BMWのプレミアムSUV「X5」が、2027年モデルでフルモデルチェンジを迎えます。新型となる「G65型」は、外観から中身まで大きく刷新され、次世代プラットフォームを採用した注目の1台です。
特に注目されるのは、「X5 M60」と「X5 M60e」という2つのMパフォーマンスグレードが存在すること。どちらもMパフォーマンスを冠しながら、エンジン構成や走行フィールが大きく異なります。
本記事では、それぞれの特長を比較しながら、「真のMパフォーマンス」とはいったい何かを探っていきます。
- X5 G65型が登場:2027年型X5は新デザインと先進技術を搭載
- M60とM60eの違い:V8ガソリンとPHEVの構成や性能を徹底比較
- 真のMモデルとは?:サウンドと走行性能から“本物のM”を考察
2027年型BMW X5 G65とは?

次世代SUVとして刷新されたG65型の概要
2027年に登場する新型BMW X5は、「G65」という開発コードネームで知られています。これは現行のG05型X5に続く次世代モデルであり、デザイン・装備・プラットフォームのすべてが刷新される予定です。
最大の特徴は、BMWの次世代コンセプトである「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」のデザインエッセンスを取り入れている点です。具体的には、より鋭く細くなったヘッドライトや立体感のあるキドニーグリル、そしてリア周りのLEDシグネチャーにその片鱗が見られます。
インテリアと最新テクノロジーも進化

インテリアも大幅に進化しています。曲面ディスプレイを用いたパノラミックiDriveや、BMWオペレーティングシステム「OS X」などが採用される見込みです。これにより、インフォテインメントやナビゲーションの操作性が一段と向上し、ラグジュアリーSUVとしての完成度を高めています。
車両サイズやホイールベースは大きく変わらない見通しですが、空力性能や快適性、安全支援技術においては大幅なアップグレードが施されると予想されています。
X5 M60(V8モデル)の特徴と魅力

S68型V8ツインターボエンジンの心臓部

X5 M60は、BMWの最新V8エンジンである「S68型」4.4Lツインターボユニットを搭載しています。このエンジンは48Vマイルドハイブリッドシステムと組み合わされ、最大出力530ps、最大トルク750Nmを発揮。
わずか4.3秒で0-100km/hを加速する俊足ぶりは、スポーツカー顔負けです。S68型は、従来型N63よりも排出ガス対策や耐久性が強化されており、Mパフォーマンスとしての信頼性も高いです。
ダイナミックな走行性能とMパフォーマンスの位置づけ
M60は、「Mモデル未満、標準モデル以上」というBMWのMパフォーマンスラインに位置づけられるモデルです。専用チューニングされたサスペンションやMスポーツディファレンシャル、アクティブロールスタビライザーなどにより、高速域での安定性とコーナリング性能が際立ちます。
また、4本出しのマフラーや大型エアインテークなど、見た目にもMの風格が漂います。BMWの象徴的なラグジュアリーSUVでありながら、ドライバーズカーとしての資質も備えています。
燃費と環境性能には課題も
一方で、V8エンジンという特性上、燃費は控えめで、市街地走行では10km/Lを下回ることもあります。また、CO₂排出量が高いため、欧州市場では販売に制限がかかる可能性も指摘されています。
マイルドハイブリッドによる改善はあるものの、PHEVやEVと比較すると、環境面での訴求力はやや弱いのが実情です。
X5 M60e(PHEV)の正体と進化
B58型直6+電動モーターの先進パワートレイン
X5 M60eは、BMWの直列6気筒ターボエンジン「B58型」に電動モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドモデルです。
これはXM 50eやM760e xDriveと同様の構成であり、システム合計で最大出力約563ps、最大トルク800Nmを発揮すると予測されています。エンジンとモーターが連携し、高速域では力強さを、低速域では滑らかなEV走行を可能にします。
静粛性とエコ性能を両立した新時代のMパフォーマンス
PHEVであるM60eは、街乗りではエンジンを使わずにEVモードで走行できるため、静粛性に優れ、燃費も圧倒的に良好です。EV走行距離はおよそ80〜100km程度と予想され、日常使いではガソリンを使わずに済むケースも多いでしょう。
また、低速域でのトルクが太く、加速も自然で力強いフィーリングが味わえます。これにより、ラグジュアリーSUVにふさわしい快適な乗り味を実現しています。
環境性能と補助金の恩恵も大きい
M60eはCO₂排出量が大幅に抑えられるため、欧州や日本などの厳しい排ガス規制にも対応できます。また、各国で用意されているPHEV車への補助金対象となる可能性が高く、購入時の金銭的メリットも大きいのが特長です。
サステナビリティが重視される今、Mパフォーマンスであっても電動化は避けられない流れとなっています。環境性能と動力性能の両立を目指すX5 M60eは、BMWの未来を体現する存在と言えるでしょう。
X5 M60 vs M60e 比較表と走行・環境・価格面での比較
スペック比較表:パフォーマンスと効率の違い
項目 | X5 M60 | X5 M60e |
---|---|---|
エンジン | 4.4L V8ツインターボ+48V MHEV | 3.0L 直列6気筒ターボ+電動モーター |
最高出力 | 530ps | 約563ps(予想) |
最大トルク | 750Nm | 800Nm(予想) |
0-100km/h加速 | 4.3秒 | 約4.5秒(予想) |
燃費性能 | 約9〜10km/L | PHEVモード:30km/L相当(EV80〜100km) |
車両重量 | 約2,350kg | 約2,500kg(予想) |
走行フィールの違いと選び方
X5 M60は、サウンドやダイレクト感を重視したスポーツSUVであり、エモーショナルな加速やエキゾーストノートを楽しめるモデルです。
一方、X5 M60eは電動モーターのアシストによりスムーズな発進と高トルクで、静粛性に優れた走行が魅力です。高速クルージングでも滑らかでストレスが少なく、長距離移動には最適といえるでしょう。
維持費・補助金・価格帯の予想
M60は高性能ガソリン車のため、自動車税や燃料代が高くつく傾向にあります。一方、M60eはPHEV補助金の対象となる国・地域が多く、税制面で優遇される可能性があります。
価格はM60が約1,400万円、M60eが1,500万円前後と予想され、PHEVのほうが装備分やバッテリーコストでやや高くなる見込みです。
どちらのモデルがどんなユーザーに合うのか?
走りの迫力とエモーションを求める方にはX5 M60がおすすめです。一方で、静粛性・燃費・環境性能を重視する方にはX5 M60eが最適です。ライフスタイルや使用環境によって、選ぶべきモデルは大きく異なるといえるでしょう。
「真のMパフォーマンスモデル」とは何か?
エモーショナルとハイパワーの融合が原点
BMWのMパフォーマンスとは、単なるパワー数値ではなく、「運転する喜び」を高めるための総合的な哲学を指します。
V8サウンド、瞬発的なトルク、緻密なハンドリング——これらが一体となって、Mならではのダイナミズムが生まれるのです。
従来、この定義に最も合致するのはV8モデルであるX5 M60でした。
PHEVにも宿るMの血統
しかし時代は変化し、環境性能と走行性能の両立が求められています。X5 M60eは、電動化されながらも800Nmのトルクを発揮し、力強い加速を持ちながら静粛性や快適性も兼ね備えています。
XMやM760eにも見られるように、BMWは電動パワートレインにおいても「Mらしさ」を注入しており、新しい形のMパフォーマンスを追求しています。
結論:どちらが“真”かはあなた次第
サウンドと衝撃的な加速を求めるならX5 M60、環境に配慮しつつもパフォーマンスを楽しみたいならX5 M60e。
どちらも異なる価値を持つ「Mパフォーマンスモデル」であり、優劣をつけることはできない。
結局のところ、「真のMパフォーマンスモデル」とは、あなたの価値観とライフスタイルに合った1台を選ぶことに尽きるのです。
しかし、問題は日本にはどちらのモデルが導入されるのか?
恐らくこの2台のMパフォーマンスモデル?が2台ともに日本に導入される可能性は低いと思われます。なぜなら、高額なプライスの車両を同じ車種で2台揃える必要がないから。
間違いなくこの2台は日本での売れ筋モデルではないため、フラッグシップモデルとして存在するというのがこの車両の価値です。

そして、X5の真のフラッグシップモデルはX5 Mになりますから、余計にハイパフォーマンスなモデルばかりのラインナップになります。
個人的には今しか乗れないかもしれないV8モデルのX5M60G65が日本に導入されると良いかな?と思いますが、こればかりは予想できません。
Reference:autoblog.com
よくある質問(FAQ)
Q1. BMW X5 M60とM60eの最大の違いは?
エンジン構成が異なり、M60はV8ガソリン、M60eはPHEVです。
Q2. X5 M60eはフルEVですか?
いいえ、プラグインハイブリッド(PHEV)で、エンジンと電動モーターの併用です。
Q3. どちらが燃費に優れていますか?
X5 M60eの方が燃費・環境性能ともに優れています。
Q4. M60とM60eの価格差はありますか?
装備やPHEV機構の分、M60eの方がやや高くなると予想されます。
Q5. Mパフォーマンスとして選ぶならどちら?
走り重視ならM60、環境と静粛性重視ならM60eがおすすめです。
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