賛否両論があるG22型4シリーズクーペのキドニーグリルですが、BMWのデザイナーがこのキドニーグリルについて興味深い意見を述べています。

なぜG22型4シリーズクーペに大きなキドニーグリルを採用したのか?

BMWのデザイナーであるクリストファー・ワイルはメディアでのインタビューにおいて、G22型4シリーズクーペに採用された大型のキドニーグリルについて述べています。

「4シリーズと3シリーズは、デザイン表現の面ではほとんど同じだったのですが、今度はキャラクターを分けようとしたのです」と彼は言います。

「4シリーズは、3シリーズよりも、より表現力があり、より進歩的で、エレガントであるべきだと考えています。4シリーズは、3シリーズよりもより表現力が高く、より進歩的で、かつエレガントなものにしたい」と考えています。

要するに、これまでわざと3シリーズに近いデザインが行われていた4シリーズの独立性を明確にしたいという意図があるということでしょうか。

3シリーズはセダンがベースであり、そこには保守的なイメージがありますが4シリーズはクーペということでセダンよりもエレガントであるべきという考え方のようです。

デザインは個人的な主観に基づくのでこれが正しい見解なのかは判断が出来ませんが、エレガントと大きなキドニーグリルの関連性は個人的には見つけることが出来ないと考えてしまいます。

G22型4シリーズクーペのキドニーグリルの否定的な意見を受け入れる

またインタビューの中で世界中でG22型4シリーズクーペのキドニーグリルについて批判的な意見があることも承知しているとしています。

「デザインで二極化することも非常に良いことです。私たちのラインアップには、古典的なテーマや古典的な美しさをテーマにした車は十分にあると思いますが、私たちの製品で境界線を変えたいと思っています。

すべての製品において、私たちは非常に特別なものを作りたいと考えており、それが目標です。

この車は若いお客様にアピールしたいと思っていますが、若くても年配の方でも、ある種のマインドセットに対応していると言えるでしょう」と語った。

つまり、古典的なデザインが続いているBMWのデザインを未来に向かった新しいデザインを提案することで、より若い層へアピールすることが狙いである、という趣旨の発言だと思います。

確かにBMWのデザインの1つの特徴はキドニーグリルですが、キドニーグリルの存在が大きすぎることがデザイン的な制約を受けているというのは事実だと思います。

新しいBMWのデザインの方向性を指し示し先進的なBMWのデザインを再構築することにチャレンジしていくことを宣言していますね。

常に新しいことへのチャレンジは多くの批判を受けることを覚悟の上で、今回の大胆なデザインを取り入れるというデザイナーとしての意欲は感じますし、現在世界中で話題になっている批判的な意見も尊重するという決意が語られているとも言えます。

キドニーグリルのカスタマイズも容認する

BMW M3 G80/M4 G82キドニーグリルを小さくする交換用バンパーキット

最後に、デザイナー自身もBMWのカスタマイズには好感をもっていることを明かし、その延長線上で今回のキドニーグリルをカスタマイズすることも容認する姿勢を見せています。

ワイル氏はまた、「顧客が自分の4シリーズ(または他のBMWモデル)を改造することを選択しても、ユニークな特大キドニー・グリルを変更することも含めてオープンである」と述べた。

「私はカスタマイズのアイデアが好きだ。バイクの世界では、多くのカスタマイズが行われているのを見てきたが、『自分たちが車をチューニングして、違ったものにできる』と考えている人や、自分の個性に合わせて車をさらにスタイリングしている人は、もちろんそうすべきだ。

BMWでは、非常に表現力豊かなパーツを提供していますし、アフターマーケット(パーツ)や素晴らしいホイールなどを装着することもできますが、他の場所に行って車をカスタマイズする人がいても、私はそれでいいと思います。」

デザイナー自身もBMWのカスタマイズは説教的に行われることを推奨し、BMWからまたはアフターパーツメーカーから発売されているパーツでカスタマイズすることを認めています。

その中には自身がデザインしたキドニーグリルも含まれており、またそのキドニーグリルをカスタマイズして古典的なキドニーグリルへ変更するアフターパーツが開発されていることも理解すると述べています。

また別の話としてG22型4シリーズクーペのデザインは写真では伝わらない、ぜひショールームで実車を確認して欲しいとも語っていることから、今回のキドニーグリルに関しても自信があることも付け加えている。

それでもキドニーグリルのカスタマイズも容認しているということは、BMW全体がカスタマイズに関して非常に大きな気持で受け入れているという事実が存在するからでしょう。

なのでもしあなたがあの大きなキドニーグリルだけが購入のネックになっているのなら、あなた自信の手であのキドニーグリルをカスタマイズしてもBMWは構わないと思っているということになりますので、あなた好みのキドニーグリルへカスタマイズすることをオススメします。

【引用・参照元】