現行のBMW iX1(型式U11)は小変更のLCIが予定されていると思われたが、次期型では内部コード「NB5」を名乗る別世代のモデルになる可能性が高いと見られます。
最新のスパイショットでは、縦方向を強調した新しいキドニーグリルやポップアップ式のドアハンドル、リアのナンバープレート位置の変更など、外板設計そのものが刷新されている兆候が確認できます。
さらに、第6世代の電動化技術とNeue Klasse由来の設計が組み合わさる見通しで、前輪駆動中心だった現行から骨格レベルでの進化が期待されます。
- iX1はNB5で完全刷新:U11の小改良ではなくNB5として骨格から刷新。外装設計・照明意匠・ドア周りの大変更が確認できます。
- Neue Klasse×Gen6:新デザインと第6世代eDriveで効率・航続・充電性能が進化。日常使いと高速移動の両立を狙います。
- FRベースと発売時期:駆動はFR基調へ移行し走りが向上。2027年後半量産→2028年投入想定、U11との併売で移行を円滑化。
スパイショットが示す「U11とは別物」のボディ
外観各部の変更点から読み解くフルモデルチェンジの根拠
もっとも目を引くのはフロントマスクです。
迷彩の下には、縦方向に背の高いキドニーグリルと、より薄いヘッドライトの組み合わせが隠れており、iX3で採用が始まったNeue Klasse系の意匠に近いと推測できます。
ドアまわりでは現行U11にはないポップアップ式のドアハンドルが確認でき、単なる樹脂パネル差し替えではなく、ドア外板と内部構造の再設計が入っている可能性が高いです。
ホイールはカモフラージュカバーで覆われ、外付けのホイールスピードセンサーが露出している個体も見られます。
これはABSや制御系の評価試験で見られる典型で、世代交代時の試験車に多いディテールです。
さらに、充電フラップの形状や位置の見直し、リアではナンバープレート取り付け位置が大きく下がり、テールゲートのプレスや開口部の構造変更が入っていることを示唆します。
試作ながらテールランプの意匠も現行と異なり、エンブレム下で左右が視覚的につながる処理が見て取れます。
これらの総合所見から、U11のLCIではなく、ボディ骨格と外板を大幅に刷新したNB5=次期型iX1である可能性が極めて濃厚だと判断できます。
NB5は第6世代eDrive搭載でFR化
第6世代eDriveとは何か
NB5で注目すべきは、BMWが開発中の第6世代eDriveシステムを搭載する点です。
このユニットは、従来の第5世代と比較して電力効率を約25%向上させ、モーターのパワー密度を20%以上高めると発表されています。
バッテリーには新開発の円形セルが使用され、エネルギー密度が向上することで同一容量でも航続距離を最大30%拡大できる見込みです。
充電速度も200kW級の高出力充電に対応し、10分間の充電で約300km分を回復できる可能性があると報じられています。
前輪駆動から後輪駆動へシフトする理由
現行のU11型iX1は前輪駆動ベースのUKL2プラットフォームを採用していますが、NB5ではNeue Klasse世代のモジュラープラットフォームに切り替わることで、基本構造が後輪駆動(FR)へと変わると見られます。
これにより、前後重量配分が改善し、ドライバビリティとコーナリング性能が大幅に向上します。
BMWの開発関係者も「小型EVでも駆動レイアウトが走りを左右する」と語っており、ブランド哲学である“駆けぬける歓び”を維持するための設計変更といえます。
性能と航続距離の両立を目指す新世代SUV
新型NB5では単一モーターの後輪駆動モデルと、前後にモーターを搭載したxDrive(四輪駆動)仕様の2タイプが想定されます。
最大出力はおそらく220kW前後、航続距離はWLTP基準で約600kmに達する見込みです。
また、車両制御ソフトウェアはNeue Klasse共通のアーキテクチャに統合され、オーバー・ジ・エア(OTA)で機能更新が可能になると予測されています。
これらの技術革新により、NB5はコンパクトSUVの中でも走行性能と効率を高次元で両立するモデルとなるでしょう。
生産開始時期とU11との共存戦略
NB5の生産は2027年後半から
BMW内部の情報によると、NB5の量産開始は2027年11月頃と予測されています。
生産拠点はドイツ・レーゲンスブルク工場、またはハンガリー・デブレツェン工場になる可能性が高いです。
これらはすでにNeue Klasse向けラインへの転換が進んでおり、iX3やi3セダンと共通の製造技術を活用できる体制が整っています。
U11ガソリンモデルとの併売が続く理由

BMWは急激な電動化シフトを避ける方針を採っており、U11のガソリンおよびPHEVモデルを2032年頃まで併売する見通しです。
これにより市場やインフラの整備状況に応じて柔軟に対応できるほか、既存顧客の買い替え需要も維持できます。
つまり、NB5はNeue Klasse世代のEVとして新市場を開拓しつつ、U11系が担うガソリン車・PHEV市場とバランスを取る「二層構造」の戦略が描かれているのです。
まとめ:NB5が示すBMW小型EVの未来
NB5こと次期BMW iX1は、2028年に単なるモデルチェンジではなく、新世代EVアーキテクチャへの完全移行を意味します。
外観はNeue Klasseデザインへ刷新され、第6世代eDriveにより航続距離と走行性能を同時に向上。
FRレイアウト採用でBMWらしい走りの哲学も継承されます。
さらに、ソフトウェア面の進化によって長期的なアップデートも可能となり、コンパクトEVのスタンダードを塗り替える存在になるでしょう。
Reference:autoblog.com
よくある質問(FAQ)
Q1. 次期iX1はU11のLCIではなくNB5としてフルモデルチェンジしますか?
最新のスパイショットや開発コードの情報から、U11の小変更(LCI)ではなく「NB5」として別世代のフルモデルチェンジになる可能性が高いと見られます。外板形状や照明意匠、ドアハンドルなどに大幅な変更点が確認できます。
Q2. Neue Klasseデザインの採用で何が変わりますか?
縦長基調の新キドニーグリル、薄型ヘッドライト、ポップアップ式ドアハンドルなど、空力と効率を重視した面・線の処理が進みます。見た目だけでなく、風切り音や高速域の安定性、電費にも好影響が期待されます。
Q3. 駆動方式はFWDからFRベースへ変わるのですか?
NB5は次世代の電動車向けアーキテクチャに移行し、後輪駆動(FR)を基本とする見通しです。これにより前後重量配分やトラクションが改善し、走りの質感とコーナリング性能の向上が見込まれます。xDrive(AWD)仕様の展開も想定されます。
Q4. 第6世代eDrive(Gen6)で航続距離や充電性能はどうなりますか?
モーター効率・パワー密度の向上や円形セル採用により、同等容量でも実効航続の拡大と急速充電時間の短縮が期待されます。高出力の急速充電対応や熱管理の最適化によって、日常域の使い勝手も強化される見込みです。
Q5. いつ市販され、現行U11との併売はありますか?
量産開始は2027年後半、2028年の市場投入が有力視されています。BMWは移行期間を設ける方針のため、地域やパワートレイン構成によりU11系(ICE/PHEV)とNB5(EV)が当面併売される戦略が想定されます。
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