2025年3月5日、新型BMW 2シリーズ グランクーペ(F74)が日本で発売された。
2シリーズ グランクーペは、BMWのコンパクト4ドアクーペとして2019年に誕生し、今回のモデルは第2世代に進化した。
一方、BMW 3シリーズ(E46)は1998年に登場し、現在でも多くのファンを持つ名車だ。
今回の新型2シリーズ グランクーペとE46 3シリーズを比較し、価格やボディサイズ、性能の違い、そしてコストパフォーマンスについて検証する。
- 新型BMW 2シリーズ グランクーペ(F74)発売!進化したボディと性能:F74はサイズ拡大、燃費向上、最新運転支援を搭載し、快適性と実用性が向上。
- E46 3シリーズとの比較!FR×直6エンジンの魅力:E46はFR駆動と直列6気筒エンジンで、シンプルながら走る楽しさが際立つ。
- コスパ比較!F74は最新装備、E46は官能的な走り:F74は燃費と先進装備、E46は純粋なドライビングプレジャーが特徴。価格相応の価値がある。
新型BMW 2シリーズ グランクーペ F74とは?

2025年3月5日、BMWは新型「2シリーズ グランクーペ(F74)」を発表した。
2019年登場の初代モデルを進化させた第2世代で、デザインや技術が刷新されている。
新型はBMWのFFプラットフォーム「FAAR」を採用し、前輪駆動ベースの設計により室内空間と利便性を向上。
スポーティなクーペスタイルを維持しつつ、立体的なキドニーグリルやツインサーキュラーLEDヘッドライトを備え、最新のBMWデザインを反映している。
パワートレインは3種類。
- 220グランクーペMスポーツ:1.5L直列3気筒ターボ+48Vマイルドハイブリッド
- 220dグランクーペMスポーツ:2.0L直列4気筒ディーゼルターボ
- M235i xDriveグランクーペ:2.0L直列4気筒ターボで300PS
を発揮する。
ボディサイズは全長4550mm×全幅1800mm×全高1435mm。
先代より10mm長くなり、ホイールベースは2670mmで据え置き。
日本市場にも適したサイズ感で、都市部でも扱いやすいのが特徴だ。
E46 3シリーズとは?

BMW E46型3シリーズは、1998年に登場した第4世代の3シリーズであり、スポーティな走行性能と高い実用性を兼ね備えたモデルとして知られる。
FR(後輪駆動)プラットフォームを採用し、BMWらしいダイレクトなハンドリングと安定感のある走行性能を実現した。
エンジンは直列4気筒と6気筒がラインナップされたが、特に評価が高いのは滑らかで力強い直列6気筒(NA)エンジンである。
加速性能だけでなく、官能的なサウンドも魅力とされ、多くのエンスージアストに愛されている。
ボディバリエーションは
- セダン
- クーペ
- カブリオレ
- ツーリング
- コンパクト(ti)
と多彩で、特にセダンとクーペはシンプルかつ洗練されたデザインが人気を集めた。
ボディサイズは全長4471mm×全幅1739mm×全高1415mm、ホイールベース2725mm。
コンパクトながら安定したプロポーションを持ち、FRレイアウトならではの軽快なハンドリングを実現している。
現在でもその完成度の高さから多くの愛好家に支持され、クラシックBMWの代表的なモデルとして評価されている。
なぜ、2シリーズ グランクーペ F74とE46 3シリーズを比較するのか?
新型BMW 2シリーズ グランクーペ(F74)は、現代のプレミアム・コンパクトセグメントに属するが、そのボディサイズや価格帯は、かつての3シリーズ(E46)と近しいものがある。
E46型3シリーズは、1998年に登場し、全長4471mm×全幅1739mm×全高1415mm、ホイールベース2725mmと、F74と比較すると若干小柄だが、当時のBMWの主力ミドルサイズセダンであった。
一方、新型2シリーズ グランクーペは、全長4550mm×全幅1800mm×全高1435mm、ホイールベース2670mmと、全体的にE46に近いサイズ感となっている。
さらに、E46が新車販売されていた当時の価格帯と、現在のF74の価格帯が比較的近いことも、この2台を比較する理由の一つだ。
E46の320i(2.2L 直6モデル)は当時約420万円、330i(3.0L 直6モデル)は約550万円だった。
一方、新型2シリーズ グランクーペは、220iが528万円、220dが548万円、M235i xDriveが734万円となっている。
つまり、かつて3シリーズが担っていた価格帯を、現在の2シリーズ グランクーペがカバーしていることがわかる。
これらの点から、新型2シリーズ グランクーペは、「かつての3シリーズのポジションを引き継いでいるのではないか?」という視点で比較する価値があると考えられる。
ボディサイズとデザインの比較
ボディサイズの違い
新型BMW 2シリーズ グランクーペ(F74)とE46 3シリーズを比較すると、F74は全長・全幅が拡大され、一方でホイールベースはE46の方が長い。
モデル | 全長 (mm) | 全幅 (mm) | 全高 (mm) | ホイールベース (mm) |
---|---|---|---|---|
2シリーズ グランクーペ (F74) | 4550 | 1800 | 1435 | 2670 |
3シリーズ (E46) | 4471 | 1739 | 1415 | 2725 |
F74はE46より79mm長く、61mm幅広いが、ホイールベースは55mm短い。
全高も20mm高くなり、現代の安全基準や快適性に適応した設計となっている。
一方、E46の長いホイールベースは、安定した走行性能を支えていた。
デザインの違い
- F74の特徴:クーペライクな4ドアデザインで、BMWの最新デザインを採用。立体的なキドニーグリルやツインサーキュラーLEDヘッドライトが強調され、空力性能も向上している。
- E46の特徴:伝統的な3シリーズのセダンスタイルを持ち、シンプルかつ洗練されたデザインが魅力。シャープなボディラインとコンパクトなサイズ感が、今もなおファンを惹きつけている。
2シリーズ グランクーペ F74はモダンでダイナミックな印象を強調し、E46 3シリーズはクラシックなBMWの美しさを保つ。
どちらが好みかは、時代の変化とドライバーの価値観に左右されるだろう。
パワートレインと走行性能の比較
エンジンスペック比較
モデル | エンジン | 最高出力 (PS) | 最大トルク (N・m) | 駆動方式 | WLTC燃費 (km/L) |
---|---|---|---|---|---|
220 グランクーペ | 1.5L 直3ターボ+MHEV | 170 | 280 | FWD | 17.5 |
220d グランクーペ | 2.0L 直4ディーゼル+MHEV | 163 | 400 | FWD | 21.1 |
M235i xDrive | 2.0L 直4ターボ | 300 | 400 | 4WD | 12.6 |
320i (E46) | 2.2L 直6 NA | 170 | 210 | FR | 約10 |
330i (E46) | 3.0L 直6 NA | 231 | 300 | FR | 約9 |
F74の特徴:燃費性能と効率重視の設計
新型2シリーズ グランクーペ(F74)は、燃費と実用性を重視したダウンサイジングターボ+48Vマイルドハイブリッド(MHEV) を採用。
220iは1.5L直列3気筒ターボ、220dは2.0L直列4気筒ディーゼルターボを搭載し、高い燃費性能(最大21.1km/L)を実現している。
M235i xDriveは2.0L直4ターボで300PSを発揮。
4WD(xDrive)を採用し、トラクション性能を向上させた。環境性能とパワーを両立した現代的な設計が特徴だ。
E46の特徴:官能的な直列6気筒とFR駆動
E46 3シリーズの最大の魅力は自然吸気(NA)の直列6気筒エンジンとFR(後輪駆動)。
特に330iの3.0L直6(231PS)は、滑らかで力強い加速と、官能的なエンジンサウンドが魅力だ。
FRレイアウトによる50:50の重量配分、ロングホイールベース設計により、E46は安定感のあるコーナリング性能を持つ。
ドライバーとの一体感を重視した設計が特徴である。
F74は燃費や快適性を向上させた現代的なモデル。
一方、E46はFRならではの自然なハンドリングと直列6気筒のフィーリングを重視したドライバーズカーだ。
どちらを選ぶかは、効率と利便性を重視するか、走る楽しさを求めるかによるだろう。
価格とコストパフォーマンス比較
新車価格比較
モデル | 新車価格 (万円) |
---|---|
220 グランクーペ Mスポーツ | 528 |
220d グランクーペ Mスポーツ | 548 |
M235i xDrive グランクーペ | 734 |
320i (E46, 2001年当時) | 約420 |
330i (E46, 2001年当時) | 約550 |
価格の変化と装備の違い
E46の320i(約420万円)や330i(約550万円)と比較すると、新型2シリーズ グランクーペ(F74)は価格が上昇している。
特にM235i xDriveの734万円は、E46時代の3シリーズよりも高額だ。
ただし、その価格差は装備の進化によるものが大きい。
F74には、アクティブクルーズコントロール、レーンチェンジウォーニング、衝突回避ブレーキ、ハンズオフ機能付き渋滞支援などの先進運転支援システムが標準装備。
また、「Amazon Alexa」やワイヤレス充電、デジタルコックピットといった最新のテクノロジーも搭載されている。
E46の装備はシンプルで、電子制御システムは限られていたが、ドライバーとの一体感や、機械的なダイレクトな操作感が魅力とされた。
E46の中古市場価値とメンテナンスコスト
E46は現在でも中古市場で人気が高く、状態の良い個体は高値で取引されている。
しかし、20年以上が経過しているため、維持コストやメンテナンスが必要になる点は考慮すべきポイントだ。
特に直列6気筒エンジン搭載モデルは修理費用が高くなることがある。
一方、F74は最新モデルであり、長期保証やメンテナンスプログラムの対象となるため、当面の維持費は抑えられる可能性が高い。
まとめ:F74とE46のコストパフォーマンス比較
新型BMW 2シリーズ グランクーペ(F74)とE46 3シリーズの新車価格を比較すると、F74は528万円〜734万円、E46は当時約420万円〜550万円と、F74のほうが高額になっている。
しかし、その分、装備や技術の進化が見られる。
F74は燃費性能の向上や最新の運転支援システム、デジタル機能が充実し、快適性と利便性を高めた。
一方、E46は直列6気筒エンジンとFR駆動によるダイレクトな走行性能が魅力で、シンプルな機械的な良さを持っていた。
コストパフォーマンスの観点では、F74は先進装備と燃費の良さを求める人にとって高い価値を持ち、E46は運転の楽しさとBMWらしさを求める人にとって優れた選択肢だった。
どちらも価格相応の魅力を備えており、新車同士で比較しても、それぞれの時代のBMWの特徴が反映されているといえる。
Reference:webcg.net
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