2026年に欧州で先行発売、夏には北米、日本でも登場予定の新型BMW iX3(型式:NA5)は、次世代アーキテクチャ「ノイエクラッセ」を採用した初の量産EVです。
最大航続約805km(WLTP)や最大400kWの急速充電、469馬力の高出力など、数字で見ても注目要素が多い1台です。
本記事では発売時期、デザインと内装、航続距離や充電性能、パワートレイン、価格情報までを整理し、新型EVはどこがスゴいのかを具体的に解説します。
- 航続距離805kmを実現:第6世代バッテリー搭載で、日常から長距離まで安心できる航続性能を誇ります。
- 800V充電と高速性能:最大400kWの急速充電で10分で372km分を充電可能、走行性能もスポーツカー並みです。
- 最新内装と持続可能性:BMW Panoramic Visionや再生素材を採用し、未来的で環境に優しい室内空間を提供します。
BMW iX3 NA5とは?発売時期とモデル概要

ノイエクラッセ第1弾EVという位置づけ
iX3 NA5は、BMWが掲げる次世代車群「ノイエクラッセ」の市販第一弾です。
車体設計、ソフトウェア、電動パワートレイン、製造プロセスまで総合的に刷新され、内外装デザインも“1世代先”を意識した簡潔で力強い造形が採用されています。
ソフトウェア面では、車両機能を高性能コンピュータ群で統合管理する「ソフトウェア定義車(SDV)」の考え方を導入し、無線アップデートで機能強化が継続的に行える設計です。
デザインと内装の進化
外観ハイライト:Cd0.24と新しいBMWフェイス
外観は縦基調のキドニーグリルに新しい発光演出(Iconic Glow)を組み合わせ、フラッシュサーフェス化されたボディと精緻なエッジで“クリーンかつ頑丈”な印象を与えます。
空力は細部の最適化によりCd値0.24を達成。
エアカーテンや空力ホイール、冷却フラップの制御などで抗力を低減し、高速域での効率と静粛性の向上に寄与します。
全長4,782mm×全幅1,895mm×全高1,635mmという取り回しやすいサイズで、ボディ四隅を強調した立体感のあるプロポーションも特徴です。
内装ハイライト:BMW Panoramic Visionと最新OS
インテリアの主役は、ウインドシールド下部に幅広く情報を投影する「BMW Panoramic Vision」と、視線移動を最小化する3Dヘッドアップディスプレイです。
センターにはマトリクスバックライト採用の“フリーカット”ディスプレイを配置し、操作は新しいマルチファンクションステアリングと直感的なUIで行います。
最新のBMW Operating System Xはウィジェットを柔軟に配置でき、音・光・映像を組み合わせた「My Modes」で室内体験を好みに合わせて演出できます。
快適装備とユーティリティ:明るく広い居住性、実用的な積載
広いガラス面とパノラマサンルーフにより、客室は開放的で明るい雰囲気です。
後席は足元・頭上ともに余裕があり、座面形状も長距離移動での快適性を重視。
荷室は520Lから最大1,750Lまで拡張でき、スキーなどの長尺物に便利なスルー機構も備えます。
前部には約58Lのストレージ(いわゆる“フロントトランク”)が用意され、充電ケーブルや小物の収納に重宝します。
トレーラーヒッチは電動格納式が選べ、けん引能力は最大2,000kgに対応します。
素材とサステナビリティ:リサイクル材の積極採用
内装表皮やダッシュの一部、フロアマットなどに再生素材を活用し、マリンプラスチックの再利用やPET由来の糸を用いたテキスタイル(Econeer)、動物由来素材不使用のVeganzaシートなどを展開します。
部品点数や配線の最適化、製造時の再生可能エネルギー活用により、ライフサイクル全体のCO2排出削減も図られています。
こうした“設計段階からの循環志向”がノイエクラッセの思想そのもので、環境性能をスペック以上の価値として体感できる点が新生BMWの魅力です。
スペック徹底解説 – 航続距離・パワートレイン・充電技術
航続距離とバッテリー容量

新型BMW iX3 NA5の最大航続距離はWLTP基準で約805kmに達します。
これは従来型iX3を大きく上回り、日常使いはもちろん長距離ドライブでも安心できる性能です。
搭載するバッテリーは容量108.7kWhで、第6世代BMW eDrive技術に基づく新しい円筒型セルを採用しています。
従来型と比べてエネルギー密度は20%向上し、重量は10%軽量化、製造コストも20%低減されています。
また「セル・トゥ・パック」方式により、パッケージング効率と車体剛性が改善され、安全性も高められています。
パワートレインと加速性能
駆動方式は前後にモーターを備えた電動AWDで、合計出力は469hp(345kW)、最大トルクは475lb-ft(約645Nm)を発揮します。
0-100km/h加速はわずか4.9秒で、SUVながらスポーツカー並みの俊敏さを実現。
最高速度は210km/hに設定され、高速道路でも余裕の走行が可能です。前後重量配分は48.6:51.4とバランスが取れており、BMWらしい安定したハンドリングと快適な乗り心地を両立します。
800Vアーキテクチャと急速充電

新型iX3はBMW初となる800Vシステムを採用し、最大400kWの急速充電に対応します。
これにより10分間の充電で最大372km相当の走行距離を回復でき、10%から80%までの充電はわずか21分で完了します。
400V充電器にも対応しており、バッテリー管理システムの最適化によって充電時間はさらに短縮されます。
テスラのNACSポートを採用しつつ、CCSアダプターも標準付属するため、欧米の多様な充電インフラを柔軟に利用可能です。
双方向充電と先進機能
iX3 NA5は家庭や電力市場との双方向接続に対応しています。
家庭用のV2H(Vehicle to Home)機能により自宅の電力を補助できるほか、V2G(Vehicle to Grid)によって電力網へ電気を供給し収益化することも可能です。
さらにV2L(Vehicle to Load)によりキャンプや屋外作業で電源として活用することもできます。
BMW独自の「Heart of Joy」制御ユニットが駆動系や回生ブレーキを統合的に制御し、効率とドライバビリティを高次元で両立させています。
価格とラインナップ
欧州・米国での価格設定
新型BMW iX3 NA5の欧州での価格はおおよそ6万ユーロから、上位グレードのiX3 50 xDriveは68,900ユーロ前後と発表されています。
日本円に換算すると約1,000万円前後となり、同サイズの高級SUVや競合EVに比べても競争力のある設定です。
米国ではおよそ60,000ドルからのスタートが予想され、既存のガソリンモデルX3と比較しても妥当な価格帯に収まっています。
グレード展開と市場ごとの仕様
まず投入されるのはiX3 50 xDriveで、全輪駆動と805kmの航続性能を備えたフラッグシップ的存在です。
その後、より手頃な価格のエントリーモデルも追加される予定で、幅広い顧客層に対応します。
さらに中国市場向けには現地生産モデルが2026年に登場し、中国特有のニーズに合わせた仕様が提供されます。
生産拠点はハンガリー・デブレツェン工場が中心となり、BMWの新しい電動化戦略を象徴する拠点となります。
日本市場導入の可能性
現時点では日本市場への正式導入は2026年夏頃とされています。
価格帯は1,000万円前後になると予想され、航続性能や充電インフラの整備状況によっては、競合するアウディやメルセデスのEV SUVと並び注目を集める存在となるでしょう。
2026年発売 BMW iX3 NA5はどこがスゴい?
新型BMW iX3 NA5は、航続最大805kmという実用性と、800Vシステムによる高速充電性能を両立したEV SUVです。
469hpの出力とスポーティなハンドリングは、従来のBMWらしい走りを保ちながら電動化を推し進めた証といえます。
内装はPanoramic Visionや最新OSによって未来的な体験を提供し、再生素材を用いたサステナブルな設計も特徴です。
ノイエクラッセ第1弾としての意義は大きく、BMWファンはもちろん、EV購入を検討するユーザーにとっても2026年の最注目モデルとなるでしょう。
BMW iX3 50 xDrive 主要スペック一覧
項目 | スペック |
---|---|
駆動方式 | 電動AWD(前後モーター) |
最高出力 | 469hp(345kW) |
最大トルク | 475lb-ft(約645Nm) |
航続距離 | 最大805km(WLTP) |
バッテリー容量 | 108.7kWh(第6世代eDrive円筒セル) |
0-100km/h加速 | 4.9秒 |
最高速度 | 210km/h |
充電性能 | 最大400kW(10分で約372km分、10-80% 約21分) |
充電ポート | NACS(標準)+CCSアダプター付属 |
双方向充電 | 対応(V2H/V2G/V2L) |
サイズ | 全長4,782mm × 全幅1,895mm × 全高1,635mm |
荷室容量 | 520L〜1,750L(後席格納時)、フロントトランク58L |
車両重量配分 | 前48.6%:後51.4% |
生産拠点 | ハンガリー・デブレツェン工場(2026年より) |
Reference:press.bmwgroup.com
よくある質問(FAQ)
Q1. BMW iX3 NA5の発売時期はいつですか?
欧州は2026年春、北米、日本は2026年夏の発売予定です。中国市場向けは同年に現地生産モデルが提供されます。
Q2. 航続距離はどのくらいですか?
WLTP基準で最大805kmを実現しています。日常使いだけでなく長距離移動にも十分対応可能です。
Q3. 急速充電の性能はどの程度ですか?
800Vシステムを採用し最大400kWの充電に対応。10分で約372km分の走行距離を回復できます。
Q4. 価格はいくらぐらいですか?
欧州では6万ユーロ台から、米国では約6万ドルからと発表されています。日本では1,000万円前後と予想されます。
Q5. 日本市場に導入されますか?
正式発表はまだありませんが、ガソリンモデルX3の人気を考えると高い確率で導入されると見られています。
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