BMW 540i xDrive G60は、最新の5シリーズとしてパワフルでラグジュアリーな性能を誇りますが、日本市場では未発売となっています。もう日本では6気筒の5シリーズは購入できないのでしょうか?
【この記事のポイント】
1. 価格の高さ
BMWに限らず輸入車全般の価格の値上がり2. 大型化による不便
ボディの大型化により、日本の狭い道路や駐車場では取り回しが難しい3. 4気筒モデルの需要
5シリーズにも4気筒エンジン車が設定されたことで6気筒エンジンが値上がり
BMW 540i xDrive G60の概要
BMW 540i xDrive G60は、BMWの最新5シリーズに属する中型セダンであり、高級感とパフォーマンスを兼ね備えたモデルです。
特に注目されるのは、3.0リッター直列6気筒ターボエンジンが搭載されており、375馬力を発揮します。
0-100km/h加速は約4秒で、スポーティな走行性能を実現しつつ、燃費性能も優れています。
8速オートマチックトランスミッションと全輪駆動(xDrive)を組み合わせ、スムーズで快適なドライビングが可能です。
また、インテリアには高級感溢れる素材が使用され、最新のデジタルインフォテインメントシステムや安全機能が充実しており、ラグジュアリーセダンとしてのステータスを強調しています。
BMW 540i xDrive G60のメリットとデメリット
メリット
1.パワフルなエンジン
BMW 540i xDrive G60には、3.0リッター直列6気筒ターボエンジンが搭載されており、375馬力を発揮します。
このエンジンは、滑らかで静かな走りを実現し、必要なときには力強い加速力を発揮します。
0-100km/h加速が約4秒で可能なため、スポーティな走行性能も持ち合わせています。
また、このエンジンは、大型なV12エンジンに匹敵するほどの滑らかさを提供し、ラグジュアリーセダンとしての品格を感じさせます。
2.高い燃費性能
540iの燃費性能は非常に優れており、特に高速道路でその強みを発揮します。
75mph(約120km/h)でのテストでは、リッターあたり約15.7km(37mpg)という燃費を達成しており、これは同クラスの他の車種と比べても優秀です。
長距離ドライブでも経済的であり、1回の給油で約933km(580マイル)走行できるため、ロングドライブにも適した車です。
3.豪華なインテリア
540iの内装は、高級素材がふんだんに使われ、フロントシートやリアシートの快適さも特徴です。
特にフロントシートは長時間座っても疲れにくく、長距離ドライブでも快適な座り心地を提供します。
広々とした室内空間と質感の高い仕上げにより、乗るたびにラグジュアリーな雰囲気を味わえます。
また、最新のインフォテインメントシステムも搭載されており、ドライバーの利便性を向上させています。
デメリット
1.ハンドリングの軽さ
540iは、スポーティさよりも快適さを重視した設計がされているため、ハンドリングにはやや軽さを感じることがあります。
ステアリングのフィードバックが少なく、ダイナミックなドライビングを好む人にとっては物足りなさを感じるかもしれません。
コーナリングの際も、車の反応がやや鈍く感じることがあり、スポーティな感覚を期待する人には不満が残る部分です。
2.デジタルメーターの視認性
540iには、デジタルメーターと高度なインフォテインメントシステムが搭載されていますが、その操作性や視認性に難があります。
メーターの表示オプションが複雑で、操作に慣れるまで時間がかかることがあります。
特に、運転中に直感的に情報を確認するのが難しく、スムーズな操作性を重視するドライバーにはストレスを感じる場面があるでしょう。
BMW 540i xDrive G60は、多くの魅力を持つ一方で、一部のユーザーには不満を感じさせる部分もありますが、その全体的なパフォーマンスとラグジュアリー性は依然として高く評価されています。
BMW 540i xDrive G60が日本では販売されない理由
BMW 540i xDrive G60は、高い性能と豪華な内装を誇るモデルですが、日本市場では販売されていません。
その理由は、価格の上昇やボディの大型化、さらに日本市場特有のエンジン選好傾向にあります。
価格の上昇
BMW 540i xDrive G60の価格は、日本市場では非常に高価格帯に位置します。
ベース価格は65,895ドル(約970万円)から始まり、オプションを追加すると83,595ドル(約1230万円)にも達します。
日本では、この価格帯のセダンに対する需要が年々減少しており、高級車であっても価格に対して非常に敏感な消費者が多いです。
特に、SUVやコンパクトな高級車が人気を集めている中、セダンは敬遠されがちな傾向があります。
また、6気筒エンジンを搭載した540iは、燃費性能や維持コストにおいても高価格に見合うほどの優位性が感じられないと多くの消費者が考えています。
特に4気筒モデルと比較すると、6気筒は維持費が高く、燃費も劣るため、日常的なコストが重くなりがちです。
このため、コストを重視する日本の消費者にとって、540iの購入は難しい選択となる場合が多いです。
ボディの大型化
新型BMW 540i xDrive G60は、全長199.2インチ(約5.06メートル)と、前世代よりもさらに大きくなっています。
このサイズは、日本の狭い道路や駐車場において扱いにくく、特に都市部では駐車スペースの確保が困難になることがしばしばです。
日本では、全長が5メートルを超える車は大型車として認識され、多くの消費者がその取り回しの悪さを懸念しています。
BMW 540iは、広々とした室内空間や快適性を重視して設計されていますが、この大型化が逆に日本市場ではデメリットとして捉えられることが多いです。
特に日本では、コンパクトで経済的な車が好まれる傾向にあるため、大きなボディサイズは一般的な需要と合致しません。
また、狭い駐車場や住宅街での使用を考えると、540iの取り回しは難しく、日本の消費者にとっては敬遠される要因となっています。
先代G30型5シリーズの売れ筋が4気筒だった
日本市場では、先代のG30型5シリーズにおいて、4気筒エンジンモデルが最も人気を集めていました。
6気筒モデルである540iなどは、パフォーマンスに優れる一方で、燃費や維持コストが高いため、日本の消費者にはあまり選ばれていませんでした。
日本では、自動車税や燃費が車選びの大きな要因となるため、4気筒エンジンが主流となっているのです。
540iのような6気筒エンジンは、走行性能が高いものの、日常の通勤や都市部での運転には過剰なパワーとされ、4気筒エンジンがコストパフォーマンスの点で優位に立っています。
特に日本では、燃費の良さが重視されるため、維持費や燃費面で不利な6気筒モデルは選ばれにくい傾向があります。
こうした背景から、BMWとしても540iのような6気筒モデルを日本市場に導入することには慎重になっていると考えられます。
輸入車全般に価格が上昇
BMW 540i xDrive G60は、豪華な装備や高性能なエンジンによって多くの魅力を提供しますが、日本市場では販売されていません。
その理由として、高価格帯に位置すること、大型化による日本の道路事情への不適合、さらに日本では4気筒モデルが主流である点が挙げられます。
G30型540iは車両価格が約1,000万円で購入することができましたが、現在ではG60型の523iや523dで1,000万円近い価格になっています。
円安などの影響もあり輸入車全般に価格が値上がりしていますので、私のようなBMW好き、6気筒好きでも購入できるBMWは限られるようになってきました。
ガソリン代なども含めて輸入品の価格が安くなるような為替になるまでは、この傾向は続くと思われます。
Reference:caranddriver.com