BMWのコンパクトスポーツクーペとして人気を誇る2シリーズクーペ。
その兄弟車であり、ハイパフォーマンスモデルとして位置づけられるM2クーペも多くのファンを魅了してきました。
しかし、最近の報道によると、2シリーズクーペが生産中止になることが決定的とされています。
この動きにより、M2クーペの存続にも疑問符が付く状況となっています。
2シリーズクーペはM2クーペのベースモデルであり、その生産が終了すればM2クーペの開発や生産も大きな影響を受けることは避けられません。
果たして、Mモデルの象徴的存在であるM2クーペもこの流れの中で消えてしまうのでしょうか?
本記事では、2シリーズクーペの生産終了がM2クーペに与える影響、その背景にあるBMWの戦略、さらに今後の展望について詳しく解説します。
- BMW 2シリーズクーペの生産中止が決定的:BMWは電動化戦略の一環として、2シリーズクーペの生産を2029年までに終了する見通し
- M2クーペの存続も不透明に:2シリーズクーペの生産終了により、兄弟車であるM2クーペも存続が危ぶまれており、後継モデルの計画は未発表
- 電動化と市場の動向が鍵:M2クーペの延命や電動化された新モデルの登場の可能性
BMW 2シリーズクーペ G42とM2クーペ G87の特徴
BMW 2シリーズクーペは、コンパクトでありながら卓越した走行性能を持つスポーツクーペとして知られています。
現行モデルのG42型は、後輪駆動(FR)をベースに設計されており、スポーティな走りと日常での使いやすさを両立しています。
特に、M240i xDriveは3.0L直列6気筒ターボエンジン(B58型)を搭載し、374馬力を発揮。
0-100km/h加速はわずか4.3秒という俊敏さを誇ります。洗練されたデザインと高い剛性を備え、走行安定性も抜群です。
一方、M2クーペ(G87型)は、BMW M社が手掛ける高性能モデルであり、2シリーズクーペをベースにさらなるパフォーマンスを追求した一台です。
搭載される3.0L直列6気筒ツインターボエンジン(S58型)は460馬力を発生し、6速マニュアルトランスミッションまたは8速ATが選択可能です。
0-100km/h加速はわずか4.1秒で、M専用のシャシー、サスペンション、ブレーキシステムにより、サーキット走行でも優れたパフォーマンスを発揮します。
この2台は「兄弟車」としての関係性を持ち、2シリーズクーペのプラットフォームと基本設計がM2クーペの土台となっています。
2シリーズクーペが日常使いに適したバランスの取れたモデルであるのに対し、M2クーペはBMW Mの技術を結集したピュアスポーツとして、より走りを重視した設計が特徴です。
どちらもBMWのスポーツクーペとして重要な存在であり、多くのドライバーに愛され続けています。
生産中止の背景とその理由
1. 電動化戦略と市場環境の変化がもたらす影響
BMWが2シリーズクーペの生産中止を決定した最大の理由は、急速に進む電動化の波です。
BMWは次世代EV専用プラットフォーム「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」を軸に、今後のラインナップを電気自動車へシフトする計画を進めています。
この変化に伴い、内燃機関(ICE)モデルである2シリーズクーペは次世代モデルとしての開発が進んでおらず、生産終了が避けられない状況となっています。
また、市場の需要も大きく変化しています。
SUVやクロスオーバー車の人気が高まる一方で、コンパクトクーペの需要は縮小傾向にあります。
さらに、EUの厳しい排出ガス規制(ユーロ7規制)に対応するためのコスト増加が、採算性の低いモデルの生産継続を難しくしています。
2. 次世代モデル「i2」の登場とBMWの柔軟な戦略
2シリーズクーペの後継モデルとして注目されているのが、完全電動化モデル「i2」です。
しかし、i2は2ドアクーペではなく、4ドアの「グランクーペ」として登場する可能性が高いとされています。
これは、より幅広い層への訴求を目指すBMWの戦略的判断であり、コンパクトスポーツクーペからの大きな転換を示しています。
一方で、BMWは内燃機関の完全な廃止を急いでいるわけではありません。
M240iに搭載されるB58直列6気筒エンジンやB48ターボ4気筒エンジンは、ユーロ7規制に対応する形で改良が進められています。
この動きは、特定の地域や市場で依然として内燃機関モデルへの需要があることを示唆しており、M2クーペの延命や特別仕様車としての存続の可能性も残されています。
このように、2シリーズクーペの生産中止はBMWの長期的な戦略と市場動向の変化が交差する結果であり、M2クーペの今後にも大きな影響を与えることは間違いありません。
M2クーペはどうなるのか?
2シリーズクーペの生産中止が決定的となる中、多くのファンが気になるのは、その兄弟車であるM2クーペ(G87型)の今後です。
M2クーペはBMW M社が手がける高性能モデルであり、コンパクトなボディに3.0L直列6気筒ツインターボエンジン(S58型)を搭載し、最大出力460馬力を誇ります。
FRレイアウトによる優れたハンドリングと6速マニュアル、8速ATの選択肢もあり、走りを楽しむためのモデルとして人気を集めています。
しかし、M2クーペは2シリーズクーペのプラットフォームをベースとしており、ベースモデルの生産終了がM2の存続に直接影響を与えるのは避けられません。
現時点で次世代M2の開発計画は公表されておらず、内燃機関モデルとしての後継車は存在しないとされています。
これはBMWが掲げる電動化戦略の影響であり、今後のMモデルもEV化が進む可能性が高いことを示しています。
とはいえ、完全な生産終了が確定しているわけではありません。
BMWは市場の動向や顧客の需要に応じて柔軟な戦略を取ることで知られており、B58エンジンやS58エンジンがユーロ7規制に適合するよう改良されていることからも、延命の可能性は残されています。
M2クーペは単なるスポーツカーではなく、BMWの「駆けぬける歓び」を象徴する存在です。
そのDNAは、たとえ電動化が進んでも新たな形で受け継がれていくでしょう。
現行モデルを手に入れるなら、今が最後のチャンスかもしれません。
まとめ:M2クーペが一定期間延命される可能性も
BMW 2シリーズクーペの生産中止は、電動化戦略や市場環境の変化による必然的な流れと言えます。
この決定は、兄弟車であるM2クーペにも大きな影響を与えることが避けられません。
特にM2クーペは2シリーズクーペをベースに開発されているため、その生産終了がM2の存続に直結する可能性があります。
しかし、完全な生産終了が確定したわけではなく、BMWは市場の需要や規制の動向に応じて柔軟な対応を取ることが知られています。
ユーロ7規制に対応したエンジンの改良が進められていることから、M2クーペが一定期間延命される可能性も残されています。
今後、M2クーペが電動化された新モデルとして登場する可能性もあり、BMWの今後の発表が注目されます。
現行モデルを手に入れるなら、今が最後のチャンスかもしれません。
2シリーズクーペとM2クーペが持つ「駆けぬける歓び」のDNAは、形を変えても確実に次世代へと受け継がれていくことでしょう。
Reference:bmwblog.com
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