発売前のBMW M235 グランクーペ F74 試乗記(試作車)BMWが誇るプレミアムコンパクトセダン「M235 グランクーペ」の2025年モデルがいよいよ登場します。

本モデルは、MINIクーパー F66とプラットフォームを共有するフロント駆動ベースの設計ながら、BMWらしい「スポーツ性」と「高級感」を融合させた車として注目されています。

試作車による試乗は、アメリカ・サウスカロライナ州の美しい秋の山道を舞台に行われ、実際の走行性能や乗り心地が検証されました。

本記事では、その魅力と課題を詳しく解説していきます。

この記事のポイント
  1. 洗練されたデザインと最新技術:新型M235 グランクーペ F74は、スポーティな外観と最新のBMWカーブドディスプレイを搭載し、快適性と高級感を両立
  2. パワフルなエンジンと俊敏な走行性能:312馬力の2.0Lターボエンジンと新採用の7速DCTが高いパフォーマンスを発揮し、スポーツモードでは俊敏なハンドリング
  3. 購入時の選択肢と競合車との比較:MINI Countryman JCWや3シリーズとの比較を通じ、価格や性能のバランスを評価。コストパフォーマンス重視の方に魅力的

デザイン: 新時代のBMWデザイン哲学

新型BMW 2シリーズグランクーペ F74の発売で何が進化したのか?

新型M235 グランクーペのデザインは、前モデルから大幅に進化しています。

フロントでは、大きく開いたキドニーグリルとシャープなLEDヘッドライトがスポーティさを強調。

一方、リアにはスリムなテールライトとダブルエグゾーストパイプが配され、BMWらしい力強さを感じさせます。

しかし、側面デザインには議論の余地があります。

フロントエンジンレイアウトの影響で前方オーバーハングが長く、後輪駆動モデルに見られるような均整の取れたプロポーションには欠けます。

この点はBMWの「駆け抜ける歓び」というブランドイメージにそぐわないと感じる人もいるかもしれません。

それでも、フレームレスドアや洗練された細部の仕上げは、この車に特有の上質感を与えています。

インテリア: 快適性とテクノロジーの融合

発売前のBMW M235 グランクーペ F74 試乗記(試作車)内装には最新のBMWカーブドディスプレイが採用され、運転席と助手席を包み込むような先進的なデザインが特徴です。

このディスプレイはメーターとインフォテインメントを統合しており、視認性と操作性の両立を実現。物理ボタンを減らしたシンプルなインテリアは、より直感的な操作が可能です。

発売前のBMW M235 グランクーペ F74 試乗記(試作車)また、シートはスポーツカーとしてのサポート性を備えながらも長距離移動でも快適な設計となっています。

トリム素材には高品質なレザーやアルカンターラが使用され、高級感を演出。

室内空間は十分な広さがあり、後席も余裕を持って座れる点がファミリー層にも魅力的です。

収納スペースも工夫されており、日常利用にも便利な設計がされています。

パワートレインと性能: スペックと実力

BMW M235 グランクーペには、312馬力を発揮する2.0Lターボエンジン(B48型)が搭載されています。

このエンジンは、MINI Countryman JCWにも採用されているユニットで、0-100km/h加速はわずか4.7秒。

ハイパフォーマンスモデルらしい力強さを発揮します。

ただし、トルクは先代よりも低下しており、最大295 lb-ft(約400Nm)となっています。

これは、新採用の7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)の耐久性を考慮した結果です。

このDCTは、8速オートマチックと比べて滑らかさに欠ける場面があり、特に低速域での動作に改善の余地があると感じられました。

それでも、スポーツモードではスムーズで俊敏な変速が可能で、高速域ではそのメリットが際立ちます。

走行性能: 実際のドライビングフィール

試乗では、街中と山道の両方で車の性能をテストしました。

街中では、コンフォートモードが活躍。

スムーズな加速と軽快なハンドリングが快適なドライブを実現します。

特にサスペンションの設定は、路面の凹凸をうまく吸収しつつ、安定感のある乗り心地を提供しました。

一方で、山道ではスポーツモードに切り替え、よりダイナミックな走行を体験。

ステアリングは精密で、ターンインも俊敏です。

BMW特有の「フェイクオーバーステア」効果によって、リアがわずかにスライドする演出が加わり、前輪駆動ベースの車とは思えないドライビングプレジャーを感じました。

ただし、急なコーナーではトルクステアが若干顔を出し、後輪駆動モデルとの違いを意識せざるを得ない場面もありました。

競合車との比較: MINIや3シリーズとどう違うのか

M235 グランクーペは、同じプラットフォームを共有するMINI Countryman JCWや、BMW 3シリーズとしばしば比較されます。

価格面では、M235が49,500ドル(約720万円)からのスタートとなる一方、MINI Countryman JCWは3,000ドルほど安価。

一方で、BMW 3シリーズは後輪駆動の伝統を維持しつつ、よりバランスの取れた走行性能を提供します。

MINIクーパー F66との比較では、M235の方が軽量で、より俊敏なハンドリングを実現している点が際立ちます。

一方、3シリーズとの比較では、M235の方が価格的なアドバンテージがあるものの、ドライビングプレジャーという点では3シリーズの方が一枚上手と言えます。

総合評価: 新型BMW M235 グランクーペは買いか?

新型BMW M235 グランクーペは、スポーティさ、快適性、そして最新テクノロジーを兼ね備えた魅力的なモデルです。

前輪駆動ベースという課題はあるものの、日常使用における利便性とパフォーマンスを両立しており、プレミアムコンパクトセグメントにおいて重要な選択肢となるでしょう。

ただし、後輪駆動のBMWらしさを求める場合や、運転そのものを重視するエンスージアストにとっては、3シリーズや他の選択肢を検討する価値があるかもしれません。

価格的な競争力や最新装備を評価するなら、M235 グランクーペは間違いなく購入候補に挙がる一台です。

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Reference:motoringfile.com