を与えることもあります。

装備と快適性

BMW M135 F70 試乗記~FF最強のホットハッチなのか?標準装備としては、LEDヘッドライトやスポーツシートなどが含まれており、快適なドライビング体験を提供します。

また、オプションの「Technology Plus Pack」には、ヘッドアップディスプレイやパーキングアシストプラス、ワイヤレス充電機能などが含まれており、利便性と安全性が向上します。

さらに、パノラマガラスルーフや電動フロントシートといった快適性向上オプションも用意されており、日常使いでも満足度の高い仕様となっています。

BMW M135 F70 試乗記~FF最強のホットハッチなのか?

新型BMW 1シリーズ F70 Mスポーツのブラックルーフオプション

新型BMW M135 F70は、FFプラットフォームを採用した2代目になりますが、結果として非常にバランスの取れたホットハッチに仕上がっています。

内装の質感、トランスミッションの進化、そして全輪駆動による安定性は確かに魅力的です。

一方で、エンジンの個性や運転の楽しさにおいて、より上位のライバルモデルと比べると改善の余地があると言えるでしょう。

それでも、M135 F70はFF最強のホットハッチを目指す挑戦的なモデルであり、プレミアムコンパクトカーを求める人には非常に良い選択肢となるでしょう。

特にBMWらしい品質と安定感を重視するドライバーにとって、このモデルは最適な1台です。

BMW M135 F70 主な仕様

項目詳細
エンジン1,998cc 直列4気筒 ターボエンジン(B48型)
最高出力306馬力(5,750~6,500rpm)
最大トルク400Nm(2,000~4,000rpm)
トランスミッション7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)
駆動方式xDrive(4輪駆動)
0-100km/h加速4.9秒
最高速度250km/h(リミッター制限)
車両重量1,550kg
燃費(WLTP)36.7mpg(約15.5km/L)
CO2排出量(WLTP)175g/km
サスペンション(前)マクファーソンストラット式
サスペンション(後)マルチリンク式
ブレーキMスポーツブレーキ(オプションで強化可)
ホイール標準:18インチ、オプション:19インチ
インフォテインメントLive Cockpit Professional、10.25インチディスプレイ
運転支援機能アクティブクルーズコントロール、パーキングアシストプラス、ヘッドアップディスプレイ
価格(標準モデル)£41,825(約7,630,000円)

Reference:pistonheads.com