最近のBMWの中で数少ない販売不振モデルが3シリーズGTですが、唯一ヒットした国では現在困っています。
BMW 3シリーズGTとは?
日本だけではなく欧州でも販売不振モデルであった3シリーズGT。
なぜグランクーペが設定されている3シリーズ(4シリーズ)に5ドアハッチバックの車を設定したのか?
海外の一部の地域では3シリーズの後部座席の狭さに不満を持っている地域があったため、その解決策として投入されたのが3シリーズGTだったと言われています。
表面上はどうしてもハッチバック形式のボディスタイルが注目されていましたが、その本質はセダンよりも100mm以上拡張された後部座席のサイズでした。
3シリーズのボデイに5シリーズ並みの後部座席空間を確保したショーファードリブン的な意味付けがされたモデルでしたが、多くの市場ではそのコンセプトは受け入れられませんでした。
そして、3シリーズがG20型へモデルチェンジしたタイミングで廃盤となった悲しいモデルでした。
インドでは3シリーズGTが好調に販売されていた
そんな悲運な3シリーズGTでしたが、実は唯一販売が好調な国がインドでした。
大きくないボデイサイズや手頃な価格で後席の居住性が高いモデルだったことが、インドでの3シリーズGTがヒットした理由なのかは不明ですが、そのインドでは3シリーズGTの廃盤に伴って問題が発生しているとのこと。
3シリーズGTを購入した顧客が他社モデル(メルセデスSクラス、アウディA8など)へ流失している。
個人邸にはボデイサイズが大きくなるそれらのモデルに顧客が流失する理由が今ひとつ納得できない部分ではありますが。
ともかく、世界で唯一と言っても過言ではない3シリーズGTがヒットしたインドのBMWディーラーは、3シリーズGTの後継車種を熱望していることから、新しいモデルの投入を検討している模様です。
中国専用モデルBMW3シリーズセダンロングをインドに投入か?
インドでの3シリーズGTの後継車種として浮上しているのが中国専用に開発販売されている3シリーズセダンロングです。
これは1シリーズセダンロングと共に中国専用に開発販売されているモデルになります。
中国ではセダンがSUVと並んで人気の車種であり、かつ後席の居住空間が大きなモデルが人気とのこと。
よってアメリカと並んで世界の自動車市場をリードする中国には専用の車種が設定されています。(もちろん生産も中国オンリー)
その3シリーズセダンロングを3シリーズGTの後継車種としてインドに投入することが検討されています。
おそらくは中国専用車種の3シリーズセダンロングが海外に輸出される初めての事例になると思いますので、需要が他の地域でもある場合はインド以外にも輸出される可能性が出てくるのではないでしょうか?
以前はドイツ生産のBMWを信仰する話も多く聞かれましたが、現在はX系モデルの多くはアメリカで生産されて輸出されたりしています。
なので中国生産のBMWが世界中に輸出されてもおかしくはないのですが、気分的には少し気になりますよね?
私の過去の経験で言えば、X系以外の車種でドイツ生産以外の車を日本で購入してしまうのは、セダン以外は無いと思います。
最近の日本ではX系のモデルの販売台数が多いと思いますので、あまりBMWの生産国を気にする必要はないかな?と考えています。
なぜ、中国ではロングホイールベースのBMWが人気なのか?
BMWのロングホイールベース車が中国で人気を博している理由は複数ある。
第一に、中国のビジネスエリートや政府高官など、VIP層が好む快適性が挙げられる。
後席の足元が広く、リクライニングできることから、長時間の移動も快適。
また、中国では車内での会議や仕事がよく行われるため、後席がオフィス感覚で使えることも魅力。
さらに、ロングホイールベースの車は、富裕層の社会的地位や成功を象徴するステータスシンボルでもある。
そのため、高級感や品質の高さを求める中国の顧客にとって、BMWのロングホイールベース車は理想的な選択肢となっている。
インドでロングホイールベースのBMW 3シリーズGTがヒットしたのも同じ理由でしょうか?
【引用・参照元】
https://www.bmwblog.com/2020/06/11/bmw-3-series-long-wheelbase-india/