2026年、アルピナは大きな転換点を迎えました。
長年BMWと特別な関係を築いてきたALPINAは、この年から「BMW Alpina」としてBMWグループ内の新しい独立ブランドとして再始動しています。
あわせて発表された新しいロゴは、単なるデザイン変更ではなく、ブランドの立ち位置そのものを示す象徴的な存在です。
本記事では、アルピナの成り立ちからBMW Alpina誕生までの経緯、そして新ロゴに込められたブランドの意味を整理していきます。
❗️記事3行まとめ
✓2026年BMW Alpina誕生でアルピナはどう変わるのか
✓新ロゴが示すBMW Alpinaのブランド再定義
✓ALPINA Classicとの棲み分けで見える将来像
アルピナとは?:BMWと共に歩んだ半世紀
世界で一番小さな自動車メーカー
アルピナの歴史は、1960年代に始まります。
創業当初はBMW向けのチューニングパーツメーカーでしたが、次第にエンジンや足回り、内外装まで一貫して手を入れた完成車を手がけるようになりました。
特筆すべき点は、アルピナが単なるチューナーではなく、ドイツで正式に自動車メーカーとして認定されていたことです。
BMWの量産車をベースとしながらも、車両としては別のメーカーという、極めて特殊な立ち位置を築いてきました。
Mモデルは「記録に残る車」、アルピナは「記憶に残る車」
アルピナの魅力は、最高出力や加速性能を誇示することではありません。
高速域での安定感や、長距離を疲れずに走れる快適性を重視しながら、結果として高い性能を実現する点にありました。
私はこの価値観こそが、BMWのMモデルとアルピナを明確に分けていた最大の違いだと感じています。
スポーツ性を前面に押し出すMに対し、アルピナは常に「余裕」を感じさせる存在でした。
そのため、派手さはなくとも、深く刺さるファン層を長年維持してきたのです。
なぜBMWはALPINAを取り込んだのか:商標権取得までの経緯
小規模自動車メーカーの限界

BMWがアルピナの商標権を取得することを発表したのは2022年のことでした。
そして2026年1月1日、その権利は正式にBMWグループへ移管され、「BMW Alpina」という新たなブランドが誕生しています。
この流れは突然のものではなく、近年の自動車業界を取り巻く環境変化と無関係ではありません。
排出ガス規制の強化や電動化対応、少量生産ブランドに求められる開発・認証コストは、年々増大していました。
アルピナを維持するための手段
BMW側の公式発表では、アルピナのブランド価値と伝統を将来にわたって維持するための選択であったことが強調されています。
私はこの説明に一定の説得力を感じています。
独立した小規模メーカーのままでは、技術革新のスピードや法規対応の負担が大きくなりすぎるのが現実だからです。
一方で、BMWの巨大な組織の中に組み込まれることで、アルピナらしさが失われるのではないかという不安が語られてきたのも事実です。
だからこそ、次章で触れる新しいロゴとブランド定義が、極めて重要な意味を持つことになります。
新しいロゴが示すBMW Alpinaというブランドの意味
2026年のBMW Alpina始動にあわせて公開された新しいロゴは、従来のエンブレム中心の表現とは異なり、「BMW Alpina」という文字を前面に押し出したワードマークが採用されました。
BMWグループの公式発表によれば、このロゴは1970年代に用いられていたALPINAの表記から着想を得ており、過去との断絶ではなく連続性を意識したデザインとされています。
私はこの点に、BMWがアルピナを単なる新ブランドとして扱うのではなく、歴史ある存在として再定義しようとする姿勢を感じました。
また、車両後方中央にBMW Alpinaの文字を配置する手法も象徴的です。
BMWの量産車やMモデルとは明確に異なる視覚的アイデンティティを持たせることで、「BMWの一部でありながら、同時に独立したブランドである」という立場を示しています。
性能面についても、公式には最大出力やスポーツ性より、快適性と高性能の両立を重視する方針が明言されています。
これは従来のアルピナが大切にしてきた思想と一致しており、新ロゴはその哲学を現代的に言語化した存在だと私は受け止めています。
BMW AlpinaとALPINA Classicの棲み分け
BMW Alpinaの誕生と同時に注目されたのが、ALPINA Classic(旧アルピナ)の位置づけです。
ALPINA Classicは、過去に製造されたアルピナ車両の保存やレストア、部品供給などを担う組織として位置づけられています。
つまり、新車を展開するBMW Alpinaとは役割が明確に分けられており、ブランドの競合や混在を避ける構造が採られています。
この整理は、長年のアルピナファンにとって重要な意味を持つと感じています。
従来のアルピナが築いてきた価値や車両そのものは、Classic部門によって引き続き守られる一方、BMW Alpinaは未来に向けた新しい製品を担います。
旧アルピナのこれまでの車両を維持することができるということは、過去のアルピナの歴史を否定すること無く、かつ旧アルピナオーナーも安心できます。
この棲み分けはベストな選択だと私は思います。
新生BMW Alpinaの立ち位置と、ブランドが向かう方向
新生BMW Alpinaは、BMWグループの中で明確に差別化された高付加価値ブランドとして位置づけられています。
量販を目的とするのではなく、快適性や品質、細部の仕立てに価値を見出す顧客層を想定している点が公式発表からも読み取れます。
私は、この立ち位置が従来のアルピナと本質的に大きく変わっていないことに、ある種の安心感を覚えました。
一方で、BMWの開発リソースを活用できるようになったことで、将来的には電動化や先進技術との融合も避けて通れません。
これは変化であると同時に、ブランドが存続していくための前提条件でもあります。
BMW Alpinaは、過去の延長線上に留まる存在ではなく、伝統を背負ったうえで時代に適応していくブランドとして再定義されたと言えるでしょう。
その姿は2026年後半にも公開されるとも言われているアルピナ B7によって明らかにされると思います。

Reference:press.bmwgroup.com
よくある質問(FAQ)
Q1. BMW Alpinaはいつから始まったのですか?
BMW Alpinaは、2026年1月1日からBMWグループ内の新しい独立ブランドとして正式に再始動しました。
Q2. これまでのALPINAとBMW Alpinaは何が違いますか?
従来のALPINAは独立色の強い少量生産メーカーとしてBMW車をベースに独自の完成車を手がけてきました。BMW AlpinaはBMWグループの新ブランドとして、価値観を継承しつつ体制が変わります。
Q3. 新しいロゴ(ワードマーク)にはどんな意味がありますか?
新ロゴは過去の意匠との連続性を意識しつつ、BMWの一部でありながら独立ブランドであることを明確に示すための象徴として位置づけられています。
Q4. ALPINA Classicは何をする部門ですか?
ALPINA Classicは、過去のアルピナ車両の保存・レストアや、維持に関わる領域を担う役割として整理されています。
Q5. 新生BMW Alpinaの立ち位置はどこですか?
量販ではなく高付加価値を重視し、快適性と高性能の両立、品質や仕立てに価値を置く顧客層に向けたプレミアムな位置づけとして語られています。






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