先日マイカーのBMW X4 xDrive20d G02が1年点検だったので、代車として話題の電気自動車であるiX1 U11をお借りすることができましたので、2泊3日ですが僅かな時間の試乗記とお伝えします。
1. 快適なシートと未来的なインテリア
iX1 U11のシートは、体にフィットし快適な座り心地。
2. 驚きの加速性能
阪神高速での試乗では、コンパクトな電気自動車ながらも、ガソリン車に匹敵するGを感じる
3. バッテリー消耗の速さ
高速走行でも電費は伸びず、予想以上にバッテリーの減りが早い点が課題
かなり前にBMW i3 I20を試乗したのとは大違い
かなり前に友人がBMW i3 I01の購入を検討しているということで私がお世話になっている営業さんを紹介するという口実で一緒についていきました。
もちろん、見積とともに試乗もさせてもらいましたが当時の印象としては、「ラジコンカーを運転している感じ」というのが正直な感想です。
当時のBMW i3 I01はワンペダル方式で運転することも可能でしたので、ブレーキを踏むことなく信号などで停止できることに感動を覚えたことを覚えています。
アクセルレスポンスもガソリン車よりもかなり敏感なので、知らずにアクセルを踏むと急加速してびっくり。
そんなことが起こることは容易に想像ができました。
結局は新車価格が600万円を超えるということで、予算的に厳しいという理由で結局は購入には至りませんでした。
今回はそれ以来の電気自動車の運転ということになりました。
最初に感動したのはシート
まず最初に車に乗り込んで最初の感想は、フロントシートの座り心地、体へのフィット感が非常に良い印象を持ちました。
通常1シリーズ系のシートは3シリーズ系のシートよりも小ぶり(座面が短い、幅が狭い)サイズ感なんですが、写真でも分かるうようにサイドサポートなどもかなり大きめに張り出し、座面も短さを感じさせない非常に良いシートだと感じました。
iX1 U11なので基本的にはSUV系の車ですが、まるでスポーツカーのシートという印象です。
しかし、決して座面が薄くて乗り心地が犠牲になっていないところはスポーツカーとは違う仕様なので、一般的な運転でも非常に快適に、かつ疲れ知らずで運転できると思います。
個人的には市販のレカロシートよりもiX1 U11のシートの方がしっくりする感じがしました。
iDrive9(湾曲ディスプレイ)は直ぐには慣れない
この未来的なデザインのスピードメーターやセンターディスプレイは、長年BMWを乗り継いできた私でも初見で使い方を理解するのは難しい印象です。
初めてBMWを購入された人がiDrive9の車を購入したら操作を覚えるのにかなりの時間が必要かと思います。
BMWの営業マンのお話ですと、iDrive9の説明に3時間以上必要になったお客様もおられたとのこと。
ちょっと、未来的すぎたデザイン、インターフェースだったのかもしれません。
想像以上に違和感がなかったのが、このスイッチ式のシフトレバー。
最初はどのように使おうかと思いましたが、左手をシフトレバー本体の側面に触れてスイッチを親指で操作する形に自然と落ち着きました。
最近の車はPポジションがありませんので、実質的にシフトスイッチを使用するのは発進時のDへいれる、後進時のRにいれるぐらいしか操作することがないので、あれはあれで「有り」なのかな?と感じました。
阪神高速でちょっとアクセル踏み込んでみた
代車としてBMW iX1 U11をお借りして帰宅するために阪神高速の福島入口から阪神高速にのりましたが、ご覧のように料金所を超えると上り坂になります。
その上り坂で思いっきりアクセルを踏み込んだら、昔乗っていたM4 F82と同じか、それ以上のGを体に感じてびっくり。
思わず一瞬でアクセルを緩めてしまいました。
iX1 U11なのでBMWの中では一番小さい車、小さいエンジン?の車が電気自動車になると、これだけのパフォーマンスを発揮するとは恐るべしです。
その後、阪神高速を巡航している際に追い越し車線で追い越す場面では、逆に追い越しした瞬間は一気に前方の車にならびますが、そこから隣の車を完全に追い越すまでの「伸び」がガソリン車と比較すると伸びないのが、かなり違和感を覚えました。
ただし、前方の車を追い越すことはできるので、そこは安心してください。
ガソリン車のように徐々に加速して追い抜くのではなく、一瞬で横に並んでそこから徐々に追い抜く。
そのようなイメージなので、想像している追い抜きと感覚が違うだけ、という感じです。
阪神高速を降りいてからの一般道では私の車のX4 xDrive20dと同じかそれ以上のトルク感で非常に楽に運転することができるので、大排気量のガソリンエンジン車に乗っている気分です。
BMW iX1 U11が電気自動車だと実感する場面
1.キドニーグリルがダミー
キドニーグリルの部分にはキドニーグリルの模様が入っていますが、実際には穴は空いていません。
アクリル板?になっている感じです。
大量の空気を吸う必要がない、空力を良くするために穴は塞がれています。
2.マフラーがない
一応リアバンパーのマフラーがあると思われる部分にはマフラーを取り付けることができるようなデザインになっていますが、完全に塞がれています。
これを見ると電気自動車だな、と思う瞬間であり、またエンジン音が聞けないという寂しさを感じる瞬間でもあります。
最近はガソリン車でもマフラーが後ろから見えないように取り付けられている車もありますが、個人的にはマフラーは見えるようにして欲しいと思います。
3,エンジンスタート時にエンジン音がない
当たり前ですが、スタートボタンを押した時にブルンっと吹き上がる音がしないので、エンジンが一瞬始動していないと錯覚をします。
一番最初に営業マンからエンジン音しませんから注意してください、と言われたので慌てることなく発進することができましたが、言われていなければ何度もエンジンスタートボタンを押していたと思います。
思ったよりもバッテリーが減るのが早い
ディーラーで車を受け取っと際には満充電で走行可能距離は400km程度になっていました。
今回2泊3日(初日の夕方に車を受取り、次の日は1日借りて、3日目の午前中に返却)ですから、実質的には2日弱しか運転していません。
走行距離的には・・・
- 自宅とデーラーの往復(約50km)
- 近所に買い物に付き合って半日移動(約20km)
合計70km程度走行しましたが、車を返却する際には走行可能距離は300km前後になっていました。
阪神高速を巡航して走った区間が多かったので、ガソリン車の場合は燃費が伸びる場面だと思いますが、電気自動車の場合は阪神高速を巡航しても電費は伸びない感じです。
走った分だけバッテリーが減る。
ここはガソリン車とは違う感覚なので、実際に購入した際には最初はドキドキでドライブに行くことになりそうです。
電気自動車は今は買い時なのか?
個人的には例えば、日産のサクラみたいに軽自動車=買い物車としての電気自動車は今でも購入しても良いと思います。
満充電で走行可能距離が300kmだったとしても、バッテリー切れになることはないのでガレージで毎日充電するば問題ないと思います。
家族で1台の車として、レジャーなどにも使用するのであれば、電気自動車ではなくハイブリッドの方が安心だと思います。
まだまだ技術的にも発展過程の電気自動車ですから、今は限定的な使い方でしか実用的には使えないのかな?と思います。