BMWから大型のキドニーグリルが消えるかもしれない理由とは?BMWの「キドニーグリル」は、1930年代から採用されているブランドの象徴的なデザイン要素です。この特徴的な2つの楕円形のグリルは、BMW車を一目で認識できるデザインとして長年愛されてきました。しかし、最近のモデルでは、このグリルが急激に巨大化し、一部のファンや評論家からは「過剰だ」という批判の声も上がっています。デザインの進化を歓迎する一方で、巨大なグリルの是非が熱い議論を呼んでいます。

この記事のポイント

1. 大型キドニーグリルの縮小
BMWは新しいデザインチームの下で、大型キドニーグリルを縮小する方向に進む可能性が高い

2. 「Neue Klasse」(ノイエ・クラッセ)での未来志向
電動化時代に向け「Neue Klasse」プラットフォームが、シンプルで洗練されたデザインを追求

3. ブランド価値の再評価
BMWは市場でのブランド価値を再構築し、未来的な自動車を提供することを目指す

キドニーグリルの歴史と進化

BMWが初めて「キドニーグリル」を採用したのは、1933年に発売された「BMW 303」でした。

この車で採用された2つに分かれた縦長のグリルは、当時のエレガントなデザインの象徴となり、以降のモデルにも継承されていきます。

1940年代から1950年代にかけては、戦後の復興とともにデザインがより力強く洗練され、グリルの形状もそれに合わせて変化しました。

1970年代には「BMW 3シリーズ」が登場し、コンパクトながらスポーティなイメージを持つデザインに合わせ、キドニーグリルも小型化されました。

2000年代以降は、車両のサイズが大きくなるにつれ、グリルも徐々に拡大。特に近年のモデルでは、X7や7シリーズに代表されるように、グリルが車全体のデザインに大きな影響を与えるまでに成長しました。

時代ごとのトレンドや市場ニーズに応じて、キドニーグリルも進化を遂げてきたのです。

大型キドニーグリルの登場とその影響

BMW 4シリーズ クーペ G22&4シリーズ グランクーペ G26のキドニーグリルは本当に大型化されるのか?

近年のBMWモデルでは、X7や7シリーズ、M3、XMなどで巨大なキドニーグリルが採用され、そのインパクトは非常に大きいものとなりました。

特に、2018年に登場したX7は、フロントフェイス全体を占めるような大きなグリルを特徴としており、高級感と力強さを強調しています。

7シリーズやXMも同様に、大型グリルを採用し、BMWのデザインが新たな段階に入ったことを示しています。

しかし、この巨大グリルは市場において賛否両論を巻き起こしました。

一部のファンは、グリルがあまりにも大きすぎると感じ、従来のBMWらしさが失われたと批判。

一方で、特に中国やアメリカ市場では、大きなフロントグリルが高級感を象徴する要素として受け入れられ、販売面でも好影響を与えています。

こうしたデザインの大胆な進化は、一部の伝統的なBMWファンからの反発を招く一方で、グローバル市場におけるプレゼンスを強化するという狙いがあったことは明白です。

BMWデザインチームが刷新される

BMWのデザインチームは最近、大きな変革を迎えました。

これまでBMWのデザインを主導していたドマゴイ・デュケックは、ロールス・ロイスのデザイン責任者に異動し、BMWの新体制ではマキシミリアン・ミッソーニとオリバー・ハイルマーがそれぞれの分野でリーダーを務めます。

ミッソーニは、ボルボやポールスターでのデザイン経験を持ち、シンプルで洗練されたデザインを得意としています。

彼はBMWの中型・高級車(5シリーズ以上)を担当し、未来的で洗練されたデザインを持ち込むことが期待されています。

一方、ハイルマーは2017年からミニのデザイン責任者を務めており、BMWのエントリーレベル車種(2シリーズ、3シリーズ、X1、X2)のデザインを引き継ぎます。

彼のデザインは遊び心と機能性を融合させるのが特徴です。

この新体制の下、BMWはより洗練されたデザインを追求し、特に大型グリルの縮小やバランスの取れたデザインへの移行が期待されます。

これにより、BMWは新しい時代のデザインへと進化を遂げるでしょう。

大型グリル縮小の可能性と理由

新しいBMWデザインチームの下で、巨大なキドニーグリルが縮小される可能性が高まっています。

ミッソーニやハイルマーのデザイン哲学は、シンプルさと調和を重視しており、特にミッソーニはボルボやポールスターでの経験から、過度な装飾を排したモダンで洗練されたデザインに定評があります。

これがBMWの今後のデザインに反映されると予想されます。

特に、大型キドニーグリルは一部の市場で好評を得たものの、他の地域やファンからは「過剰である」という批判が寄せられてきました。

X7や7シリーズ、M3、XMなどのモデルでの巨大グリルに対する不満の声は、BMWが「伝統的な美しさ」を失ったとの懸念を示しています。

BMWはこうした消費者のフィードバックを無視できず、新しいデザインチームの下で、よりバランスの取れたグリルサイズに戻ることを目指しています。

グリルの縮小は、ブランドの美学を取り戻し、より幅広い市場での支持を獲得するための戦略的な動きといえるでしょう。

「Neue Klasse」(ノイエ・クラッセ)と新時代のBMWデザインの未来

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BMWが提案する「Neue Klasse」(ノイエ・クラッセ)プラットフォームは、電動化とデジタル技術を重視した次世代車両の基盤であり、デザイン面でも重要な変革をもたらします。

新しいデザインチームの下、シンプルで洗練された美しさが強調され、大型キドニーグリルの縮小もこの流れの一部となるでしょう。

巨大グリルに対する批判や市場の変化を受け、BMWはより調和の取れたデザインを採用し、未来的かつ持続可能な自動車を提供することを目指しています。

このデザイン変化は、ブランドの価値を再評価させ、電動車時代の新しいBMW像を確立することで、世界市場におけるさらなる成功が期待されます。

Reference:thedrive.com