2025年現在、自動車の「転売」が社会的な注目を集めています。国内ではランドクルーザーやアルファードなど一部の人気車種において、新車価格を超える金額で再販されるケースが後を絶ちません。
一方、海外ではBMW 3.0 CSLのような超限定モデルが新車価格の数倍で取引されるなど、高額転売が別次元で進行しています。
本記事では、それぞれの車両がどのように市場で“儲かる存在”になっているのか、国内外の動向を比較しながら、転売にまつわる実態とリスクを読み解いていきます。
- ランクルは短期転売で安定して儲かる:納期の長さと海外需要で、300万円以上の利益も可能。
- BMW 3.0 CSLは超高額だが売りづらい:1億円超えの転売益が狙えるが、買い手が限られリスクも大。
- 転売にはリスクとコストも忘れずに:誓約書、税金、維持費などで実質利益が下がる可能性あり。
自動車転売が“投資”と見なされる時代に
納期遅延と需要過多が転売価格を押し上げる

近年、半導体不足や物流の停滞により、新車の納期は長期化。これにより「今すぐ欲しい」ユーザーが中古市場に流れ、人気車種では新車価格を上回るプレミア価格が発生しています。ランドクルーザーのような納期が数年単位の車では、転売によって数百万円の利益を得るケースも珍しくありません。
メーカー側の販売戦略とプレミア価格の形成

一部の高級車メーカーでは、意図的に台数を絞る“限定販売戦略”を採用し、希少性によって価値を引き上げています。BMW 3.0 CSLのような世界限定50台のモデルでは、購入時点から再販価格が1億円を超えることを想定した動きが存在し、転売による利益確保を狙う動きが加速しています。
ランクル転売の実態:なぜここまで儲かるのか?
ランクル300系の人気と納期問題
トヨタ・ランドクルーザー300系は、2021年の登場以来、国内外で爆発的な人気を誇っています。特に高い悪路走破性と耐久性が評価され、受注が殺到した結果、納期は一時「4年待ち」とまで報じられました。
この異常な納期が“すぐに欲しい”ユーザーを中古市場に流入させ、新車価格を上回る高額な取引を生み出す温床となっています。
実際の転売事例:新車価格から300万円超の利益
実際に新車で約750万円のランドクルーザー ZXを購入し、登録後すぐに1,100万円前後で販売されるケースも見られます。
購入時に人気カラーやディーラーオプションを適切に選べば、300万〜400万円の利益が見込めることも。数年待つ顧客が多い中、“即納車”としての付加価値がプレミア価格を正当化しています。
輸出ルートと海外での異常な人気
ランドクルーザーは特に中東・アフリカ地域で絶大な信頼を得ており、輸出ルートを通じて販売されることで国内よりもさらに高値で取引されることがあります。
一部の輸出業者は、日本で正規購入した車両を即輸出し、現地で1,300万円以上で再販する事例も存在。このような“国際的な需要”が国内価格にも強く影響を及ぼしています。
BMW 3.0 CSLの希少性と高騰する再販価格
世界限定50台/国内正規販売は極めて限定的
BMW 3.0 CSLは、BMW M社の50周年を記念して製造された超限定モデルで、全世界でわずか50台しか生産されていません。
日本への輸入は極めて限定的で、実際に正規ルートで販売されたのは数台のみとも言われています。その希少性の高さから、3.0 CSLは「伝説級」のコレクターズカーとして扱われ、市場に流通すること自体が極めて珍しい存在です。
初期価格は約1.1億円、中古で1.3億円超に高騰
BMW 3.0 CSLの新車価格はおよそ75万ユーロ、日本円換算で約1億1,800万円とされ、非常に高額な設定で登場しました。それにもかかわらず、現在の中古市場ではさらなる価格上昇が見られ、2025年にはドイツの正規ディーラーが約1億3,400万円(約1,184,000ユーロ)で販売している例も確認されています。希少性とコレクター需要がこの価格を押し上げています。
メーカーによる購入者選定と再販抑止の動き
BMWはこのモデルに対して、一般販売ではなく購入者を厳選する形式を採用したとされています。公式なアナウンスはないものの、信頼関係のある顧客やブランドアンバサダーを中心に割り当てられ、転売を防ぐための「再販禁止契約」や「誓約書」の提示があった可能性も示唆されています。このような販売体制が、再販市場での希少性と価格高騰を一層後押ししています。
転売で実際に儲かるのはどちらか?
利益額比較:ランクルは数百万円、CSLは数千万円
ランドクルーザーは、新車価格750万円前後に対し、中古市場で1,000万円超の価格がつくケースもあり、差額で300万〜400万円の利益が得られる場合があります。
一方、BMW 3.0 CSLは新車価格約1.1億円に対し、再販価格が1.3億円超となっており、利益幅は1,000万円〜2,000万円台に達する可能性も。額面で見れば、CSLのほうが圧倒的な転売益を誇ります。
再販のしやすさと資金回収スピードの違い
利益の大きさだけでなく、売却までのスピードや市場の広さも重要です。ランクルは国内外でニーズが広く、即納車としての価値もあるため、比較的早期に現金化しやすい傾向があります。
一方、CSLは超高額かつコレクター向けのため、買い手が限定され流動性が低い点がネックとなります。短期で売り抜けたいなら、ランクルに分があります。
それぞれの“儲かる条件”とは
ランクルで儲けるためには、人気グレード・カラーの選択や納期が短い枠での購入がカギとなります。輸出ルートへの販売も高値につながります。
CSLの場合はそもそも入手自体が困難で、ブランドとの関係性や特別な購入ルートが必要です。
どちらも条件を満たせば大きな利益が見込めますが、前提となるハードルの高さは大きく異なります。
転売制限・契約・法的リスクを整理する
トヨタ:誓約書提出/保証継承制限の事例
ランドクルーザーなど一部の人気車種では、トヨタが「転売禁止の誓約書」を購入時に求めるケースがあります。また、納車後すぐの名義変更や中古流通が発覚した場合、メーカー保証の継承を拒否されるといった対策も報告されています。
これにより、正規ユーザー以外が保証を受けられないリスクがあり、転売後の価値を下げる要因にもなります。
BMW:再販を前提としない販売方式の可能性
BMW 3.0 CSLのような超限定車両については、メーカーが信頼のある購入者にのみ案内を行う「選定販売方式」を採用した可能性があります。
公式な転売禁止契約があるとは明示されていませんが、一定期間の再販自粛を求めるなど、暗黙のルールが存在していたとも考えられます。こうした制限が中古市場での供給の少なさにつながっています。
維持費・手間・コストの比較
ランクル:維持コストは標準的・売却しやすい
ランドクルーザーは日本国内での転売が多いため、登録から売却までのコストが比較的抑えられます。自動車税や任意保険も標準的な水準で、走行距離が少ないまま転売されるケースが多いため、メンテナンス費用もほとんど発生しません。加えて、国内外に買い手が多いため、現金化のスピードが早いのも大きな強みです。
CSL:保険・保管・輸送の負担が極めて大きい
BMW 3.0 CSLのような超高額車両では、所有するだけで多くのコストが発生します。保険料は高額で、保管には空調付きのガレージなどセキュリティ対策が必須です。また、輸送も専用トレーラーなどが必要になり、売却に至るまでの負担は相当大きなものになります。実際の利益はこれらの維持費次第で大きく変動します。
まとめ:2025年に転売対象になる車種とは
短期回収型ならランクル、高額投資型ならCSL
短期での転売利益を狙うなら、やはりランクルの優位性が際立ちます。即納車としての価値が高く、転売価格の上昇幅も安定しています。
一方で、BMW 3.0 CSLのような車両は、高額投資に見合うだけの利益を得られる反面、資金の回収には時間がかかり、リスクも伴います。戦略によって狙うべき車種は大きく異なるのです。
次に転売対象になる車とは?

次にBMWで転売対象になる人気の限定車はM8をベースにしたSkytop(スカイトップ)です。
Skytop(スカイトップ)も3.0 CSL同様に限られた顧客にのみ購入が許され、世界限定50台ということもあり、発売を公式に発表した際には既に完売という状態でした。
これだけの希少性の高さは3.0 CSLと同等か、それ以上であると言われていることから、次の転売対象になる車はBMWの場合はSkytop(スカイトップ)になると予想されます。
・結論:転売は儲かるのか?
日本車では一番儲かる車がランクルだと言われています。そのランクルでも転売儲かる金額は200万円から300万円程度でしょう。
購入時に1,000万円近い投資を行い、200万円から300万円の利益が出るのであれば、高利回りの投資ということも言えます。
しかし、シビックタイプRのように転売目的の人が多くシビックタイプRを購入し、納車後に一気に売却した結果、相場がガタ落ちした例もあります。そのリスクを考えるとハイリスク・ハイリターンな投資と言えます。
BMW 3.0 CSLの転売はランクルとは次元が違います。損しても全くお金に困らない裕福層の話ですから、儲かっても、損してもあまり関係ないでしょう。それよりも希少性の高い車を所有するという満足感が得られれば良いのです。よって、転売禁止と言われても「飽きれば」売りに出るということではないでしょうか?
Reference:carbuzz.com
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