もしBMW M5 CS F90の中古車が日本で販売されたら、その価格はいくらになるのでしょうか。
BMW M5 CSは、世界限定1,100台、日本ではわずか5台しか販売されなかった特別なモデルです。高性能なV8エンジンを搭載し、軽量化や専用装備が施されたこのモデルは、まさに「最後の純ガソリンMモデル」としての存在感を放ちます。
この記事では、M5 CS F90の魅力やスペック、実際にアメリカで高値落札された事例をもとに、もしこの車が日本で中古車として市場に出た場合に予想される価格や、その背景にある希少価値、投資性について解説していきます。
- 最後の純ガソリンMモデルが高騰中:M5 CS F90は非ハイブリッドMの最終モデルで、中古価格が上昇中。
- アメリカで約2,900万円で落札:米国では新車価格を超える高額落札例が発生。
- 日本では5台限定、中古流通ほぼゼロ:国内販売は極少で、現在の中古流通はほぼ皆無。
BMW M5 CS F90とは

BMW M5 CSはどんな中古車になるのか?
BMW M5 CS(F90型)は、2021年に発表されたBMW M5シリーズの中でも特別仕様にあたる「CS(コンペティション・スポーツ)」モデルです。M5としては初めてのCSバッジを冠し、圧倒的なパフォーマンスと限定生産による希少性が話題となりました。
驚異のスペック|V8ツインターボで635馬力
パワーユニットには、4.4リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載。最高出力は635ps(約467kW)、最大トルクは750Nmに達し、0-100km/h加速はわずか3.0秒という驚異的なスペックを誇ります。このエンジンは、従来のM5コンペティションと比べて10ps高く、BMW史上最もパワフルな量産モデルのひとつです。
さらに、専用のサスペンションやMカーボンセラミックブレーキ、カーボン製エクステリアパーツ、20インチ鍛造ホイールなど、走行性能と軽量化の両立を実現した装備も多数。車重は従来型より約70kg軽く、車の挙動にダイレクトな影響を与える構造的改良が施されています。
世界限定1,100台、日本ではわずか5台のみ
インテリアには、カーボンバケットシートや専用アルカンタラステアリング、M5 CSロゴ入りのドアシルプレートなどが採用され、特別感を強調。乗車定員は4名に限定され、後部座席も独立型となっています。
全世界での生産台数はわずか1,100台、日本での正規販売はたった5台のみという極めて希少なモデルです。この点が、中古市場での価格高騰の重要な要因のひとつになっています。
M5 CSが人気を集める理由
最後のガソリン専用Mモデルという希少性
BMW M5 CSが注目を集める最大の理由のひとつが、「最後の純ガソリンエンジンMモデル」であるという点です。F90型M5 CSは、電動化の波が押し寄せる中で登場した、完全な内燃機関車両です。これ以降のM5はすべてハイブリッド化が進んでおり、ガソリンのみで走るハイパフォーマンスモデルは今後ほぼ登場しないと見られています。
ハイブリッド化前のMモデルにプレミアがつく理由
電動化された車両にはない「レスポンスの鋭さ」「サウンドの迫力」「軽快なハンドリング」は、特にエンスージアスト層に強く支持されています。そのため、ハイブリッド化前のMモデルにはコレクターズアイテムとしての価値がつきやすく、M5 CSのような限定車はさらにその傾向が強まります。
デザインと走行性能のバランスが評価されている
BMW M5 CSは、見た目の迫力だけでなく、サーキット性能にも妥協がありません。専用設計のカーボン製エアロパーツやゴールドブロンズのアクセント、ブラックアウト仕様のレーザーライトなど、視覚的にも特別感があり、所有する喜びを感じさせてくれます。また、635psのエンジンと70kgの軽量化がもたらす加速性能と操作性も高く評価されています。
中古市場でも高値がつく根拠
こうした要素に加え、生産台数が極めて少なく、状態の良い個体が限られていることから、中古市場では高値がついています。特に走行距離が少ない個体や新車同様の保存状態のものは、新車価格を上回ることも珍しくありません。M5 CSはまさに「資産価値のある中古車」として認識され始めています。
実際に落札された価格と為替換算
アメリカのオークションで196,000ドルの高値
2025年5月、米国の著名な自動車オークションサイト「Bring a Trailer」にて、2022年式BMW M5 CSが196,000ドルで落札されました。これは、日本円に換算するとおよそ2,900万円に相当する金額で、新車価格よりも大幅に高額です。
現在の為替レートでの日本円換算
為替レートは日々変動しますが、2025年5月時点では1ドル=約148〜155円で推移しています。仮に1ドル=150円で計算した場合、196,000ドル × 150円 = 29,400,000円、すなわち約2,940万円となります。これは新車価格を1.4倍以上も上回る計算になります。
日本での新車価格は2,510万円
BMW M5 CSの日本国内における正規販売価格は2,510万円(税込)でした。日本ではオンライン販売限定、しかもたった5台のみの超希少販売だったため、市場にほとんど出回っていないのが実情です。
新車価格を超えた中古車としての価値
今回のアメリカでの取引事例は、M5 CSの「プレミア中古車」としての価値を示す強力な証拠です。限定性、高性能、非電動という三拍子が揃ったこのモデルは、今後さらに価格が上がる可能性を秘めており、希少車の中古価格として注目され続けるでしょう。
実際に落札されたBMW M5 CS(アメリカ)の車両情報
項目 | 詳細 |
---|---|
年式 | 2022年式 |
ボディカラー | ブランズハッチグレーメタリック(Brands Hatch Gray Metallic) |
内装カラー | ブラック&レッド |
走行距離 | 118マイル(約190km) |
エンジン | 4.4L V8ツインターボ(627hp / 553lb-ft) |
駆動方式 | AWD(4輪駆動) |
トランスミッション | 8速AT(マニュアルモード付き) |
特別装備 | カーボンセラミックブレーキ、鍛造ホイール、アクティブMディファレンシャル |
落札価格 | 196,000ドル(約2,940万円/2025年5月時点) |
販売プラットフォーム | Bring a Trailer(米オークションサイト) |
特徴 | 極低走行・非改造・最後のガソリンMモデルとして高評価 |
日本でM5 CSを中古で買えるのか
日本ではオンライン限定でわずか5台のみ販売
BMW M5 CSは、2021年にBMWジャパンがオンライン・ストアを通じてわずか5台のみを日本市場に導入しました。これは世界全体で1,100台限定の中でも極めて少ない数字であり、一般の販売店やショールームでは一切取り扱われていませんでした。そのため、購入できたユーザーはごくわずかであり、国内では幻のモデルとも言える存在です。
国内の中古市場ではほぼ流通していない
その希少性ゆえに、日本国内の中古車市場においてM5 CSを見かけることはありません。大手中古車サイトや正規ディーラー系の認定中古車情報にも、これまでに掲載された事例はないでしょう。多くのオーナーがコレクション目的で保有しているため、短期間で手放す可能性が低く、実際の流通量は皆無に等しいのが現状です。
仮に売りに出たら予想される価格帯は?
もし日本でM5 CSが中古車として売りに出された場合、その価格は最低でも新車価格の2,510万円を超えると考えられます。米国での落札価格を参考にすると、約3,000万円前後が相場となる可能性が高いです。特に低走行距離や新車に近い状態を保っている個体であれば、3,500万円以上になるケースも十分に考えられます。
走行距離や保管状態が価格に与える影響
中古車価格は、基本的に走行距離と保管状態によって大きく変動します。M5 CSのような限定車の場合、その傾向はより顕著です。たとえば、走行距離が1,000km未満の個体や、ガレージ保管・禁煙車などの条件が整っていれば、プレミアムが上乗せされることは間違いありません。逆に、走行距離が伸びていたり、外装にキズがあれば価格は大きく下がる可能性があります。
M5 CSの今後の中古価値と投資性
海外コメントから読み解く将来価値の見通し
実際のオークションでは、M5 CSを購入したユーザーや自動車愛好家から「今後ますます価値が上がるだろう」とのコメントが多数寄せられています。中には「5年後には25万ドル(約3,750万円)に達する可能性がある」と予測する声もあり、この車両が「投資対象」として注目されているのがわかります。
5年後には3,500万円に達する可能性も
現在の中古相場が約3,000万円前後であることを考慮すると、限定生産であるM5 CSは今後も価値が下がりにくいモデルと言えます。特にガソリン専用Mモデルという希少なポジションから、5年以内に3,500万円以上で取引される可能性も現実的です。逆に、今購入しておけば将来的な資産としての保有も視野に入ります。
コンディションと希少性が価格に直結
M5 CSの価値を左右する最重要要素は、保管状態と希少性です。特に事故歴のないフルオリジナル車両は高額落札が期待され、エンスージアストやコレクターの間で競争が激しくなるでしょう。逆に改造歴やメンテナンス不備がある車両は大幅に価値が落ちることになります。
「最後の純ガソリンMモデル」というブランド力
電動化が進む今、「最後の純ガソリンMモデル」であるという点は、今後の中古車市場において大きな武器となります。エンジン音や走行フィーリングといった内燃機関車特有の魅力は、電動車では再現できないため、長期的に価値が維持されやすいです。M5 CSはまさに「保存しておきたい一台」と言えるでしょう。
まとめ|幻のBMW M5 CS F90の中古車
BMW M5 CS F90は、M5史上初のCSモデルであり、BMWが誇る最後の純ガソリン車としての立ち位置が非常に特別です。走行性能、限定性、内外装の特別装備など、どれをとっても他のMモデルと一線を画す存在です。
もし日本国内で中古市場に流通すれば、その価格は新車価格の2,510万円を超え、状態や走行距離によっては3,500万円前後になる可能性もあります。すでにアメリカでは約2,900万円で落札された事例もあり、市場の評価が高いことが裏付けられています。
今後は、非ハイブリッド・ガソリンエンジンという「終わりゆく価値」に対する需要がさらに高まり、M5 CSの価格は上昇していくと見られます。投資目的でも、コレクションとしても、一台の価値を超えた存在として注目すべきモデルです。
Reference:carscoops.com
よくある質問(FAQ)
Q1. BMW M5 CSとは?
BMW M5 CSは、2021年に限定生産されたM5シリーズの特別モデルで、史上初の「CS」バッジが与えられた高性能仕様車です。635psのV8ツインターボエンジンを搭載しています。
Q2. 日本での新車価格はいくらでしたか?
日本ではBMWオンライン・ストア限定で販売され、税込価格は2,510万円でした。販売台数はわずか5台と非常に限定的でした。
Q3. 現在の中古車市場での相場は?
国内では流通例がほぼありませんが、米国では2025年に約2,900万円で落札された事例があり、国内でも3,000万円以上になる可能性があります。
Q4. なぜM5 CSは将来価格が上がると考えられているのですか?
M5 CSは最後の純ガソリンエンジン搭載のMモデルであり、限定生産・高性能・非電動という条件が揃った希少価値の高い車両だからです。
Q5. 投資対象としても魅力がありますか?
はい。特に低走行・保管状態の良い個体は、数年以内にさらに価値が上がると予想され、投資対象としても注目されています。
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