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BMWはアルピナをどのような高級ブランドに育てるのか?

BMWはアルピナをどのような高級ブランドに育てるのか? BMW
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BMWが完全子会社化することで、新たなステージへと移行するアルピナ。これまでの「知る人ぞ知る」高級チューニングブランドから、より明確なラグジュアリーポジションへと進化することが期待されています。

本記事では、今後BMWがアルピナをどのように育てていくのかを、デザインの変化、電動化の方向性、そしてブランド価値の再定義という3つの視点から深掘りしていきます。

  1. BMWがアルピナを高級ブランドとして本格育成:BMWはアルピナを完全子会社化し、「静かで上質なGTカー」としてMモデルとは異なる高級路線に再定義。
  2. EVとV8を共存させる次世代パワートレイン戦略:新型B7やXB7には電動モデルとV8エンジンを併存させ、快適性と持続可能性の両立を目指す。
  3. 価格帯とブランド独自性でBMWとロールスをつなぐ:3,300万円〜4,950万円の価格帯で差別化を図り、将来的にはアルピナ専用車の可能性も視野に入れている。

アルピナとは何か?BMWとの関係性とブランドの特性

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アルピナは1965年にドイツ・ブッフローエにて創業された自動車メーカーで、BMWの市販車をベースに、独自のエンジンチューニングや内装設計を施すことで知られています。創業者であるブルカルト・ボーフェンジーペンの「日常使いできる上質な高性能車を作る」という思想のもと、アルピナは単なるチューナーではなく、ドイツ運輸省に正式に認可された自動車メーカーという稀有な存在です。

BMWとアルピナは数十年にわたって密接な技術提携関係を築いてきました。BMWの車体とエンジンをベースにしながら、アルピナ独自のECUチューニングやターボ改良を加えることで、より滑らかで余裕のある加速性能を実現。また、足回りやステアリング、サスペンションにも専用チューニングが施され、BMW Mシリーズとは異なる「ジェントル」な高性能が特徴です。

特にアルピナが高く評価されているのは、「静かで上質な乗り味」と「高速クルージングに特化した快適性」です。目立つ外観よりも、控えめながら職人技が光るラグジュアリー感を大切にしており、これが長年にわたって熱狂的なファンを惹きつけてきた理由でもあります。

BMWによるアルピナ買収の経緯と目的

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BMWがアルピナの買収を正式に発表したのは2022年。創業以来、独立性を保ちながらBMWとのパートナーシップを築いてきたアルピナですが、自動車業界全体がEV化や高級車市場の再編に向かうなか、ブランドの将来性と競争力を高める必要が生じました。BMWとしては、既存のMブランドとは異なる「上質で快適なパフォーマンス」を体現するラグジュアリーブランドとして、アルピナのポテンシャルを最大限に活かしたいという狙いがありました。

買収後もアルピナは2025年まで独立した経営体制を維持し、BMWからの完全な統合は2026年からとされています。この猶予期間により、ブランドイメージや商品戦略の移行がスムーズに行える体制が整えられています。これはBMWにとって、既存のアルピナファンやマーケットへの配慮を示す戦略的ステップでもあります。

また、買収に伴いBMWはモデルラインナップの再編を進めています。すでに中価格帯のB5は生産終了となり、B3やB4も段階的にフェードアウトする見込みです。その代わりに、より高価格帯のB7やXB7を中心としたプレミアム戦略に舵を切ることで、BMWとロールス・ロイスの中間に位置づける明確なブランドラインを形成しようとしています。

ポールスター出身のデザイナー起用とブランド再設計

BMWはアルピナの新たなスタートにあたり、デザイン面でも大きな改革を進めています。その象徴が、ポールスターの元チーフデザイナーであるマキシミリアン・ミッソーニの起用です。ポールスターは北欧的なミニマルデザインと先進技術で高評価を得ており、彼の就任はアルピナにも新しい美学と先進性をもたらす布石となっています。

BMWグループ全体では、ドマゴイ・ドゥケツがロールス・ロイス部門へ異動し、それに伴いデザインチームの再編が行われました。その中で、アルピナには専属のデザインディレクターが任命され、従来よりも明確なビジュアルアイデンティティの確立を目指しています。BMW本体と共通のデザイン言語を用いつつも、ディテールや素材選びにおいて差別化を図る方針です。

今後のアルピナは、BMWの中でも5シリーズ以上の上級モデルをベースに展開されると見られており、ボディ形状や内外装デザインにおいても、従来より大胆な変更が施される可能性があります。これにより、単なる「BMWの高性能派生モデル」ではなく、独自の価値を持つ高級車ブランドとしての地位を確立しようとしているのです。

次世代アルピナに見るEV化とエンジンの共存

2026年 新生 BMW アルピナの発売車種とは?:アルピナ XB7とアルピナ B7
2026年、BMW傘下で再定義されるアルピナ。B7のLCI予測と、900馬力級EV化が噂される次期XB7の展望を徹底解説。Mとは異なるラグジュアリー×パフォーマンスの哲学を受け継ぐ、新生アルピナの未来像に迫ります。

次世代のアルピナモデルとして注目されているのが、B7およびXB7の進化形です。報道によれば、これらのモデルは従来のV8エンジン搭載車としての継続に加え、EV仕様も投入される見通しです。BMWが開発を進める次世代プラットフォームを活用し、内燃機関と電動パワートレインを共存させることで、幅広い顧客ニーズに応えようとしています。

一方で、アルピナが参入を目指す高出力EV市場は、加速性能とラグジュアリー性の両立という難題を抱えています。パフォーマンスを追求すれば車体重量や価格が増大し、快適性とのバランスが崩れる恐れがあります。そのため、アルピナは「静かで滑らかな走行感」と「持続可能性」を両立するEV戦略を練る必要があります。

BMWは全体として2030年までのカーボンニュートラルを目指しており、アルピナにもこの流れが波及します。ただし、伝統的なV8ファンや長距離移動の快適性を重視する顧客の期待も大きく、電動化一辺倒では市場を逃す可能性があります。したがって、内燃機関の魅力を残しつつ、電動モデルを段階的に導入する「二正面作戦」が鍵となります。

BMW Mとの違いとロールスロイスとの中間を狙う立ち位置

2026年からBMWはアルピナブランドでどのような車種を販売するのか?
アルピナは長年にわたりBMW公認のチューニングブランド兼自動車メーカーとして、自動車ファンに支持されてきました。1965年に創業されて以来、アルピナはBMW車をベースにした高性能車両の製造に特化し、「...

アルピナはしばしばBMWのMモデルと比較されますが、その性格は明確に異なります。Mがサーキット走行も想定したスポーツモデルであるのに対し、アルピナは「快適な長距離GTカー」という路線を重視しています。乗り心地や静粛性、そして上質なインテリアにこだわることで、異なる購買層にアプローチしています。

今後、アルピナはBMWとロールスロイスの価格帯ギャップを埋める「ミドル・ラグジュアリー」ブランドとして育成される予定です。実際にBMWの元ラグジュアリー部門責任者も、「€200,000〜€300,000(日本円で約3,300万円〜4,950万円)の価格帯に空白がある」と指摘しており、この価格レンジが今後の主戦場になると見られています。

とはいえ、上位のBMWモデルや下位のロールスロイスとの間でブランドが競合する「カニバリズム」の問題は避けられません。そのためには、アルピナ独自のデザイン、走行特性、限定生産による希少性を徹底的に打ち出し、単なる上級BMWではない存在感を築くことが求められます。これが新時代アルピナの存続を左右する鍵となるでしょう。

アルピナの未来──専用モデル誕生の可能性とブランド戦略

アルピナ専用モデル

アルピナはこれまで、BMWの既存モデルをベースに独自のチューニングを施してきたことで知られています。しかし、BMWによる買収と再構築が進む中で、将来的に「アルピナ専用プラットフォーム」を採用した完全オリジナルモデルの登場が期待されています。これは、ラグジュアリーブランドとしての独立性を高めるために有効な戦略となります。

ただし、専用車開発には巨額の開発費と生産体制が必要です。BMWグループ内での効率性やコストバランスを維持するには、一定数以上の販売が見込めることが前提条件となります。そのため、現実的には「既存BMWのプラットフォームを高度にカスタマイズした限定車」がまず登場し、その後、マーケットの反応を見ながら段階的に専用車開発へと移行していく可能性が高いと考えられます。

アルピナブランドの周知

また、グローバル市場においてアルピナブランドを強化するためには、欧州のみならず、北米やアジア地域への展開戦略も重要です。特に日本や中国、アメリカの高級車市場は成長性が高く、生産体制の再構築や限定販売体制の強化によって、ブランド価値の最大化が求められます。

アルピナは日本では一定の知名度がありますが、日本以外では本場の欧州以外ではあまり知名度がありません。それはアルピナのポリシーとしてサービス体制が整っていない地域には販売しない、という考えです。日本ではBMW JAPANが販売とサービスを行っています。よって、日本はアルピナの取引国として欧州に次ぐシェアを持っています。今後BMWと共に新生アルピナの車が販売される際には、日本への期待は非常に高いと思われます。

今後の発表に注目が集まる局面です。

Reference:autocar.co.uk

よくある質問(FAQ)

Q1. アルピナはBMWとは別の会社ですか?

現在はBMWがアルピナを完全子会社化しています。ただし、独自の設計やブランド戦略を持つ高級車ブランドとして、今後はより明確に差別化されていく見込みです。

Q2. アルピナの特徴は何ですか?

快適な乗り心地と静粛性を重視したグランドツーリング性能が最大の特徴です。BMW Mとは異なり、過激な走行よりも上質な移動空間を提供します。

Q3. 電気自動車(EV)のアルピナは登場しますか?

はい、次期B7やXB7にEV仕様が追加される可能性があります。内燃機関との共存を図りながら、段階的に電動化が進むと考えられています。

Q4. アルピナの価格帯はどのくらいですか?

今後は約€200,000〜€300,000(日本円で約3,300万円〜4,950万円)を中心に、高価格帯へとシフトしていく予定です。

Q5. 将来アルピナ専用モデルは登場しますか?

明言はされていませんが、可能性はあります。まずはBMWの上位車種をベースにした限定仕様が登場し、その後に専用プラットフォーム採用モデルが開発されるかもしれません。

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