2027年発売予定のBMW iX3 M ZA5と、2028年に登場すると言われるEV版M3 ZA0が一般道で同日に目撃されました。
純電動の次世代Mモデル同士が公道を走る姿を捉えたスクープは、ついに本格的なEV M時代が始まるという確かな予感を与えてくれます。
この記事ではまず、2027年に市販予定のiX3 Mの最新プロトタイプに注目し、外観の特徴や走行性能の方向性を私なりに考察していきます。
2027年発売予定のiX3 Mを一般道でスクープ

量産直前を思わせるエクステリアの仕上がり
一般道で撮影されたiX3 Mのテスト車両は、カモフラージュ越しでも迫力あるシルエットが確認でき、量産が近い段階まで進んでいる印象を受けました。
張り出したフェンダー、大径ブレーキ、専用バンパー、そしてワイドトレッド化された足回りは、標準のiX3とは明らかに異なる“Mモデル専用”のデザインです。
フロントの大型エアインテークは冷却性能を重視した形状で、電動SUVでありながら高負荷走行を想定した設計であることが伝わってきます。
電動化による静粛性とは対照的に、力強さを視覚的に表現するスタンスは、まさに次世代のMモデルそのものです。
Neue Klasse採用による走行性能の進化
次期iX3 Mは、BMWが掲げる新世代EV専用アーキテクチャ「Neue Klasse」を採用すると見られています。
このプラットフォームは車体剛性の向上と重心の最適化を実現し、高出力モーターを活かした俊敏な走りを可能にします。
バッテリーを床下へ効率的に配置できるため、電動SUV特有の“重さ”を軽減し、レスポンスの良いステアリングフィールを期待できる点も魅力です。
電動SUVが“Mらしさ”を継承できるか
iX3 Mが抱える課題は、EVならではの重量増です。
大容量バッテリーを積む以上、車重が増えるのは避けられません。
だからこそ、テスト車両に見られた大径ローターや強化キャリパーは、ハイパワーEVを確実に制御するための必須装備だと感じました。
一方で、Mモデルの魅力はただ速いだけではなく、ドライバーが意のままに操れる“コントロール性”にあります。
電動化したSUVという難しい条件の中で、どれだけMモデル独自のフィーリングを残せるのか。
私は2027年の市販モデルがその答えを示してくれると期待しています。
2028年発売予定 EV版M3 ZA0を一般道でスクープ

量産ボディに近づいたEV版M3 ZA0の存在感
一般道で撮影されたEV版M3 ZA0は、これまでのテスト車両よりも明らかに完成度が高く、量産ボディにかなり近づいていると感じました。
まず目を引いたのは、大幅にワイド化された前後フェンダーです。
ガソリン版M3よりもさらに張り出した造形で、電動パワートレインの高トルクを受け止めるための専用設計であることがうかがえます。
フロントグリルはEVらしく内部が閉じられ、冷却のための開口部は必要最低限。
排気口が完全に廃されたリアバンパーの造形も含め、外観からは“EV専用のM3”という新しいキャラクターが明確に表現されています。
4モーター化の可能性と驚異的なパフォーマンス予測
ZA0は最大4モーター構成になると言われており、もし実現すればホイール単位でトルクを制御できる高度なドライバビリティを実現します。
仮に1モーターあたり100kW〜200kWの出力が与えられるなら、システム総出力は600〜800hpレンジに達する可能性が高く、既存のM3を大きく超える加速力を持つはずです。
特に0-100km/hでは2秒台に入っても不思議ではなく、BMWがEV時代の“Mらしさ”をどう定義するのか注目が集まります。
この4モーター化が単なるパワー競争ではなく、精密な挙動制御による“走りの自由度”を新たに生み出す鍵になると考えています。
重量増への挑戦とEV M3の走行フィーリング
一方で、電動化が避けて通れない課題である“重量”は、ZA0でも確実に重荷となります。
バッテリー容量を増やせば航続距離は伸びますが、その分だけ車体重量が増え、ハンドリングやブレーキに影響します。
一般道テスト車両のリアには極太の295/35 ZR20タイヤが装着されており、これは重量級EVを制御するための選択だと感じました。
しかしM3というモデルは、重さを力でねじ伏せるのではなく、ドライバーと一体になれるフィーリングが魅力です。
電動化されたM3がその走りの哲学をどう継承するのか、私は最大の注目ポイントだと考えています。
EV専用M3がもたらす新しい“Mらしさ”とは
EV版M3 ZA0を観察して感じたのは、ガソリン版との単純な置き換えではなく、“まったく新しいM3像”の追求です。
サウンドが消える代わりに、トルク制御の自由度、アクセルレスポンスの鋭さ、そしてEVならではの低重心パッケージが新しい価値を生みます。
このZA0が、従来のM3とは別軸で評価されるモデルになると考えています。
つまり「ICE版M3のEV版」ではなく、「EV時代に合わせて再定義されたM3」。
この転換点を象徴するプロトタイプが一般道で捕捉されたことに、2028年のM3がBMWにとって非常に重要なモデルになることを強く感じました。
BMWの次世代EV戦略とMモデルの行方
iX3 MとEV版M3 ZA0がほぼ同時期に一般道でテストされている背景には、BMWが2027〜2028年を境にEV戦略を一気に加速させる狙いがあると考えています。
鍵となるのが、新世代EVアーキテクチャ「Neue Klasse」です。
このプラットフォームはバッテリー効率、軽量化、ボディ剛性を大きく進化させ、電動Mモデルでも高い運動性能を維持できる基盤になります。
実際にiX3 MとZA0は、どちらも従来の内燃機関モデルとは別次元のトルク制御や低重心を活かした設計が予想され、EVでありながら“Mらしい走り”を追求できる環境が整いつつあります。
一方で、ガソリンMとEV Mの棲み分け、重量増という根本的な課題は依然として残りますが、それを補う技術的進化がBMWの強みになると感じています。
次期Mモデルは、単にパワフルなEVではなく、電動化によって走りのコンセプトそのものを再定義する存在へと変わりつつあり、その転換点がまさに2027〜2028年ではないでしょうか。
まとめ:次世代EV Mモデルが示すBMWの新たな方向性
今回スクープされたiX3 MとEV版M3 ZA0は、BMWが電動化時代のMモデルを本格的に形にし始めた証拠だと感じました。
電動SUVと電動スポーツセダンという異なるカテゴリーでありながら、どちらもMモデルとしての存在感を強く放っており、今後のBMWが向かう方向性を明確に示しています。
2027年と2028年に続けて登場するこれら2台は、次世代Mの価値観を決定づける節目になるはずです。
この2つのプロトタイプが一般道で走り始めた瞬間に、EV時代の“Mらしさ”がどう進化していくのか、その答えが近づいていることを実感しました。
Reference:
SPIED TESTING 2028 BMW M3!! (*NEW BEAST +700HP*)
よくある質問(FAQ)
Q1.iX3 Mの発売時期はいつ頃になりそうですか?
正式発表はまだ行われていませんが、現時点の情報やテスト状況から、iX3 Mは2027年の発売が有力視されています。一般道で量産に近いプロトタイプが走行していることから、開発は最終段階に入っていると考えられます。
Q2.EV版M3 ZA0はガソリン版M3と何が違うのですか?
EV版M3 ZA0は、動力源が完全な電動パワートレインであることに加え、外観もEV専用設計となっている点が大きな違いです。排気口のないリアバンパーや塞がれたグリル、ワイド化されたフェンダーなど、ガソリン版とは異なる造形で「EV専用M3」としてのキャラクターが強く打ち出されています。
Q3.iX3 Mと通常のiX3ではどの部分が大きく異なりますか?
iX3 Mは、標準のiX3と比べてボディのワイド化、大径ブレーキ、専用サスペンション、M専用バンパーなどが装備されると予想されています。また出力も大幅に強化され、走行モードや制御ロジックも“Mモデルならではの味付け”が施されると考えられます。
Q4.EV版M3 ZA0は4モーターになる可能性があるのですか?
現段階では公式発表はありませんが、最大4モーター構成が検討されているとの情報があります。4モーター化が実現した場合、各ホイールごとにトルクを制御でき、従来のM3を超える高度なトラクションコントロールとコーナリング性能が期待できます。
Q5.ガソリンMモデルとEV Mモデルは今後どう共存していくと考えますか?
当面はガソリンMとEV Mが並行して販売され、ユーザーが好みや用途に合わせて選べる形になると考えています。私としては、ガソリンMはサウンドやフィーリングを重視した“情緒的なM”、EV Mは圧倒的なトルクと制御精度を武器にした“テクノロジー志向のM”として、異なる魅力を持つ二本柱になると予想しています。








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