BMWの8シリーズが、いよいよ生産終了のカウントダウンに入りました。
そんな中、BMWはこのモデルを締めくくる特別仕様車の投入を予告しています。
これは8シリーズの最終モデル、すなわち「ファイナルエディション的存在」と見なすことができる特別な1台です。
本記事では、その登場背景、仕様予想、市場的価値まで徹底的に解説します。
- 最後の8シリーズ登場:M850iをベースにした特別仕様車が、シリーズ終焉の象徴として登場予定。
- 限定装備と高級仕様:Individual塗装や専用インテリアが予想され、所有満足度が高い内容に。
- コレクター価値に期待:「最後の内燃GT」として、中長期的に高い市場評価を得る可能性あり。
8シリーズに「最後の特別仕様車」が登場へ
BMW M部門が明かした“終章”の準備
2025年7月、BMW M部門の責任者であるフランク・ファン・ミール氏が、8シリーズに特別仕様車が登場予定であることを明言しました。
この発言は、英国で開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでのインタビュー中に出たもので、
「限定的なモデルが今後発表される」
と語っています。
現時点でグレード名や仕様は明かされていませんが、各種報道では「M8」ではなく「M850i」がベースとなる可能性が高いと見られています。
これは、アメリカ市場でM8の販売がすでに終了している一方で、M850iは引き続き販売されており、事業的にも妥当な選択と考えられているためです。
予想される「ファイナルエディション」の装備と仕様
外装はIndividual系カラーが中心か
今回の特別仕様車は、BMWのオーダーメイドプログラム「Individual」の範疇で仕立てられると予想されています。
これまでのM850i Individualモデルでも採用されてきた、タンザナイト・ブルーII、ディープ・グリーンなどの特別塗装色が用意される可能性が高いです。
その他、20インチの専用ホイール、ブラッククローム仕上げの外装アクセント、専用エンブレムなど、視覚的な違いが随所に盛り込まれると考えられます。
あくまで“美しく終わる”ことを意識したデザインになるでしょう。
インテリアはプレミアム素材+記念バッジ
内装には高級レザーとアルカンターラのコンビネーション、ステッチカラーの専用設定、特別なトリム材が採用されると予測されます。
センターコンソールやドアシルプレートには、「Final Edition」や「One of 200」などの限定バッジが装着される可能性もあります。
エンジン・足回りはM850iベースのまま
パワーユニットはM850iと同じく、4.4L V8ツインターボエンジンを搭載し、最高出力530ps、0-100km/h加速は約3.9秒と予想されます。
シャシー構成についてもアダプティブMサスペンションとxDriveが標準採用される見通しで、パフォーマンスチューンではなく“集大成としての美意識”が重視されるはずです。
なぜM8ではなくM850iなのか?
アメリカ市場でのM8販売終了が背景に
今回の特別仕様車において、「M8」ではなく「M850i」がベースになると予想される背景には、アメリカ市場での販売状況が大きく関係しています。
実際に、M8クーペおよびカブリオレ(F92/F91)は2025年モデルをもって米国市場からカタログ落ちしており、今後の新規投入が予定されていないと報じられています。
一方で、M850iはクーペ、グランクーペ、カブリオレのすべてのボディタイプが2025年モデルとして継続販売されており、生産ラインも維持されています。
このような状況から、BMWが特別仕様車を開発する際に、より商業的に成り立つM850iをベースに選定することは自然な流れと言えるでしょう。
M850iは8シリーズの“らしさ”を体現するモデル
M8がサーキット志向のフラッグシップであるのに対し、M850iは日常性と上質さを両立させたグランドツアラーという位置づけです。
BMWの8シリーズが持つ「美しい高速移動体」というコンセプトを最も純粋に表現しているのがM850iであり、最終モデルにふさわしいとも言えます。
過去にも、BMWは最終モデルにおいて高性能モデルではなく“象徴性”を重視する傾向があり、今回の8シリーズ特別仕様車もその流れを汲んでいる可能性があります。
限定台数・価格予測と導入市場
価格帯は1,600〜1,800万円、限定数は200台以下か
この特別仕様車の価格については、M850iの通常モデルよりも数百万円上乗せされる可能性があります。
アメリカ市場ではM850iのベース価格が約10万ドル(約1,400万円)であることから、特別仕様車は11〜12万ドル、日本円にして1,600〜1,800万円程度が想定されます。
台数に関しては、過去のBMW限定モデルの傾向から考えても100〜200台程度に限定される可能性が高いです。
「One of 200」などのシリアルバッジが内装に装着されることも、こうした限定性を強調する演出と一致します。
日本市場導入の可能性は?
これまでの8シリーズ限定仕様車(特にIndividualモデル)は日本でも一定数が導入されてきました。
BMW Japanがこのファイナル仕様を日本市場に導入する可能性も十分に考えられます。
特に8シリーズのクーペは台数が少ないため、「最後の1台」としての希少価値を訴求しやすい状況にあります。
「最後の8シリーズ」が持つ価値とは?
内燃ラグジュアリーGTの終章としての意味
今回の特別仕様車が「ファイナルエディション的存在」とされる最大の理由は、BMWにとって8シリーズが内燃エンジン時代の象徴的なフラッグシップモデルである点にあります。
電動化が加速する中で、V8エンジンを積む大型クーペは今後ますます希少な存在になることが予想されており、この1台は“最後の内燃ラグジュアリーGT”としての価値を持ちます。
デザイン面でも、ロングノーズ・ショートデッキの典型的なクーペスタイルと、ラグジュアリーな質感が融合した8シリーズは、ブランドの伝統と未来の節目をつなぐモデルです。
最終仕様車がその魅力を凝縮した1台となれば、後年にわたり語り継がれる存在になることは間違いありません。
コレクターズカーとしての可能性

この限定仕様車は、生産台数が極めて少ないことに加え、「最後の8シリーズ」という物語性を備えているため、長期的に見てもコレクターズカーとしての評価が高まる可能性があります。
特に、希少性と保存状態が重視される高級中古車市場においては、将来的に安定した価値を維持することが期待されます。
また、BMWはMモデルに限らず、Individual仕様や記念モデルに対してもファン層が厚く、各地のオーナーズクラブや展示会などでも注目される1台となるでしょう。
最後の一台に込められたBMWの哲学
8シリーズのファイナル仕様車は、単なる販売促進のための限定車ではなく、BMWが約半世紀にわたり築いてきた「駆けぬける歓び」の象徴としての一台です。
V8エンジンを搭載した大型2ドアクーペが最後を迎えるということは、内燃時代の一時代が終わることも意味しています。
このモデルに込められた哲学や美学は、今後登場する電動モデルに継承されていく一方で、「最後のV8 8シリーズ」として歴史に残る存在となるでしょう。
Reference:carscoops.com
よくある質問(FAQ)
Q1. M850iファイナルエディションの発表時期はいつですか?
正式な日程は未発表ですが、2025年後半に発表予定とされています。グッドウッドでの発言により明らかになりました。
Q2. ファイナルエディションのベースモデルはM8ではないのですか?
各種報道ではM850iがベースになると見られています。M8はアメリカ市場で販売終了となっており、その影響があると考えられます。
Q3. ボディタイプはクーペだけですか?
現時点では不明ですが、8シリーズらしさを体現する「2ドアクーペ」に絞られる可能性が高いと予想されています。
Q4. 日本市場での販売予定はありますか?
BMW Japanからは未発表ですが、過去の限定モデルの導入実績から見て、日本市場への投入の可能性は十分にあります。
Q5. ファイナルエディションはコレクターズカーになりますか?
生産台数が限られ、「最後の8シリーズ」という希少性から、将来的にコレクターズアイテムとなる可能性は高いです。
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