BMW 8シリーズ M8シリーズ、全て生産中止BMWは2025年初頭をもって、8シリーズおよびM8シリーズ全モデルの生産を終了すると発表しました。

このニュースは多くの自動車ファンにとって驚きと悲しみをもたらしました。

特に、フラッグシップモデルとして高性能かつ豪華な特徴を備えたM8シリーズは、多くのファンを魅了してきましたが、その幕が下りることになります。

現在、BMWが公式に生産中止を発表したモデルは以下の通りです:

  • 8シリーズ クーペ(G15)
  • 8シリーズ カブリオレ(G14)
  • 8シリーズ グランクーペ(G16)
  • M8クーペ(F92)
  • M8カブリオレ(F91)
  • M8グランクーペ(F93)

生産終了は2025年1月までに順次実施され、BMW公式ウェブサイトや「ビルドユアオウン(BYO)」構成ツールからも削除される予定です。

これにより、8シリーズの3つのボディタイプとM8シリーズの特別仕様車も市場から姿を消すことになります。

この記事のポイント
  1. BMW 8シリーズとM8シリーズの生産中止が正式発表:2025年初頭で全モデルの生産終了が決定。8シリーズとM8シリーズのクーペ、カブリオレ、グランクーペが対象
  2. 特別仕様車「The Final Edition」で最後の輝き:国内限定モデル「The Final Edition」を含む特別仕様車が登場し、惜しまれつつもシリーズの幕が下りる
  3. 電動化戦略と次世代モデルへの期待:生産中止の背景には販売低迷や電動化への移行が影響。次世代モデルでは電動車と内燃エンジンの併用が検討されている

BMW 8シリーズの歴史:栄光と進化の歩み

8シリーズは、1989年に初代E31型がデビューしたことで始まりました。

フランクフルト・モーターショーで披露されたこのモデルは、当時のBMWの技術の粋を集めたフラッグシップクーペとして世界中の注目を集めました。

第1世代(E31型:1989年~1999年)

BMW 8シリーズ M8シリーズ、全て生産中止初代8シリーズは、その美しいウェッジシェイプデザインとリトラクタブルライトが特徴でした。

特に1992年に追加された850CSiは、V型12気筒エンジンを搭載し、最高出力300馬力を発揮。高級感とスポーツ性能を兼ね備えたモデルとして人気を博しました。

第2世代(G15/G14/G16型:2018年~2024年)

BMW 8シリーズ M8シリーズ、全て生産中止約20年のブランクを経て、2018年に第2世代の8シリーズが復活しました。

クーペ(G15)、カブリオレ(G14)、そしてグランクーペ(G16)の3種類のボディタイプを提供。

特にM850i xDriveは、V型8気筒エンジンとツインスクロールターボチャージャーを搭載し、530馬力を発揮するパフォーマンスを誇りました。

BMW M8シリーズの特別仕様車と最後の輝き

BMWは8シリーズとM8シリーズの生産終了を記念して、特別仕様車を発表しました。

特に注目されるのが「The Final Edition」と呼ばれるモデルです。

BMW M8 Competition The Final Edition – 1 of 8

M8クーペの最上位モデルとして、国内限定8台の特別仕様車が発売されました。

通常のM8 Competitionの卓越したパフォーマンスに加え、特別な装備が施されており、その希少性から注目を集めました。

  • 主要装備
    • 専用ボディカラー
    • 高級レザーを使用した内装
    • カーボン素材を随所に採用

BMW M850i xDrive The Final Edition

8シリーズ全体の中でも特に洗練されたスポーツ性能を誇るM850iに、「The Final Edition」が設定されました。

このモデルでは、スポーティネスとラグジュアリーをさらに磨き上げた特別装備が採用され、唯一無二の存在感を放ちます。

なぜBMWは8シリーズとM8シリーズの生産中止を決断したのか

BMWが8シリーズとM8シリーズの生産を終了する背景には、いくつかの理由が考えられます。

1. 販売台数の低迷

8シリーズおよびM8シリーズは、その高価格帯が原因で、広い市場への浸透が難しいモデルでした。

特に競合車種であるポルシェ911やアウディA7との激しい競争にさらされ、販売台数の伸び悩みが続いていました。

2. 電動化への移行

BMWは近年、電動化戦略を強化しています。

次世代のBMW車両は、新しい電動プラットフォーム「Neue Klasse」を採用する予定であり、8シリーズのような大型内燃エンジン車は、その計画と矛盾する存在となっていました。

3. 市場トレンドの変化

SUVやクロスオーバー車が市場の主流となり、従来のクーペやカブリオレへの需要が減少していることも影響しています。

特に4ドアモデルのグランクーペ(G16)の方が高い需要を維持していたことが決断を後押ししたと考えられます。

8シリーズとM8シリーズの未来:次世代への期待

BMWは、8シリーズとM8シリーズの直接的な後継モデルについては明言していませんが、電動化された次世代のラグジュアリーモデルを開発中であるとされています。

次世代8シリーズの方向性

新しい8シリーズは、内燃エンジン(ICE)と電動パワートレインの両方を提供する可能性があると噂されています。

これにより、伝統的なBMWの運転の楽しさを維持しながら、持続可能性の追求を目指します。

  • プラットフォーム:CLARプラットフォーム(ICEとEVの共用)
  • 発売時期:最短でも2029年以降

電動化戦略の影響

BMWはNeue Klasseプラットフォームを使用して完全電動車両を展開する計画ですが、ラグジュアリーセグメントでは依然として内燃エンジンを併用する可能性があります。

これは、プレミアム市場での多様なニーズに対応するための戦略といえるでしょう。

まとめ:BMW 8シリーズとM8シリーズが遺したもの

BMW 8シリーズとM8シリーズは、その豪華さと高性能を兼ね備えた稀有なモデルとして、BMWの歴史に確かな足跡を残しました。

特に、M8シリーズはBMW M部門の技術力の象徴であり、多くのファンに愛されてきました。

生産終了の決断は、新しい時代に向けた一歩ともいえます。

BMWは電動化と持続可能性を目指しながらも、伝統的な運転の喜びを失わない車両を提供し続けるでしょう。

今後のBMWがどのように進化するのか、ファンとして期待を寄せたいところです。

Reference:bmwblog.com / BMW