MINIの中にはカブリオレというオープンカーが長年販売されています。
しかし、カブリオレとは別にMINIにはオープンモデルが存在していたのをご存知でしょうか?
2シーターオープンモデルの「ロードスター」というモデルが、1世代だけですが販売されていました。
私はその貴重ななMINI ロードスター R59の元オーナーとして、オーナーレビューをお伝えしたいと思います。
MINI ロードスター R59とは?
MINI ロードスター(型式:R59)は、BMW傘下のプレミアムコンパクトブランド「MINI」が2012年〜2015年にかけて日本でも導入していた2シーターのオープンモデルです。
MINIブランドでは初となる“本格的なロードスター”として位置づけられ、そのスポーティな走りとオープンエアの開放感を両立させたモデルとして登場しました。
背景 — MINIラインナップの拡充と個性派モデル
MINIはハッチバックの3ドア(R56)や、4人乗りのコンバーチブル(R57)といったモデルに続いて、ブランドの可能性を広げる一台としてロードスターをシリーズに加えました。
2012年春に日本でも予約受付が始まり、同年3月頃から納車が開始されています。
これによりMINIのラインナップは6車種へと拡大しました。
ロードスターは同時期に登場したMINI クーペ(R58)のオープントップ版ともいえる存在で、2人乗りに特化したスポーツ志向のコンパクトオープンというユニークなポジションを担いました。
2シーターとスポーツ性 — 他モデルとの明確な違い
最大の特徴はその2シーター構造です。
一般的なMINI コンバーチブルは4人乗りですが、ロードスターは後席を廃し、そのぶん前席や走りの質感に重きを置いています。
幌は電動式ではなく軽量化を重視した手動式であり、スポーツカーのようなドライビング感を強調しています。(のちにオプションで電動化)
また、コンバーチブルよりも低い車高と寝かせたフロントガラス角度によって重心が低く、俊敏なハンドリングを実現しています。
さらに時速80km/h以上で自動展開するアクティブ・リアスポイラーを採用し、高速走行時の安定性も高められていました。
スペック概要 — エンジンと性能
ロードスターに搭載されたエンジンは基本的に1.6リッター直列4気筒で、グレードによって異なる出力が用意されました。
代表的なスペックとしては以下の通りです。
- クーパー:122PS
- クーパーS:184PS
- ジョン・クーパー・ワークス(JCW):211PS
- (いずれも 1.6L エンジン)
これらは6速マニュアル/6速オートマチックいずれかのトランスミッションと組み合わされ、軽快な走りとコンパクトボディならではの取り回しの良さを発揮しました。
希少性と評価
販売期間がわずか約4年と短かったこともあり、ロードスター R59 は現在では中古市場でも希少性の高いモデルとされています。
MINIのなかでもスポーティかつ個性的な一台として、現在でも熱心なファンを持つモデルのひとつです。
MINI ロードスター(R59)走行レビュー
ミニ・ロードスター(R59)を納車後、一般道、ワインディング、高速道路を試乗しました。
第一印象は、想像していたよりも乗り心地が柔らかいという点です。(購入時にザックス製車高調(RS-1)が装着済)
スポーツモデルという先入観がありましたが、足まわりは比較的マイルドで、セッティング次第で印象は大きく変わりそうです。
一般道での乗り心地と室内の印象
シートポジションやステアリングの細さ、革の質感などは好みが分かれる部分ですが、ポジション自体はまずまず。
室内は2シーターとしては意外に余裕があり、シート後方にも小物を置けます。
信号待ちで停止線での停車時には信号が見えない点は想像通りでしたが、オープンで走る気持ち良さはそれを補って余りあります。
中国自動車道での高速走行インプレッション
深夜の中国自動車道では、オプションのスポーツボタンをONにして走行しました。
ノーマルモードと比べるとアクセルレスポンスが明確に向上し、エンジンがもう一段活発に回る印象です。
ステアリングも重くなり、高速道路ではスポーツモードのほうが安心して走れます。
スポーツモードの効果と足回りの印象
この個体にはザックス製車高調(RS-1)が装着されており、柔らかめのセッティングでも制限速度内の高速コーナーで不安はありません。
ただ、以前所有していた アバルト500 と比べると、車線変更時のキレはやや穏やかで、MINIらしく万人向けに仕上げられている印象です。
ワインディングロードで感じたハンドリング性能
翌朝は山間部のワインディングを走行しました。
中低速コーナー主体の道では、FFらしくステアリング操作に対して素直にラインをトレースします。
路面が荒れた区間でも大きな突き上げは少なく、ボディが暴れる感覚はありません。
突き上げと小型スポーツカーの宿命
一方で、大きな段差やくぼみでは下からの突き上げを感じる場面もありました。
ホイールベースが短く、サスペンションストロークも限られる小型車の宿命といえる部分です。
エンジン特性と低速トルクの評価
エンジンは3000回転を超えたあたりから力強さを感じます。
そのため、つい2速で引っぱり気味に走ってしまい、燃費はやや心配になります。
低速トルクは控えめで、以前乗っていたスーパーチャージャー搭載の BMW MINI R53 のようなズボラ運転はできません。
MINI ロードスター(R59)はどんな人に向いているか
尖った個性は控えめですが、その分クセが少なく、運転の楽しさを安心して味わえる一台です。
ドイツ車らしい完成度を感じさせるのがR59の魅力。
約10年ぶりにBMW MINIへ戻ってきましたが、改めて「運転が楽しい車」だと実感しました。
MINI ロードスター R59 オーナーしか知らない豆知識
キーレス連動でドアミラーは畳めない
MINI ロードスター R59は今どきの車と比較すると小さい5ナンバーサイズの車です。
なので、駐車のたびにドアミラーを畳む必要性があるのか?と聞かれれば必要性はないかもしれません。
しかし、現代の軽自動車でさえ駐車場ではドアミラーを畳んで駐車しているのに、一見高級車に見えるMINIがキーレス連動でドアミラーを畳まずに駐車しているのは少し恥ずかしい。。。
実用上は問題ないんですけどね。
Bluetooth接続でスマホの音楽を聞くことができない
ドイツやアメリカでは恐らくBluetooth接続でスマホの音楽を聞くことができるのだと思います。
なぜならステアリングのマルチファンクションボタンには「電話」のマークがあるからです。
しかし、同年代のBMWでもあえて日本仕様のみBluetooth機能を省く仕様になっていました。
恐らくスマホなどの「ながら運転」などが社会問題化しつつあったため、クレームや事故防止を防ぐための自主規制だったのかもしれません。
これも国産車では普及しつつあったBluetooth接続で音楽を聞くということができなかったために、市販品のbluetoothトランスミッターを取り付けることになりました。
R56系MINIとはルームミラーが違う
MINIの魅力の1つに豊富なオプションを自由に取り付けて、自分だけのMINIを作れることだと思います。
ルームミラーにまでカバーなどが複数用意されていますが、残念ながらMINI ロードスターには、それらのルームミラーカバーなどを取り付けることができません。
なぜなら、ルームミラー自体がR56系MINIとは違うものが取り付けられているからです。
私は純正ではありませんが、このモナコミラーを取り付ける際に必要なMINI ロードスター専用ステーの設定が当時なかったために非常に苦労しました。
私が聞いた限りでは日本で販売された台数は約4年間で200台程度だと聞きました。
台数が少ない不人気車だったのかもしれませんが、現在の中古車価格は年式を考えると高値安定な価格を維持していると思います。
もし、MINI ロードスター R59の中古車の購入を考えている人は、私の正しい中古車購入のノウハウをお伝えしていますのでご参考に慣ればと思います。










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