中古車を探していると「走行距離は本当なのか?」と不安になりませんか?
私はこれまで10台以上の中古車を「買う」「売る」を行ってきましたが、走行距離が価格や下取りに直結する現実を何度も見てきました。
そこで本記事では、米国で公表された中古車データに含まれる“メーター改ざん(走行距離巻き戻し)の疑い”の割合を起点に、その数字を日本の中古車市場へ当てはめるとどう見えるのかを計算で示します。
さらに、購入前に確認すべきポイントを整理し、余計な不安を増やさずにリスクを下げる手順をできるだけ具体的にまとめます。
❗️記事3行まとめ
✓中古車メーター改ざん率、米国4.2%の意味
✓日本は公式データなし、仕組みの違いを整理
✓走行距離の履歴確認と店選びが最大の対策
米国では中古車のメーター改ざんはどの程度発生しているのか
米国の調査データの概要
米国のEpicVINがBMWのVIN記録10万件を分析し、その結果を米国内のBMW約600万台規模に当てはめて中古車市場の傾向を示しています。
事故歴(サルベージ)やリコールと並び、走行距離の不正も検証項目に含まれます。
「4.2%」が示すのは“確定”ではなく“疑い”
注目点は、約4.2%のVINで走行距離の巻き戻し(mileage rollback)の可能性が示されたことです。
デジタルメーターが一般化した後も、需要が高いモデルほど不正が残るという説明がありました。
私はこの数字を見て、購入前の確認作業を“面倒”ではなく“保険”として捉える必要があると感じました。
日本には中古車のメーター改ざん率が公表されていない理由
全国一律の「改ざん率」が存在しない現実
日本では「中古車のメーター改ざん率は何%か」といった全国統一の公式データは公表されていません。
これは問題が存在しないからではなく、統計の取り方自体が米国と大きく異なるためです。
警察、国土交通省、業界団体はそれぞれ個別案件や是正措置を把握していますが、それらを合算して割合として示す仕組みがありません。
日本の中古車流通は“率”ではなく“個別確認”が前提
日本では車検制度により走行距離が継続的に記録され、オークション流通では検査員によるチェックも行われます。
さらに表示義務や契約不適合責任の考え方もあり、問題は「何%か」よりも「その1台が安全かどうか」を確認する構造です。
私はこの点を知り、数字だけで安心・不安を判断するのは危険だと感じました。
日本の中古車のメーター改ざん率を予想してみる
米国データをそのまま日本に当てはめられない理由
米国では、中古車の走行距離に不整合が見られた割合として4.2%というデータが示されています。
ただし、日本には同じ条件で集計された公式な統計は存在しておらず、この数字をそのまま日本市場に当てはめることはできません。
私が調べた限り、日本と米国では中古車が流通する過程やチェック体制に明確な違いがあります。
日本独自のチェック体制と業界団体の関与
日本では、車検時に走行距離が継続的に記録される仕組みがあり、中古車がオークションを経由する場合には、日本自動車査定協会や日本オートオークション協議会といった業界団体が関与する査定・検査の枠組みの中で、走行距離の不整合がチェックされます。
こうした段階的な確認が行われることで、明らかな改ざん車両は流通の途中で発見されやすい構造になっています。
調べた事実を踏まえた筆者としての予想
以上の事実を踏まえたうえでの私自身の判断になりますが、日本の中古車市場で実際に流通しているメーター改ざんリスクは、米国で示された4.2%という数字よりも、かなり小さく見えると感じました。
公式な割合は公表されていないものの、日本の制度や業界の運用実態を考えると、感覚的には米国データの1/10以下と考えても大きく外れてはいないのではないでしょうか。
中古車購入前に必ず確認しておくべきチェックポイント
走行距離は「数字」ではなく「履歴」で確認する
中古車の走行距離を見る際、メーターに表示されている数字だけを信じるのは危険です。
必ず確認したいのは、車検証に記載された過去の走行距離や、整備記録簿に残る履歴です。
走行距離は一貫して増えているか、不自然な減少や空白期間がないかを見ることで、違和感に気づきやすくなります。
私自身、中古車を見るときは「今の距離」よりも「過去からの流れ」を重視しています。
オークション流通車でも「完全に安心」とは考えない
日本では多くの中古車がオークションを経由して流通しており、走行距離のチェック体制も整っています。
ただし、それは改ざんリスクがゼロという意味ではありません。
書類の不足や、オークションを通さない直接取引の車両も存在します。
私は「オークション経由だから大丈夫」と思い込まず、車検毎の数値など走行距離の根拠を具体的に確認するようにしています。
価格が相場より安い理由を言語化できるか
同年式・同グレードの中古車と比べて明らかに安い車両には、必ず理由があります。
その理由が「走行距離が多い」「内外装の状態」「装備差」など、説明として納得できるものであれば問題ありません。
一方で、価格差の理由が曖昧な場合は注意が必要です。
私は、販売店が価格の根拠をはっきり説明できるかどうかを、一つの判断材料にしています。
「信頼できる販売店」を見つけることが重要
ここまで紹介してきた走行距離の履歴確認や、価格の妥当性チェックといったポイントは、突き詰めると「どの店から買うか」という問題に行き着きます。
書類をきちんと提示できるか、走行距離について具体的に説明できるか、不利な点も含めて話してくれるか。
こうした対応ができる販売店であれば、メーター改ざんを過度に心配する必要はありません。
私自身、中古車選びでは車両単体の条件以上に、中古車販売店の説明姿勢や情報開示の仕方を重視しています。
日本の中古車市場は仕組みが整っているからこそ、その仕組みを正しく使い、誠実に説明してくれる店を選ぶことができれば、結果として安心して中古車を購入できると考えています。
Reference:bmwblog.com
よくある質問(FAQ):中古車のメーター改ざんと走行距離の疑問
Q1. 中古車のメーター改ざんは日本でも多いのですか?
日本では中古車のメーター改ざん率を示す公式な全国統計は公表されていません。ただし車検時の走行距離記録や流通段階のチェックがあるため、米国のデータをそのまま当てはめて判断しないことが重要です。
Q2. 走行距離が本当かどうか、購入前に何を見ればいいですか?
メーター表示だけでなく、車検証の走行距離記録や整備記録簿など「履歴」を確認します。過去から現在まで走行距離が自然に増えているか、不自然な空白や食い違いがないかを見るのが基本です。
Q3. オークション経由の中古車ならメーター改ざんの心配は不要ですか?
流通過程でチェックされる仕組みはありますが、リスクがゼロになるわけではありません。販売店に走行距離の根拠(書類・履歴)を具体的に示してもらい、説明が明確かを確認するのが大切です。
Q4. 相場より安い中古車は避けるべきですか?
安いこと自体が即リスクとは限りません。重要なのは「なぜ安いのか」を販売店が言語化できるかです。装備差や内外装の状態など理由が具体的で納得できるかを確認しましょう。
Q5. 信頼できる販売店かどうか、何で判断できますか?
質問に対して具体的に答えるか、書類や履歴を提示できるか、不利な点も含めて説明するかがポイントです。情報開示の姿勢がはっきりしている店ほど、中古車購入の不安は小さくできます。







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