BMWの高性能SUVであるX5 Mが、2027年モデルで大きな転換期を迎えようとしています。
コードネーム「G95」と呼ばれるこの新型モデルは、BMWの次世代デザイン言語「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」を初めて採用し、内外装ともに大幅な刷新が予想されています。
従来型F95が築いてきた力強いデザインと高性能路線を受け継ぐのか、それともまったく新しい方向へと進化するのか──。
本記事では、X5 Mのこれまでの歴史からG95の最新デザイン予測、注目のスペックや発売時期に至るまで、幅広く解説していきます。
BMWファンのみならず、ハイパフォーマンスSUVに関心を持つすべての方に向けた内容です。
X5 Mとは何か?G95登場までの歩み
BMW MがSUVに踏み出した最初の一歩
BMW X5 Mは、BMW M部門が初めて手がけたSUVモデルとして、2009年に登場しました。
初代モデル(E70型)は4.4リッターV8ツインターボエンジンを搭載し、555馬力という当時としては破格の出力を誇りました。
伝統的に高回転型自然吸気エンジンを好んできたMファンからは懐疑的な声もありましたが、その強烈な加速と洗練されたオンロード性能により、瞬く間に高評価を得ることとなります。
進化を続けたX5 M:F85からF95へ
2015年にはF85型へと進化し、シャシー剛性やインフォテインメント性能が向上。そして2019年には現行型となるF95型が登場し、600馬力オーバーの出力に加えて、48Vマイルドハイブリッドシステムの採用など、環境性能とダイナミズムの両立が図られました。
このようにX5 Mは、単なるパワーSUVではなく、ラグジュアリーとスポーツ性の融合を体現する存在として進化を遂げてきたのです。
次世代型G95への期待

2027年に登場予定のG95型X5 Mは、BMWの新たなデザイン言語「Neue Klasse」をSUVに初採用するモデルとして注目されています。
さらに、パワートレインにはXMや新型M5と共通のS68型4.4L V8+電動モーターのハイブリッド構成が予想されており、出力は700馬力を超えるともいわれています。
X5 Mはこれまでの流れを「正統に進化」させながらも、新たなデザインとテクノロジーで「変革」をもたらす可能性を秘めているのです。
G95の登場と開発背景
X5 Mの次なるフルモデルチェンジ
現行モデルF95型X5 Mは2019年にデビューし、2023年にフェイスリフト(LCI)を受けています。
このサイクルを踏まえると、次期モデルの登場は2026年〜2027年ごろと予測されてきました。
実際、近年撮影されたプロトタイプ車両には、大幅なデザイン変更が施されていることが確認されており、完全な新型モデルであることは確実です。
「G95」というコードネームの意味
BMWは車両の世代ごとに「E」「F」「G」などのコードネームを使用しています。
G95という名称は、F95(現行X5 M)の次を示す内部呼称で、同じくG99(BMW XM)やG90(M5)などとプラットフォームを共有する可能性があります。
これは、BMWが次期高性能車両群に共通のテクノロジー基盤を導入する計画であることを示唆しています。
高性能と電動化の両立へ
新型G95型では、BMW Mの方向性に合わせて、ハイブリッドシステムを標準搭載する見通しです。
S68型4.4リッターV8ツインターボエンジンに、モーターを組み合わせた「電動Mパフォーマンス」は、XMや次期M5でも採用されており、X5 Mでも700馬力以上の出力が期待されています。
これにより、環境規制の強化にも対応しつつ、圧倒的な走行性能を維持するという、まさに次世代のMモデル像が体現されることになります。
Neue Klasseデザインとは?BMWの新デザイン哲学
Neue Klasse=BMWの未来を象徴するキーワード
「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」は、1960年代にBMWが経営再建のために打ち出した中型セダンの名称を復活させたもので、現在ではBMWの次世代EVやデザインの総称として使われています。
このデザイン哲学は、ただの外観変更にとどまらず、ブランドの根幹にかかわる価値観の転換を意味しています。
統一感と未来感を重視した外観設計
Neue Klasseの最大の特徴は、すっきりとしたライン構成と、水平基調のLED照明、パネルに統合されたライト類などにあります。
新型X5 M G95では、ヘッドライトがブラックパネル内に収められ、キドニーグリルも小型化されるなど、より洗練されたフロントマスクが採用される予定です。
これにより、BMWの「顔」ともいえる部分が一新されることになります。
BMWらしさは失われるのか?
Neue Klasseデザインは革新的である一方、伝統的なBMWファンからは「個性が薄れた」との声も出ています。
しかし、プロトタイプやレンダリング画像を見る限り、BMWはアイコニックなキドニーグリルやスポーティなスタンスといったDNAをしっかりと残しており、「変革の中の継承」という絶妙なバランスが図られているといえるでしょう。
X5 M G95はまさに、その象徴的な存在となりそうです。
G95の外装デザインを徹底解析
大幅刷新されたフロントフェイス
新型BMW X5 M G95の外観でもっとも注目されるのが、フロントマスクの大胆な変更です。
ヘッドライトは従来型よりもさらに薄型化され、光源がブラックパネル内部に組み込まれるという先進的なデザインが採用される見通しです。
キドニーグリルはX3やiXシリーズと同様、コンパクト化されながらも垂直に立ち上がった形状で、BMWらしさを残しつつ近未来的な印象を与えます。
ボディサイドの造形はよりシンプルに
予想レンダリング画像からは、サイドビューのキャラクターラインが大幅に整理されていることが確認できます。
従来のX5 Mは力強いフェンダーや直線的なプレスラインが特徴でしたが、G95ではよりフラットで整然とした面構成が採用され、空力性能とデザイン性の両立が図られています。
ドアハンドルもフラッシュ型へと変更され、近年のBMWモデルに共通するクリーンな外観となっています。
リアデザインはスポーティ&シャープに進化
リアビューにおいても、現行F95型と比較して大きな変化が見られます。
従来は横長で厚みのあったテールランプが、G95ではより細くシャープなLEDランプに変更され、車体全体の印象が引き締まっています。
また、下部には大型のブラックディフューザーとクワッドエキゾースト(4本出しマフラー)を搭載し、高性能SUVとしての存在感をしっかりと主張しています。
インテリアはどう変わる?未来感とBMWらしさの融合
次世代iDriveとデジタル化の進行
新型G95型では、BMWの最新世代インフォテインメントシステムである「iDrive 9」の搭載が期待されています。
このシステムはカーブドディスプレイと呼ばれる湾曲型ディスプレイを採用しており、12.3インチのメーターと14.9インチの中央ディスプレイが一体化された構成となっています。
ジェスチャー操作や音声認識などもさらに進化し、直感的な操作性が向上します。
プレミアム感を高める素材と演出
内装の質感もG95型ではさらに上質に仕上げられると見られます。
アルカンターラやカーボンファイバーの加飾、アンビエントライトの多彩な演出により、スポーティさとラグジュアリーの融合を実現。
M専用ステアリングやスポーツシートは、従来同様にドライバー志向を徹底しながらも、快適性の向上にも配慮されています。
物理スイッチからの脱却とその是非
近年のBMWでは、インテリアから物理ボタンを排除し、タッチ操作中心の設計が進んでいます。
G95でもその流れは踏襲される見込みですが、一部のユーザーからは「走行中の操作性が犠牲になるのでは」という懸念もあります。
とはいえ、よりスマートで洗練された空間を求める声も多く、今後のアップデートやユーザーのフィードバックが注目されます。
注目のパワートレイン|700馬力オーバーのハイブリッドV8
S68型エンジン+電動モーターの新たなMの心臓
G95型X5 Mには、BMW Mの最新エンジンである「S68型」4.4リッターV8ツインターボが搭載されると予想されています。
このエンジンはすでにXMや新型M5にも搭載されており、信頼性と高出力の両立を実現したユニットです。
さらに、S68には電動モーターが組み合わされ、システムトータルで700馬力を超える出力が見込まれています。
電動化による恩恵とは?
モーターによるトルク補助により、低速から瞬時に最大トルクを発生させることが可能となり、従来のターボラグはほぼ解消されます。
また、ブースト時の加速感や燃費性能の改善、エミッション対策など、多方面にメリットがあります。
これにより、G95はハイパフォーマンスと環境性能の両立という、次世代Mモデルの理想形に近づいているといえるでしょう。
駆動システムとトランスミッション
駆動方式は従来同様のxDrive(全輪駆動)を採用すると見られますが、リア寄りのトルク配分制御を持つ「M xDrive」によって、FRベースの走行感覚を維持。
トランスミッションには8速ステップトロニックATが採用され、高速巡航時の静粛性とスポーティな変速フィールの両立が期待されます。
G95は正統進化か?従来モデルとの比較
デザイン面の変化と一貫性
外観デザインにおいては、新型G95は大幅な変革が加えられていますが、キドニーグリルの存在感や全体のスポーティなプロポーションなど、BMWのアイデンティティは維持されています。
従来のF95型と比べ、よりシャープで未来的な印象が強くなっていますが、BMWらしい“顔”は健在です。
インテリアの変化:物理からデジタルへ
F95型では物理スイッチとiDriveシステムが共存していましたが、G95ではよりデジタルに振り切った操作系統が採用される見込みです。
これにより先進性は増しますが、操作性やユーザビリティについては賛否が分かれる可能性があります。
パフォーマンス比較:600馬力から700馬力へ
F95型のX5 Mは4.4L V8ツインターボで最高出力625馬力(Competitionモデル)を発揮しましたが、G95ではそれを大きく上回る700馬力超が予想されます。
さらにハイブリッド化によって瞬発力と環境性能の両立が可能となり、パフォーマンスは大幅に進化しています。
重量増加の可能性はあるものの、パワートレインと制御技術の進化によって十分にカバーされると考えられます。
発売時期・スペック・価格予測まとめ
発売時期はいつ?
新型BMW X5 M G95の正式発表は、早ければ2026年末から2027年初頭と予想されています。
これは兄弟モデルとなるX7のマイナーチェンジや、M5(G90)の販売スケジュールと連動している可能性が高く、2027年モデルとしての登場が有力です。
現在、ヨーロッパやアメリカではプロトタイプのテスト車両が目撃されており、開発はすでに最終段階に入っていると考えられます。
スペックはどうなる?
搭載エンジンは、S68型4.4L V8ツインターボと電動モーターのハイブリッド構成で、最高出力は700〜740馬力と見込まれています。
0-100km/h加速は約3.8秒前後と予測されており、従来のF95型X5 M(Competition)が記録した3.9秒を上回るパフォーマンスを実現するでしょう。
価格はどれくらい?
現行F95型のX5 M Competitionは日本国内価格で約1,900万円(2025年時点)となっています。
G95型ではハイブリッド化や先進技術の追加により、価格は2,000万〜2,300万円程度になると予想されます。
欧米では13万ドル前後が想定されており、メルセデスAMG GLE 63 SやアウディRS Q8と競合する価格帯です。
まとめ|X5 M G95は正統進化か?変革か?
新型BMW X5 M G95は、デザイン・パワートレイン・テクノロジーのすべてにおいて、従来のX5 Mとは一線を画す進化を遂げています。
一方で、BMWらしいスポーティな佇まいや、Mモデル特有の走りの楽しさといった「DNA」はしっかりと継承されており、まさに“正統進化と変革の融合”と言える一台です。
Neue Klasseデザインの導入やハイブリッド化といった革新を盛り込みながらも、ドライバーズカーとしての本質はブレていません。
2027年に向けて登場するG95型は、これからの高性能SUV市場に新たな基準を示す存在となるでしょう。
Reference:carscoops.com
よくある質問(FAQ)
Q1. BMW X5 M G95はいつ発売されますか?
現時点では2027年初頭の発売が予想されています。BMWの開発サイクルやテスト状況から見ても妥当な時期です。
Q2. G95型とF95型の最大の違いは何ですか?
外観デザインとパワートレインです。G95はNeue KlasseデザインとハイブリッドV8を搭載します。
Q3. G95型の価格帯はどのくらいになりますか?
日本市場では2,000万円〜2,300万円が予想されています。欧米では約13万ドル前後と見込まれます。
Q4. G95は電気自動車(EV)ですか?
完全なEVではありません。S68型V8エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド高性能SUVです。
Q5. どのようなユーザーにおすすめですか?
スポーティさとラグジュアリー、実用性を兼ね備えたSUVを求める方に最適です。特に走行性能を重視する方におすすめです。
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