2025年モデルのBMWアルピナXB7は、上質な仕立てと圧倒的な走行性能を両立したフラッグシップSUVです。
本記事では試乗記の視点を交えつつ、日本国内で「いま新車で購入できるのか?」という疑問に答える流れで、価格や主要スペック、装備のポイントを整理します。
記事の結論を先に言うと、2025年モデルは日本でも入手可能性がありますが、台数や納期は限られるため、早めの情報収集と販売店への確認が重要になります。
- 圧倒的な走行性能:621PSのV8エンジンと0-100km/h加速4.2秒で圧倒的な動力性能。
- 快適性と静粛性:エアサスペンションと高級オーディオで長距離でも快適な移動を実現。
- 日本での購入可否:台数限定のため早期確認が必要。
BMWアルピナXB7とは? ブランドの背景と位置づけ

アルピナはBMWと長年にわたり協業し、独自開発のエンジンチューニングや内外装の仕立てで“ラグジュアリーと長距離高速巡航”に特化したモデルを送り出すメーカーです。
XB7はBMWの最上級SUV「X7」をベースに、動力性能、足まわり、ブレーキ、内外装の細部に至るまで磨き上げたモデルで、2020年の登場以来、欧州向け約550台を含む累計2880台が生産されたとされる希少な存在です。
国内ではハイパフォーマンスSUVの中でも、快適性と仕立ての良さで独自の立ち位置を築いています。
2025年モデルの特徴と主要スペック
エンジンと走行性能
心臓部は4.4リッターV8ツインターボ(BMW S68ベース)。
最高出力は621PS(457kW)/5500〜6500rpm、最大トルクは800Nm(81.6kgm)/1800〜5400rpmと公表されています。
トランスミッションはアルピナ・スウィッチ・トロニック付き8速スポーツAT(ZF 8HP80MH)で、48Vスタータージェネレーターを組み合わせます。
0-100km/h加速は4.2秒、200km/hまで14.9秒、巡航最高速度は290km/h。
大柄なボディながら、高速域での伸びと余裕のあるクルージング性能が大きな魅力です。
内装と装備(マヌファクトゥーアの魅力)
2025年モデルでは「MANUFAKTUR(マヌファクトゥーア)」と呼ばれる仕立てが注目点です。
オプションのラヴァリナ・フルレザーは、アルピナのレザー・ワークショップで427枚の革を裁断・縫製し、100時間超の手作業で仕上げるという徹底ぶり。
専用のアルピナ・ブルー/グリーンの外装色や、アルピナ・ハイパフォーマンス・ブレーキ、アルミニウム・サテン仕上げの23インチ「ALPINA CLASSIC」鍛造ホイールなど、見た目と機能性の双方を高い次元で両立します。
タイヤ、ブレーキ、サイズ、価格の要点
タイヤはフロント285/35 ZR23(107Y)XL、リヤ325/30 ZR23(109Y)XL。
ブレーキは軽量対向キャリパーにドリルドローターと専用パッドを組み合わせます。
ボディサイズは全長5180mm×全幅2000mm×全高1835mm、ホイールベース3105mm。
ラゲッジ容量は750〜2120L、燃料タンク容量は83L、車両重量は2660kgです。
日本での車両本体価格は29,500,000円(消費税別の本体価格表示に注意)で、限定的な供給ゆえに在庫や納期は事前確認が必須となります。
BMWアルピナXB7試乗レビュー:高速安定性と快適性を体感
高速域での圧倒的な安定感
実際に試乗して感じられるのは、車重2660kgの大型SUVとは思えないほどの直進安定性です。
高速道路を100km/h以上で巡航しても、車体は金庫のように揺るがず、路面からの細かな入力を巧みに吸収します。
4.4リッターV8ツインターボの力強い加速はもちろんですが、それ以上に感銘を受けるのは“余裕”そのもの。0-100km/h加速は4.2秒とスポーツカー並みの俊足ですが、むしろ200km/h前後での落ち着きがアルピナらしい魅力です。
エアサスペンションと乗り心地
23インチの大径ホイールに285/35ZR23、325/30ZR23という極薄タイヤを装着していながら、エアサスペンションの制御により路面の段差や継ぎ目をしなやかにいなします。
荒れた舗装でも不快な突き上げは少なく、同クラスのメルセデスAMG GLS 63やキャデラック・エスカレードと比べても快適性は一枚上手に感じられます。
大型SUVでありながら、長距離移動で疲労を感じにくいのは大きなアドバンテージです。
静粛性とオーディオ体験
キャビンは風切り音やロードノイズがほとんど侵入せず、静粛性の高さはクラストップレベルです。
加えて、Bowers & Wilkins製サラウンドサウンドシステムが奏でる重厚な音響はまるでコンサートホール。
長距離移動ではオーディオに没入でき、加速時には低音の効いたV8サウンドが存在感を示します。
静と動のバランスが絶妙で、日常の移動から特別なドライブまで幅広く楽しめます。
コーナリング時の挙動と限界
一方で、重量級SUVゆえにコーナリング性能は控えめです。
限界を超えるような旋回ではトラクションコントロールが敏感に介入し、外輪に荷重が集中することで挙動がやや不安定になることがあります。
スキッドパッドでの横Gは0.95gと数値上は優秀ですが、サーキット走行を狙う車ではなく、高速道路での快適移動を得意とするモデルだと割り切るのが正解です。
日常ユースでの実用性
全長5180mmのボディは確かに巨大ですが、3列シートを備えるため大人7人がしっかり座れるパッケージングを実現しています。
ラゲッジ容量は通常時750Lから最大2120Lまで拡大可能で、旅行やアウトドアにも十分対応。
都市部での取り回しには気を使うものの、日常使用においても高い快適性と利便性を兼ね備えています。
アルピナXB7は単なる高性能SUVではなく、ラグジュアリーと実用性を両立した一台なのです。
日本での販売状況と新車購入の可否
2025年モデルのBMWアルピナXB7は、日本国内でも正規販売が行われています。
車両本体価格は29,500,000円で、右ハンドル仕様の導入により、日本市場でも違和感なく利用できるのが特徴です。
ただし、アルピナ車は基本的に少数生産であり、1台ごとに仕立ての自由度が高いため、納期は数か月単位でかかる可能性があります。
また、全世界での生産台数が限られているため、日本への割当数は多くありません。
実際、過去モデルは早期に完売した事例があり、在庫が潤沢にあるとは考えにくい状況です。
現在もオーダーは可能とされていますが、希望の仕様やカラーを選びたい場合は、できるだけ早く販売店に相談することが推奨されます。
特に「マヌファクトゥーア」仕立てのフルレザー内装などを選ぶ場合は、職人の手作業による工程が加わるため、生産枠が埋まりやすい点に注意が必要です。
すでに展示車やデモカーが販売対象となるケースもあり、新車購入を検討する方にとっては早めの行動が重要となります。
まとめ:BMWアルピナXB7 2025年モデル試乗記の総評
2025年モデルのBMWアルピナXB7は、数字だけを見ても621PSの出力や0-100km/h加速4.2秒と、SUVとして驚異的な性能を備えています。
しかし印象に残るのは、そのスペック以上の走行体験です。
高速道路での直進安定性は圧倒的で、路面状況に左右されない落ち着きは長距離移動の安心感に直結します。
さらにエアサスペンションによる快適な乗り心地、極上の静粛性、そしてBowers & Wilkinsの音響体験がもたらす上質な時間は、単なる移動を特別なものに変えてくれます。
コーナリング限界では重量ゆえの制約が見えるものの、それはアルピナXB7の本質的な価値を損なうものではありません。
このモデルが真価を発揮するのは、高速道路での余裕あるクルージングと、乗員全員が快適に過ごせる空間づくりにあります。
スポーツカーの俊敏さとラグジュアリーサルーンの快適性を融合させた走行体験は、他のSUVでは得難い独自の魅力といえるでしょう。
Reference:edmunds.com / alpina.co.jp
よくある質問(FAQ)
Q1. BMWアルピナXB7 2025年モデルの価格はいくらですか?
日本での車両本体価格は29,500,000円です。消費税や登録諸費用、オプションを含めると総額はさらに高額になります。
Q2. 2025年モデルのBMWアルピナXB7はまだ新車で購入できますか?
生産台数が限られており、日本市場への割り当ても少ないため、早めの問い合わせが推奨されます。
Q3. エンジンスペックはどのようなものですか?
4.4リッターV8ツインターボエンジンを搭載し、最高出力621PS、最大トルク800Nmを発生。0-100km/h加速は4.2秒です。
Q4. 走行性能と快適性の特徴は何ですか?
高速域での安定感が抜群で、エアサスペンションにより23インチタイヤ装着車でも快適。静粛性が高く、長距離移動でも疲れにくいのが特長です。
Q5. ライバル車との違いは?
メルセデスAMG GLSやベントレー・ベンテイガと比べ、アルピナXB7は「快適性と高性能のバランス」に優れており、価格面でも独自の立ち位置を持ちます。
コメント