BMWとBMW MINIの正しい中古車の買い方

BMW/MINIなど中古車を10台以上購入したGOCCHIのノウハウを公開します!

BMW/MINIの中古車で失敗したくない人はこちらへ!

BMWはX5 G65に“レンジエクステンダー”を復活!PHV、e-POWERとの違いは?

BMWはX5 G65に“レンジエクステンダー”を復活!PHV、e-POWERとの違いは? BMW
記事内に広告が含まれています。

新型BMW X5 G65に、あの“レンジエクステンダー”が復活予定です。過去のi3 REX I01以来となるこの技術は、従来のハイブリッドとは異なり「発電専用のガソリンエンジン」を搭載する先進的な電動パワートレインです。では、PHV(プラグインハイブリッド)や日産のe-POWERとはどのように異なるのでしょうか?

本記事では、2026年に登場予定のX5 G65の新技術を軸に、その仕組みと狙い、他方式との違いをわかりやすく解説していきます。

  1. BMWがREXを復活:X5 G65に発電専用エンジンを搭載し航続距離を拡張。
  2. PHVとは仕組みが異なる:エンジンで直接走らず、常にモーター駆動のEV構造。
  3. e-POWERと何が違う?:発電タイミングや静粛性、思想で差別化される。

BMW X5 G65に搭載されるレンジエクステンダーとは

今1番おすすめなEVはBMW i3 I01かもしれない3つの理由とは?

ガソリンで発電し、走行は電気で行う革新技術

レンジエクステンダー(Range Extender/REX)は、ガソリンエンジンを「発電専用」として使用し、その電力でモーターを駆動する仕組みです。つまり、タイヤを回すのは完全に電気モーターのみであり、エンジンは駆動に一切関与しません。

この仕組みは、EVの利点である静粛性とスムーズな加速を保ちつつ、バッテリー残量が減っても走行を継続できるという安心感を提供します。

i3 REXからの進化:REX技術の再来

BMWはかつて、2013年に登場したコンパクトEV「i3」にもREXを搭載していました。i3 REX I01では、モトラッド由来の647cc 2気筒エンジンを使い、発電のみを担当させていました。

しかし、この構成は当時としては革新的だった一方で、限られた車体スペースや航続距離の制限もあり、他モデルには採用が拡大されませんでした。

次世代REX:ZFと共同開発の新アーキテクチャ

今回X5 G65に搭載される新しいレンジエクステンダーは、ZFとBMWが共同開発した「eRE」および「eRE+」と呼ばれる最新の構造を採用しています。

eREは、電動モーターと遊星ギア、コンバーターを一体化した構成で、発電に特化したシステムです。一方のeRE+は、さらにクラッチとディファレンシャルを備え、非常時の駆動補助としても利用可能です。

どちらのタイプも、ガソリンエンジンを常に最も効率的な回転数で稼働させることが可能で、従来のハイブリッドシステムよりも燃費効率に優れ、構造もシンプルで軽量に仕上がっています。

このように、X5 G65に搭載されるREXは単なる「旧i3の再利用」ではなく、BMWが次世代EV戦略の一環として大幅に進化させた革新技術なのです。

PHVとの違い──なぜ“レンジエクステンダー”なのか?

日本の自動車メーカー風のPHVのロゴを生成して。シンプルで文字中心、エコなイメージ。薄い青をアクセントにする

PHVは「二刀流」、REXは「電気専用」

PHV(プラグインハイブリッド)は、バッテリーによるEV走行とガソリンエンジンによる駆動の両方を可能にする「二刀流」の仕組みです。

例えばバッテリー残量が減少すると、自動的にエンジンが作動し、車輪を駆動します。エンジンの出力はそのままタイヤに伝わるため、高速道路や長距離移動ではエンジン走行が主体になるケースも多いです。

一方で、BMW X5 G65に採用されるレンジエクステンダー(REX)は、エンジンは完全に発電専用。モーターのみで走行する純EVに近い構造で、ガソリンエンジンはタイヤを一切回さず、バッテリーに電力を供給するためだけに存在します。

これにより、EVならではの静粛性やスムーズな加速感を保ちつつ、航続距離を拡張できるのがREXの特長です。

エネルギー効率と航続距離での差異

PHVは構造的に複雑で、エンジンの使用頻度や走行モードによって燃費効率が大きく変動します。長距離では内燃機関が頻繁に使われるため、EVのメリットが薄れる場合もあります。これに対し、REXはエンジンを常に一定の効率的な回転数で運転するため、燃料消費が最適化されやすく、メンテナンス面でも優れています。

また、X5 G65では次世代「Gen6」バッテリーパックと組み合わせることで、航続距離の延長も実現。BMWによれば、現行のバッテリーに比べて20%以上のエネルギー密度を持ち、単独でも約30%の航続距離向上が期待できるとされています。これにREXが加われば、長距離移動も電欠の心配なくこなせるでしょう。

BMWがREXを選んだ理由

BMWが今回PHVではなくREXを選択した背景には、「完全電動化」に向けた技術的過渡期という側面があります。REXはあくまでもEVとしての設計を前提とし、エンジンを主役にしないため、将来的なEV転換にも柔軟に対応できます。さらに、充電インフラが未整備な地域や長距離ドライバーにとっては、REXのような補助機能が心理的な安心材料となります。

このように、BMWはREXによって“EVの利便性と実用性”を両立させ、他のハイブリッドとの差別化を図っているのです。

e-POWERとの違い──似て非なる「シリーズ方式」比較

BMWはX5 G65に“レンジエクステンダー”を復活!PHV、e-POWERとの違いは?

e-POWERとは? 常時エンジン発電型のEV風システム

日産が採用している「e-POWER」は、エンジンで発電し、その電力を使ってモーターで走行する“シリーズ方式”の電動パワートレインです。駆動そのものは常にモーターが行い、エンジンは一切車輪を動かしません。

この点ではREXと構造的に似ていますが、e-POWERは発進から常時エンジンが稼働し続ける設計となっており、エンジン音や振動が発生しやすいという特徴があります。

BMW REXとの技術的な違い

BMWのREXは、バッテリー残量がある程度減って初めてエンジンが始動する“補助的な発電機”として機能します。つまり、普段の市街地走行や短距離ではエンジンを使わずに完全EVとしての走行が可能です。

これに対し、e-POWERは航続距離を問わず常にエンジンが稼働し、走行中の充電を随時行う設計となっています。

さらにBMWは、ZF製のeREアーキテクチャによりエンジン回転数を最適化し、燃料消費と排出ガスを最小限に抑えています。

一方、e-POWERはエンジンとバッテリーの同時制御が複雑で、システムとしてのコストも高めです。

静粛性と走行フィールの差

BMWのREXは、基本的にエンジンが始動しない限りはEVと同様の静音性を持ち、発電が始まっても高効率域で回転を保つため騒音が最小限に抑えられます。

これにより高級SUVらしい静けさと快適性が維持されます。一方、e-POWERではエンジンが頻繁に作動するため、加速時や登坂時に音が目立つ場面もあります。

思想の違い:「発電のため」か「走行の一部」か

REXは、あくまで“電動走行の補助”として設計されたものであり、メインはEVとしての走行性能です。一方でe-POWERは、エンジン発電によるエネルギー供給が前提で、EVらしさと内燃機関の中間的な存在とも言えます。

BMWはより「電気走行に軸を置いた上での航続補助」という思想に立っており、プレミアムEVと称するにふさわしい選択と言えるでしょう。

航続距離・充電問題へのBMWの答え

BMW iX3 NA5の航続距離検証:Gen6バッテリーの熱帯試験結果
BMW iX3 NA5は、Neue Klasseシリーズの第一弾として登場し、Gen6バッテリーにより航続距離600km超を実現。南アフリカでの熱帯試験では、高温環境下でのバッテリー効率やEVモーターの耐久性が検証され、優れた性能が確認された。今後、BMW i3セダンやiX4などのEVモデルも展開予定。最新EV戦略と技術革新を詳しく解説する。

Neue Klasse採用の第6世代バッテリーが鍵

BMWは次世代電動化構想「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」の中核として、第6世代バッテリー「Gen6」を導入します。

このGen6バッテリーは従来の角形セルから、より高密度な円筒型セルに変更されており、エネルギー密度は約20%向上。加えて、充電速度も最大30%短縮され、EVにおける航続距離と利便性の両面で大きな進化を遂げています。

REXとの組み合わせで“電欠の不安”を解消

この新バッテリーにREX(レンジエクステンダー)を組み合わせることで、航続距離の不安はさらに低減されます。日常的な都市部での使用では電気のみでの走行が可能であり、長距離走行時には必要に応じてガソリンエンジンが発電を補います。

これにより、従来のEVで課題とされてきた“電欠リスク”が大幅に緩和されるのです。

充電インフラが整わない地域への対応

REXは、インフラが未整備な地域でもEVの導入を進める鍵となります。特に高速道路の急速充電網が発達していない地方部や、新興国市場では、REXのような“補助電源”の存在が実用面での大きなアドバンテージとなります。

BMWは、このような柔軟性を重視し、完全なEV化に至るまでの過渡期をスムーズに乗り越えるための方策としてREXを再導入するのです。

REX搭載の背景と、今後の戦略的意味

BMW X5 G65の予想CG。(出典:instagram.com

グローバル市場ごとの需要に対応

REX搭載の背景には、各地域市場ごとの異なるインフラ事情とユーザー需要があります。

例えば、EV普及が急速に進む中国では、都市部と農村部で充電設備の整備状況に大きな差があり、REXのような中間的技術が歓迎される傾向にあります。

米国でも広大な国土ゆえ、長距離移動における航続距離への不安から、REXのような技術が注目を集めています。

今後のX7やX3(G45)への展開可能性

BMWはX5 G65だけでなく、今後はX7(G67)や次期X3(G45)のマイナーチェンジ後モデルにもREXの搭載を検討しているとされています。

特に大型SUVではバッテリー搭載量が大きくなりがちで、REXの効果がより高まるため、導入のメリットは大きいと見られます。

完全EVへの「橋渡し」としてのREX

REXは、ハイブリッドから完全EVへと移行する“橋渡し技術”として極めて有効です。ユーザーにとってはエンジンの存在が心理的安心材料となり、同時に電動走行の魅力を享受できます。BMWはこの過渡期において、極端な二者択一ではなく、多様な選択肢を提示することで市場の信頼を獲得しようとしています。

REX復活が象徴するBMWの柔軟な電動戦略

かつてi3 REXで先進的な電動化に挑んだBMWが、再びREXを復活させる背景には、単なる技術の再利用ではなく、“市場との対話”があります。

一律にEVを押し付けるのではなく、地域や用途に応じた最適解を柔軟に提供する。このREX復活こそが、BMWらしい戦略的電動化の象徴と言えるのです。

Reference:autocar.co.uk

よくある質問(FAQ)

Q1. レンジエクステンダーとは何ですか?

ガソリンエンジンを発電専用に使用し、モーターだけで走行するEV方式です。

Q2. PHVとの最大の違いは何ですか?

PHVはエンジンでも直接走行できますが、REXは発電専用でモーターのみが駆動します。

Q3. REXは充電の代わりになりますか?

完全な代替ではありませんが、電欠時の補助として安心材料になります。

Q4. 燃費や排出ガスへの影響は?

エンジンは常に効率的に作動するため、燃費や排出量は抑えられます。

Q5. 今後ほかのBMW車にも搭載されますか?

X7やX3など、他の大型モデルにも展開が検討されています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました