長期休暇
今年のゴールデンウイークは2日余分に休むと最大10連休でした。あなたは10連休のうち何日休みましたか?私の会社は一部の部署は祝日も営業していましたが私は10連休させていただきました。これは私の毎年の恒例行事であり、ゴールデンウィーク以外にもシルバーウイークや土、日、祝の3連休の週の一部の平日も休みます。これには理由があります。

まず最初に私の会社経営の考え方についてお伝えする必要があります。私の会社経営のポリシーの1つに「会社は継続させる義務がある」という考え方です。私の会社は私がオーナーであり代表取締役です。もちろん中小企業ですのでオーナー兼社長というのは多忙です。もちろん、私はいろんな場面でジャッジ(判断)を求められます。しかし、そのジャッジ(判断)は私にしか出来ないのでしょうか?

オーナー会社の社長は自分の会社のことを「我が子のようだ」という表現をされる方が多いですね。その気持はよく分かります。しかし、だからと言って会社経営で重要な仕事のひとつであるジャッジ(判断)を私しか出来ない会社で良いのか?という疑問を持っています。

もし、私が病気やケガで入院したら会社はどうなるだろう?そんな不安をお持ちの社長は多いと思います。しかし、だからと言ってその不安を解消するための対策を講じている社長はほとんどいません。そして、実際にあなたが病気やケガで入院することになって会社が右往左往する、そんな光景は実はよくあることなんです。

なので私は年間に数日から10日前後会社を休みます。できるだけ平日(営業日)にまたがるように休みます。そうすれば、もし会社で何かが起こった場合には私の部下たちが私の代わりにジャッジ(判断)せざるを得ない状況を作ります。そうすることで、いつ来るかもわからない危機に対する教育を行っています。

もちろん、あなたがいきなり長期休暇を取ったとしても、私と同じように部下に対して教育が出来る訳ではありません。普段からどれだけ部下と情報、価値観、方向性を共有出来ているのが重要です。私はそれらを部下(役員、部長クラス)と共有出来るようになるために3年はかかったと思います。それもほぼ毎日昼食or夕食を彼らと共にして3年です。

そして、彼らが私にジャッジ(判断)を求めくる度に彼らの意見を述べさせる訓練も行ってきました。そんな地道なことを繰り返しながら少しづつ長期休暇の日数を増やしていきました。

最初は携帯電話やメールなどで連絡が入りましたが、いつの間にか電話一本来なくなっていました。そして長期休暇が終わって出社するといつものように仕事が進んでいる。もちろん、その間に起こった出来事の報告もしてくれます。すべて事後報告です。それに対して些細なアドバイスはしますが、概ね私が会社にいても同じジャッジ(判断)をするだろうという結果になりました。

こういう地道な訓練?をすることで私が気兼ねなく会社を長期で休むことが出来るようになりました。また、そう遠くない将来私が経営の第一線から退く時が来ても後継者に悩むこともこれで無くなりました。

社長が長期休暇を取ることは、危機管理、後継者問題の2つの問題を解決できる費用対効果が高い研修だと私は思っています。

◆参考図書:忙しい社長のための「休む」技術
長期休暇2