BMW 3シリーズは、長年にわたりスポーツセダンの代表として進化を続けてきました。
現行のG20型は、2018年に登場し、ドライビングパフォーマンスと快適性のバランスで高い評価を得ています。
その中でLCI(Life Cycle Impulse)と呼ばれるマイナーチェンジ版が2022年に導入され、さらに2024年にはLCI2と呼ばれるさらなる改良版が登場しました。
LCIとは、マイナーチェンジを指し、主にデザイン、装備、走行性能が改良されます。
これに対して、LCI2はさらなる成熟を遂げたモデルとされています。
特にエンジン音、乗り心地、ステアリングフィールなどに明確な違いがあり、購入を検討する上でこれらのポイントは重要です。
本記事では、LCIモデルとLCI2モデルの違いを徹底解説し、それぞれの特徴や魅力、選ぶべきポイントを探っていきます。
- デザインと装備の進化:LCI2はホイールデザインや大型スクリーン、フラットボトムステアリングなど、外観と内装がより洗練
- 走行性能と乗り心地の違い:LCI2は静粛性と乗り心地が向上し、Mアダプティブサスペンションで快適性とスポーツ性を両立
- 購入のポイント:LCI2は7.4万円高い価格に見合う価値があり、日常の快適性を重視する方におすすめ、一方、LCIはスポーティさ重視の方に最適
外観と内装:進化するデザインと装備
エクステリアの違い
LCIモデルとLCI2モデルのエクステリアデザインでは、いくつかの目立つ違いがあります。
まず、LCI2では新デザインのオールブラックホイールが採用されていますが、LCIモデルのホイールデザインの方が洗練されていると感じる方も多いでしょう。
また、フロントのエアコンベントは新型X5や5シリーズと共通する改良が施され、よりモダンな印象を与えています。
一方で、LCI2ではフラットボトムステアリングホイールが導入され、握り心地とスポーティ感が向上しました。
こうしたデザイン変更により、LCI2は視覚的にもドライバーの期待感を高める仕様になっています。
内装の進化
インテリアでは、最大の変更点として大型一体型スクリーンが挙げられます。
このスクリーンには、インフォテインメントシステムとデジタルメータークラスターが統合されており、高解像度で情報を表示します。
ただし、従来のアナログメーターや物理ボタンの使い勝手を好む方にとっては、少々使いづらいと感じるかもしれません。
また、LCI2ではシート素材がアルカンターラ混合からフルレザーに変更されました。
これにより、座り心地の快適さが向上している一方で、夏場には熱がこもりやすいという指摘もあります。
さらに、エンジン始動ボタン付近にオートスタートストップ機能を簡単にオフにできるボタンが追加され、操作性が向上しました。
走行性能の違い:エンジン、サスペンション、ステアリング
エンジンと音質の違い
LCI2では、エンジン音が静かになったことが特徴です。
特に冷間時の始動音は、LCIモデルのような力強いサウンドが抑えられています。
この変更は、高級感を重視した改良と考えられますが、スポーティな音を求める一部のドライバーには物足りなさを感じさせるかもしれません。
ただし、LCI2では「アイコニックサウンド」機能を使ってスピーカーからエンジンサウンドを補強することができ、スポーティな雰囲気を楽しむことも可能です。
サスペンションと乗り心地
最大の技術革新は、LCI2に「Mアダプティブサスペンション」が搭載された点です。
このシステムは路面状況や走行モードに応じてダンピングを調整し、乗り心地とハンドリング性能を両立します。
LCIモデルでは、硬めのサスペンションが凹凸をダイレクトに伝える場面もありましたが、LCI2ではより快適で安定感のある乗り心地が実現されています。
ステアリングフィールの違い
ステアリングの軽さと正確性もLCI2で改善されているポイントです。
LCIモデルでは、スポーツモード時のステアリングがやや人工的で重い印象がありましたが、LCI2では軽快で自然な操作感を実現しています。
この改良は、特に街乗りでの取り回しや高速道路での安定性に大きな影響を与えています。
快適性と実用性:日常の使い勝手と乗り心地
静粛性と室内環境
LCI2は、静粛性の向上により「高級セダン」としての地位をさらに強固にしています。
エンジン音だけでなく、路面からの騒音も効果的に抑えられており、長時間のドライブでも疲れにくい仕様になっています。
一方、物理ボタンの廃止は賛否が分かれるポイントです。
エアコンやオーディオの調整を行う際にタッチ操作が必要になるため、運転中の操作性が低下するという指摘があります。
ただし、タッチ操作に慣れれば直感的に使いやすいとの声もあり、評価は個人の好みに依存します。
リアシートの快適性
リアシートの足元空間は、運転席を6フィート(約183cm)以上のドライバーに合わせた場合には若干狭いと感じるかもしれません。
ただし、座面の形状や素材の改良により、長距離でも快適な座り心地を提供しています。
コストパフォーマンス:7.4万円の差は正当か?
LCI2は、LCIモデルと比較して約7.4万円高い価格設定となっています。
この価格差を正当化する要素として、Mアダプティブサスペンションやフルレザーシート、大型スクリーンの導入が挙げられます。
また、ステアリングや乗り心地の改善は日常使用においても大きな価値を持つと言えるでしょう。
一方で、エンジン音の静粛化や物理ボタン廃止など、従来のBMWらしい「スポーティさ」を求めるユーザーにとっては魅力が減少したと感じる部分もあります。
購入を検討する際には、スポーティな走行感を重視するか、快適性を重視するかで判断するのが良いでしょう。
結論:LCIとLCI2、どちらを選ぶべきか?
BMW 3シリーズ G20のLCIとLCI2は、それぞれ異なる魅力を持つモデルです。
LCIモデルは、よりスポーティで刺激的なドライビングフィールを求める方に適しています。
一方で、LCI2は快適性や高級感、最新技術を重視するユーザーに最適です。
価格差を考慮しても、Mアダプティブサスペンションや静粛性の向上など、LCI2が提供する価値は十分に魅力的と言えます。
特に日常使用や長距離ドライブを重視する方には、LCI2が最良の選択肢となるでしょう。
ただし、スポーツ性をより重視したい場合は、LCIモデルも検討する価値があります。
Reference:team-bhp.com