今やスマホのゲームで有料のアイテムを購入したりSpotifyに毎月定額支払うことが一般化しましたが、車の装備も課金アイテムになる可能性があります。
テスラは既にサブスク化(課金制)の車を販売している
テスラはEV(電気自動車)メーカーとして最も早く成功した自動車メーカーだと思いますが、車の特殊性と同様に販売方法も特殊になっています。
テスラという車は全ての車種において1つの種類の車しか販売せずに、購入者が任意で装備、機能を追加して購入するという方法になっています。
通常の車であれば例えばシートヒーターがオプション設定になっていれば、発注時にシートヒーター分の代金を上乗せして発注し、シートヒーターが付いた車が納車されます。
しかしテスラの場合はオプション設定されている機能は生産された全ての車に装備されており、その装備されている機能を使用したいと思った場合にオプション代金を支払うシステムです。
なので仮にシートヒーターの機能がOFFになっているテスラの車を購入した後に、やっぱりシートヒーターが必要と感じればシートヒーター代を払うことでシートヒーターの機能をONにさせることが出来ます。
毎月シートヒーターを使い続ける場合はクレジットカードから毎月シートヒーター代が引き落とされる限りシートヒーターの機能はONのまま使用することが可能です。
それが中古車を購入して名義が変更された時点でリセットされることになり、中古車のテスラを購入したオーナーがシートヒーターを使いたいと思った場合は改めてシートヒーターに課金する必要があるのでテスラの中古車を購入する際には注意が必要だということになっています。
BMWは一度サブスク化(課金制)で失敗している
BMWは過去にApple Carplayを使用する際にはその権利を購入するサブスク化(課金制)を導入したことがあります。
しかし他社の自動車メーカーがApple Carplayを無償で使用できるようになっている中でBMWだけがそれをサブスク化(課金制)にしたことでの不公平感が大きくなりかなり短期間の間にApple Carplayが無料の標準装備になった経緯があります。
この場合は他社が無料でBMWだけが有料だったことが原因でサブスク化(課金制)は失敗に終わりましたが、BMWでは現在もいくつかの機能ではサブスク化のモデルを実施中です。
例えば車種は限られますが車に装備されている前後のカメラをドライブレコーダーとして使用する機能などは、ドライブレコーダーを後付けすることを考えるとコスト的には安く配線などが車内に見えたりすることもなくなるので、一部の機能に関しては既にBMWもサブスク化(課金制)をテストしている段階であるということが言えます。
今後車の装備に関するサブスク化(課金制)は広がるのか?
先程の安全支援のために既に搭載されている前後カメラを使用したドライブレコーダー化のサブスクなどは認知が広がれば活用する人は増えると思います。
しかしこれだけドライブレコーダーの需要が高いことを考えると標準装備でドライブレコーダーが装備された車が発売されるのも時間の問題です。
先程例をあげたシートヒーターなどは欧州などの寒い地域では必須の装備だと思いますが、東南アジアなどの温かい地域では必須装備ではありません。
しかし生産効率を考えると全ての地域の車にシートヒーターの機能が装備されている方が生産効率が高いとも考えることが出来るので、温かい地域ではシートヒーターはサブスク化するという案もあるのかもしれません。
今後自動車はEV化することで今まで以上にメカニカルな商品からソフトウエア的な商品に変化していくと思われます。
なので今後の自動車ではメーカーにオプションやディーラーオプションなどというものがなくなり、車を購入してから必要な装備にサブスクする(課金する)という流れになることは十分に可能性があります。
あれだけEVに関して批判的な世の中が今ではEVを積極的に受け入れようとする人が増えているのが、その一番の証拠かと思います。
【引用・参照元】
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-08-04/bmw-bets-the-fuss-over-its-heated-seat-subscriptions-will-pass