BMWは、アメリカにおいて2024年モデルのBMW i5 G60電気自動車に関する自主安全リコールを発表しました。今回のリコールは、車の外部人工音生成システムに影響を与えるソフトウェアの問題が発見されたためです。
BMW i5 G60のリコールの原因は?
2024年1月8日、BMWは約5,000台の2024年型BMW i5 G60 EV(電気自動車)に対する自主安全リコールを発表しました。
リコールの原因は、車の外部人工音生成システムに影響を与える可能性のあるソフトウェアの問題です。
このシステムは、歩行者に対してEVの接近を知らせるための重要な機能を果たしており、規制によってその使用が義務付けられています。
EVや一部のプラグインハイブリッドにおいては、住宅街などで低速時に走行する際には歩行者が後方などから車が接近していることを人工的な音声を利用して気づかせる装置の設置を義務付けています。
この外部音声生成システムの不具合では、現実の事故は発生していませんが今後の事故予防の観点から、リコールを行うことは賢明な判断だと思われます。
リコールの影響を受けるBMW i5 G60のグレードは?
この問題に影響を受けるのは、2023年6月26日から12月14日までに生産された2024年型BMW i5 G60 EV(電気自動車)です。
具体的には、BMW i5 eDrive40およびBMW i5 M60が該当します。
総計約4,926台が対象となります。
アメリカでは約半年間の間にBMW i5 G60が約5,000台も販売されていることが驚きです。
一部の州ではEVの購入を奨励していることも原因だと思いますが、まだまだEVの普及には問題が多い中で、これだけの台数が販売されていることは、環境に対する意識が高い人が多いと考えられます。
外部音声生成システムのリコールによる安全上のリスク
外部人工音生成システムのソフトウェアに散発的な不具合が発生する可能性があるため、車両が無音で接近する場合があります。
これにより、歩行者が車の接近に気付かなくなり、怪我をするリスクが増加します。
BMWは、この問題に関連した事故や負傷の報告はないものの、予防的な措置としてリコールを実施しています。
影響を受ける可能性のある車両には、BMW正規ディーラーで無料で最新のソフトウェアがプログラムされます。
所有者は2024年2月に通知レターを受け取る予定であり、NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)のウェブサイトで車両のVINを確認することもできます。
歩行者保護の観点からの外部音声生成システムの重要性
電気自動車は静かでエコフレンドリーな選択肢として注目されていますが、その静粛さが歩行者の安全に影響を与える可能性があります。
外部音声生成システムは、EVが低速で走行する際や停車中に歩行者に注意を喚起するために不可欠です。
リコールの背景にある問題は、このシステムの正常な機能が期待通りに行われない可能性があることです。
BMW i5 G60の自主安全リコールは、静かな電気自動車の外部音声生成システムに関連するソフトウェアの問題に対処するための重要な措置です。
所有者はBMW正規ディーラーで無料のソフトウェアアップデートを受けることができます。
歩行者保護の観点からも、この問題への早期の対応が重要であり、所有者はBMWからの通知に従い、安全対策を進めることが求められます。
なお、日本ではこの記事を執筆している段階で同様のリコールは発表されておりません。
Reference:theevreport.com