BMWの次世代電動SUV「iX3 NA5」の市販モデルがついにその姿を現しました。
特許画像が公開されたことで、従来のモデルとは異なるデザインや技術的進化が明らかになり、自動車業界で注目を集めています。
この新型モデルは、BMWの革新的なNeue Klasse(ノイエ・クラッセ)プラットフォームを採用し、次世代のEV市場を牽引する重要な役割を果たすと期待されています。
この記事では、BMW iX3の過去モデルから最新技術、スクープされたデザインの詳細に至るまで、深く掘り下げて解説します。
- Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)プラットフォームを採用:BMW iX3 NA5は、電動車専用のNeue Klasseプラットフォームを採用し、軽量化と効率性を実現し、従来モデルから大幅に進化
- 革新的なバッテリー技術:エネルギー密度が20%向上した円筒形バッテリーを搭載。800ボルト対応で、10分の充電で300kmの航続が可能
- 最先端のデザインと装備:未来的な外観デザインに加え、iDrive Xや超広角ヘッドアップディスプレイを搭載し、操作性と快適性を追求
BMW iX3の歴史と進化
過去モデルの特徴
初代BMW iX3は2020年に登場しました。
BMWにとって初めての純電動SUVとして開発されたこのモデルは、従来のX3をベースに電動化技術を統合したものです。
特徴的なのは、BMWの「eDriveテクノロジー」による航続距離の向上と効率的なパワートレイン設計でした。
初代iX3は、400km以上の航続距離を実現しつつ、充電性能やパワー面でも競争力を持つ車として評価されました。
しかし、内燃機関モデルと同じプラットフォームを使用していたため、電動車としての完全な最適化には限界がありました。
Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)プラットフォームへの移行
新型iX3 NA5では、BMWのNeue Klasse(ノイエ・クラッセ)プラットフォームが採用されます。
このプラットフォームは、電動車専用に設計されており、内燃機関を持つモデルと設計を共有しない完全なEV仕様となっています。
そのため、車両全体の軽量化や空力性能の向上が可能となり、パフォーマンスや効率性の大幅な向上が期待されています。
このNeue Klasseは、BMWの次世代電動車両に共通して採用される戦略的な基盤です。
スクープ画像が示すデザインのポイント
外観デザインの特徴
今回公開された特許画像では、新型BMW iX3 NA5の外観デザインが詳細に確認できます。
この市販モデルは、コンセプトモデル「Vision Neue Klasse X」のデザインをベースにしており、以下のような特徴を持っています:
- フロントデザイン:細長いLEDヘッドライトと大型グリルが特徴的で、BMWの新しいデザイン言語を体現しています。
- サイドプロファイル:フラッシュ型ドアハンドルを採用し、全体のラインを滑らかに仕上げています。また、ホイールデザインは空力性能を意識したスタイルです。
- リアビュー:テールライトのデザインは未来的な要素を持ちつつも、BMWの伝統的なスタイルを維持しています。透明な装飾要素も採用され、これまでにない個性を加えています。
コンセプトモデルからの主な変更点
市販モデルでは、コンセプトモデルからいくつかの現実的な変更が加えられています。
たとえば、カメラ式サイドミラーは従来型のミラーに戻されました。
また、ホフマイスターキンク(Cピラー付近のデザイン)はボディ同色のトリムに変更され、より洗練された印象を与えています。
さらに、車両全体のバンパーデザインも微調整され、市販モデルらしい現実的なスタイルに仕上がっています。
内装と新技術:未来型インターフェース
iDrive Xとボタンレス設計
新型iX3には、BMWの最新インフォテインメントシステム「iDrive X」が搭載されています。
このシステムは、これまで以上に直感的でシンプルな操作を可能にしています。
特に物理ボタンの削減が顕著で、主要な操作はタッチスクリーンとジェスチャーコントロールで行えるよう設計されています。
このシステムにより、ドライバーはより快適かつ効率的に車両を操作できます。
超広角ヘッドアップディスプレイ
新型iX3 NA5のダッシュボードには、超広角ヘッドアップディスプレイが搭載されています。
このディスプレイは、フロントガラス全体に情報を投影する仕組みで、ドライバーが視線を大きく動かすことなく重要な情報を確認できる画期的な技術です。
パフォーマンスと生産計画
革新的なバッテリー技術
BMWは新型iX3 NA5に円筒形バッテリーセルを採用しました。
この技術により、従来のプリズム型セルに比べてエネルギー密度が20%向上し、航続距離がさらに伸びる見込みです。
さらに、800ボルトアーキテクチャの採用で、急速充電性能も大幅に改善されました。
BMWによれば、たった10分の充電で300km分のエネルギーを補充できるといいます。
ハンガリー工場での量産スケジュール
新型iX3 NA5は、BMWの最先端工場であるハンガリーのデブレツェン工場で生産されます。
この工場は完全に電動車両専用に設計されており、環境負荷を最小限に抑えた生産プロセスが導入されています。
量産は2025年末から開始される予定で、その後2026年には他のNeue Klasse(ノイエ・クラッセ)モデルの生産も予定されています。
BMW iX3 NA5がノイエ・クラッセ世代の一番手として発売
新型BMW iX3 NA5は、デザイン、技術、パフォーマンスのすべてにおいてBMWの次世代車両の基準を引き上げるモデルです。
特に、Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)プラットフォームの採用による進化は、BMWの電動化戦略の中心に位置付けられています。
このモデルは、競争が激化する電動SUV市場での新たな選択肢として、消費者の期待を大いに高めるでしょう。
さらに、BMWの持続可能な生産プロセスや革新的な技術は、業界全体に影響を与える可能性を秘めています。
新型iX3 NA5はノイエ・クラッセ世代の一番手として発売されます。
それだけ、重要な役割を担っているBMWとしても期待の1台ということが言えると思います。
Reference:autoweek.nl